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勿忘草の誘い
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【世界を紡ぐ芳香】
弥逢 遊琳
は思わず駆け出していた。
街中ですれ違った見知らぬ男の背中を追いかけて。
(あの人がきっと『作り手』)
その確信が遊琳の中にはあった。
そして同時にあの香りを、特別な『世界』を作り出す『作り手』と話をしてみたいと心の底から強く思った。
駆け出すと言っても遊琳のそれは小走りに近い。
幸い男が入った店は視認出来ていた。
あとは勇気を出して扉を開くだけ。
「いらっしゃい。初顔だね、お嬢……いや、ボク?」
カランコロンと軽やかなドアベルと共に程良い低さの声が遊琳を出迎えた。
壁に飾られたたくさんの香水瓶達に見守られながら遊琳は先ほどの男が立っているカウンターまで歩み寄る。
「はじめまして。寝子島高校2年芸術科の弥逢遊琳と言います。……お名前を窺っても?」
「ご丁寧にドーモ。俺は高松由季也、この店『Herbe d’ amour』のオーナーでしがない調香師さ」
「じゃあやっぱりあの香りは貴方が……」
「ん?」
「さっき貴方とすれ違った時に感じた香り。その香りに素敵な『世界』を見たんです」
遊琳は造花や銀粘土で『世界』を作る。
それと同様に、目の前にいる由季也は香りで『世界』を作る人間。
先程の香りから感じたシンパシーは間違いではなかったのだ。
「『世界』か。そんな風に言って貰えると光栄だね。じゃあ今日は俺の『世界』を一つ持ち帰ってみるかい?」
「ええ、一つ、縁のある子を連れて帰りますよ」
そう言ってふわりと微笑んで金木犀の瞳を細める遊琳だったが、由季也はその瞳が決して自分の瞳とかち合わないことに気付いて小さく肩を竦めた。
※
遊琳が『Herbe d’ amour』に入ってしばらく経った頃、ヴァイオリンケースを持った少年が店の前を通りかかった。
(なんだろう、この香り……)
篠崎 響也
は気になる香りに足を止めて香りの元を探した。
目に着いたのは勿忘草のプレートが掲げられた扉。
一見何の店かは解らないが、響也は昔似たような雰囲気の店に入ったことがあった。
(小さい頃、連れられて入った香水専門店の感じと似てる気がする)
両親のこと、家族のことを考えると、なんとなく胸の奥がきゅうっと締めつけられるような感覚が響也を襲う。
その微かな痛みを振り切ろうと扉に手をかけた瞬間、ポンと肩を叩かれた。
「っ!?」
「よぉ。どうしたんだ? そんな驚いた顔して」
「し、シグレ……?」
慌てて響也が後ろを振り向けば、背後に立っていたのは高校の先輩であり、同じクラシック同好会に所属している
シグレ・ナイトウォーカー
だった。
「同好会の練習まで時間あるから、ちょっと色々店見てたらお前の後ろ姿を見かけてな。篠崎は何か買い物か?」
「い、いや、ちょっとこの店が気になって。なんの店かは解らないんだが……」
響也は歯切れの悪い返答をして目を逸らす。
なんとなく自分に香りなんて似合わない気がして、気不味いのだ。
「『Herbe d’ amour』? 愛の薬草、いや、勿忘草の別名だったか」
しかしシグレはそんな響也の気持ちは露知らず。勿忘草のプレートを興味深そうに眺めてからニッと歯を見せて笑うと、ドアノブを掴んだままだった響也の肩を再度叩いた。
「ほら、早くしろよ」
「へ?」
「気になるんだろ? 中に入ってみようぜ!」
「え、あ、ちょっ……!?」
微かな抵抗も虚しく、響也はシグレに背中を押される形で店の中へと足を踏み入れることになった。
※
「あれ、シグレじゃない」
「弥逢。奇遇だな、こんな所で会うなんて」
あまり広くない店の中、見慣れた顔と声を見逃すはずもない。
遊琳とシグレはお互いの顔を見て少し驚いた様子で、響也はそんな二人の顔を見比べながらやや居心地悪そうに店の中をきょろきょろと見渡した。
「おや、遊琳君のお友達かな?」
由季也はカウンターで頬杖をついて新しい客を眺めて楽しそうに目を細めている。
「ええ、同じ学校の同級生で……と、そっちの子はシグレの後輩?」
「おう、クラシック同好会で一緒の篠崎響也」
「あ、っと、は、はじめまして」
シグレに紹介されて響也が小さく頭を下げる。
その様子に遊琳は小さく笑ってから二人に由季也のことを紹介した。
「クラシック同好会……へぇ、二人ともヴァイオリン弾くのかな?」
響也とシグレの持つヴァイオリンケースを目敏くみつけた由季也のモノクルの奥の瞳が輝く。
シグレと響也が頷くと由季也は上機嫌にカウンターを指でリズミカルに叩く。
「そっかぁ、いやぁ俺も音楽好きでさ。演奏はしないんだけど、香り合わせる時によく聴いてるんだよね。そういえば君達は何かお探しかい?」
「そういえば丁度愛用していた香水が切れたんだ。新しいのを買っていこうかな」
「俺は……そんなに強くない、リラックスできるような香りがあれば」
香水と馴染みが深いシグレはごく自然に、逆にあまり馴染みの無い響也は戸惑いがちに答える。
「D'accord. そうだ、良かったら君達の演奏を聞かせてくれないかな? その音で君達に合うものを探したいんだ」
由季也の提案にシグレと響也は一瞬顔を見合わせるも、すぐにケースから各々の愛器を取り出した。
「何弾こうか」
「篠崎に任せる。俺はそれについていくから」
「じゃあ……」
演奏慣れしているのか、度胸が据わっているのか、自信があるのか、それとも全てか。
二人はさして戸惑うことなく即興で演奏を始めた。
「楽しそうですね、二人も、由季也さんも」
「うん、楽しいよ? ほら、さっき遊琳君も言ってた『世界の融和』ってやつさ」
二人が入ってくるまでの間、遊琳はベルガモットにロータスの香りが混じった香水を由季也に見立てて貰っていた。
遊琳の希望に適ったトップからラストまであまり香りに変化のないもの。
瓶には金木犀の花を輪の様に繋げたようなチャームがついている。
そして家に連れて帰る香りを決めた遊琳は由季也にある提案をしていた。
それは自分の作ったソイフラワーを、この店の香水瓶に挿してサンプルにして貰えないかというもの。
遊琳曰く、それは『世界の融和』。
遊琳の『世界』と、由季也の『世界』、二つの世界が溶け合って生まれる新しい『世界』を生み出すこと。
由季也はそれを笑顔で快諾した。
「Tres bien! 良い演奏をありがとう。お陰で二人にぴったりの香りを見つけたよ」
演奏を終えた二人を拍手で労い、由季也は棚から二本の香水瓶と一つのソープを取り出した。
「まずこれは響也君、君に」
響也に差し出されたのは水色と白のマーブル模様が美しい楕円形のソープ。顔を近づけるとふわりと朝の空気と水を連想させる爽やかな香りを感じるそれを、由季也は赤いリボンのついた黒の小袋に入れた。
「この石鹸は顔にも体にも使えるんだけど、この小袋に削って入れると匂い袋にもなるよ。君は香りにはあまり慣れていないようだから、強すぎないものから使い始めた方が良いと思ってね」
「あ、ありがとうございます」
甘過ぎたり強過ぎる香水を薦められたらどうしようと考えていた響也にとって由季也の選択は有難いものだった。
「そしてシグレ君にはコレとコレ」
「二本?」
シグレに差し出されたのは青い瓶と赤い瓶。
青い瓶には星空と黒猫の、赤い瓶には朝露に濡れる薄ピンクの薔薇のラベルが貼られている。
どちらもそこまで強くない、パルファンではなくトワレとコロンの間位のもの。
「青い方はブルームーンという薔薇の香り、赤い方はオーギュスティーヌ・ギノワゾーという薔薇の香りがイメージなんだ。青い方が君用、赤い方が君の大切な人用。二つの香りが混ざるとまた一段と良い香りになるんだな、これが」
「……あー、えーと、Mr.高松」
「何かね、シグレ君」
どこか気恥ずかしそうな顔で口元を手で隠し、視線をさまよわせるシグレに対して由季也はニヤニヤと笑っている。
「どうして、そこまで解ったんだろうか」
「俺は色男の味方だからさ。なんたって俺自身が色男だからね!」
ウインクと共に冗談めかしてすっとぼける由季也に三人は苦笑するしかなかった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
本条小鹿
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年01月26日
参加申し込みの期限
2014年02月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年02月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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