this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
【新入生歓迎会】挑め! 新入生歓迎大祭、略して……新歓祭!
<< もどる
1
…
14
15
16
17
18
つぎへ >>
●アクション演劇巨編『修羅逝き姫』!!
アナウンスが流れます。いよいよ次は、最後の演目です。
「プログラムの訂正を申し上げます。有志による『白雪姫』の演劇が予定されていましたが、タイトルが変更となりました」
ざわめくなか、アナウンスは告げたのでした。
「その名も……
『修羅逝き姫』!
」
修羅……!? とざわめきが高まる中、海原茂の隣に座る人物の姿がありました。
「失礼。隣、よろしいですか?」
穏やかな笑みを浮かべながら、彼は茂に会釈します。
「さっきまでここにいた方には譲ってもらいました。取材を理由にね」
と、『報道』と書かれた腕章を見せながら彼、すなわち
八神 修
は簡単に自己紹介しました。
「その腕章は自作の偽物だな。本当に新聞部ならもう少し堂々とするように」
表情をほとんど変えずに茂は言いました。
「おっと、いきなり厳しいですね。ですが、新聞部なのは本当です」
茂もたいがいですが修もなかなか曲者のようです、さして悪びれもせず軽く笑って、これまでの各演目の簡単な感想を聞きます。
「それで、君が来たのは次の舞台……『修羅逝き姫』というのとはどういう関係なのかな?」
「さすが会長、鋭いですね」
実は……と修が言う前に、金管楽器による高らかなファンファーレが会場に鳴り響きました。開演の合図です。
「え? もう!?」
椿 美咲紀
は、ぎょっとして身を強張らせました。
美咲紀は裏方、この『修羅逝き姫』の美術監督を担当していました。その務めとして、ステージ上に背景の書き割りや小道具を設置していたのです。低予算ではありますが、それを感じさせぬ舞台作りは、美化委員としてもセンス十分な美咲紀の本領発揮といったところでしょうか。
美咲紀の発想は、できるだけ本物の花を使うところに核心がありました。もこもこ葉っぱのプランターで茂みを本物っぽく作り、お城の装飾に本物の花を散らすことで、ハリボテの背景をゴージャスな見栄えに変えました。緑あふれる森も、美咲紀が紡げば生き生きと再現されます。
とりあえず開幕準備はギリギリセーフ、美咲紀は最後の花を挿して一言、にぱっと笑顔で植物たちに告げました。
「うん、今日も緑がまぶしいよ。舞台に上がれば君たちも立派な女優。生き生きと瑞々しく輝いてね」
ここで美咲紀の豆知識。彼女によれば、植物も褒めて伸ばすと綺麗に育つということです。
そして美咲紀は舞台から撤収します。急いで袖に隠れました。
準備は整いました。美咲紀はカーテンの端をつかんで立ちます。
どきどきして開幕を見守ることにしましょう。
舞台が暗転しました。
じわじわと灯りがつきますが、それでも暗い。不気味な迫力があります。
「緊張します」
花咲里 月桂
は舞台袖からステージに向かいながら、小刻みに肩を震わせていました。
気恥ずかしさで顔は真っ赤、それどころか口元に血痕があります。この血というのが、メイクではなく、本物だったりするのがちと危険。なんと彼女は、(命に別状はないのですが)血を吐きやすいという物騒な体質なのでした。
慌てて口元を拭い、「だ、大丈夫、ですから……ネバーギブアップ!」と小声で呟いて、月桂は舞台中央に立ちました。
これを待っていたのです。闇の中、月桂にスポットライトが当たります。
照らし出された月桂は、尋常な服装ではないのでした。
トンガリ帽子に長いローブ、いずれも鴉のように真っ黒です。禍々しい姿といえますがところが、ローブの下はスクール水着にロングブーツだったりします。なんともアグレッシブな魔女のようです。
月桂の目の前には、美咲紀が用意しておいた大きな鏡があります。
鏡をのぞき込みながら、スク水魔女たる月桂は大仰な声で告げました。
「鏡よ鏡、世界で一番美しいのは誰じゃ?」
鏡の返事は聞こえませんが、月桂はふんふんと、熱心に鏡の声に聴き入るようなポーズをとりました。
ところが鏡が告げたのは、どうも納得いく返事ではなかった模様、月桂は地団駄を踏みます。
「えぃ、わらわでないなら、その白雪とやらに美白を教えてもらいましょ……って、違っ!?」
「ちょっと! 納得がいかないわ!」
このとき月桂に物言い付ける声が、拍子木を打ったように響き渡りました。
「えっ、誰!?」
誰かと思えば……
最上 るるか
の登場です。
「鏡の声を聞いたわ。世界で一番美しいのは白雪姫? ふふ、これを見てもそんなことが言えるかな?」
るるかはガウンを羽織っていたのですが、スポットライトが当たるやこれを、ぶわさと大胆に脱ぎ捨てました。
その下から現れたのは……おおなんと、やはりスクール水着ではありませんか。なんでしょう、この界隈ではスク水が流行っているのでしょうか。
長い栗毛を解いて颯爽、るるかは水着モデルの歩み方で月桂に近づきます。そのウォークの堂々たること、これはよほど、スタイルに自信があるといっていい。ぼんきゅっぼんのわがままボディです。
「あなた、その格好からして王妃を名乗るつもりのようね!? あたしとキャラ被りまくりじゃない! けれどそうはいくもんですか。王妃いやさ
女王
の座はあたしのものだから!」
「えっ、そんな話、聞いてない……」
どうやら想定外の展開だったらしく月桂はたじろぎ、混乱のあまり手にした毒リンゴを、よろよろとよろめきながら自分でかじってしまいました。
「し、しまった毒リンゴを……でも、こ、このリンゴ……!」
月桂の口の端からたらーりと一条、血がしたたり落ちました。(観客は皆、演出と思っていることでしょう)
このとき舞台袖で、ふふと美咲紀は笑みます。あらかじめあのリンゴには、美咲紀が仕掛けをしてあったのです。
「お……美味しい!」
そう、仕掛けとは、超絶美味のリンゴを用意したということ。
「果汁たっぷり蜜っ気もいっぱい、それなのに少しもしつこくなく、歯ごたえも最高、色だって美しい……こんな毒リンゴがあっただなんて! 体に力がみなぎってくる!」
「それって全然毒リンゴじゃないじゃない!」
ちなみに『島の商店街にある果物屋さんで好評発売中☆』とのことです。
……失礼しました。これ、CMです。
それはともかく、リンゴを得た月桂は舞台袖に駈け込み、銀色の甲冑を着て戻ってきました。オモチャであるのは一目瞭然ですが、走るとガチャガチャ音が鳴ったりしてなかなか本格的な甲冑です。
「リンゴで元気百倍! 実は私、ラ・ピュセルこと伝説の『ジャンヌ・ダルク』だったのよ!」
「なんという変わり身! だが女王の敵ではないわ!」
るるかは闘う構えのようです。威嚇するようなポーズをとって言いました。
「ええい、こうなったら誰が女王にふさわしいか……ではなく! 王子様にふさわしい世界一の美女か決定する必要があるようね!」
るるか女王は体を巡らせ、台詞中の『王子様』の部分で、びしりと海原会長を指さしていました。さらに、『世界一の美女』という部分では、片脚を上げて悩ましいポーズを取っています。
「ジャンヌ・ダルクだけじゃない、あたしは誰の挑戦でも受けるわ! 世界中の美女自慢に招待状を出し、真のナンバー1を決めさせてもらうわよ!」
るるかが片手を天井に向けると、そこからすとんと鞭が落ちてきました。はっしとキャッチしてビシバシ、床を叩いて激しい音を立てます。
そうまで言われてはジャンヌ・ダルク月桂も引っ込みが付かない。眼に輝きを宿しながら応じるのでした。
「負けるものか!」
ここで舞台がまた暗転、数秒の後ライトは、新たな美女を照らし出します。
東西問わずといったところでしょう、姿を見せたのは十二単(ひとえ)をまとったジャパニーズ姫君でした。
彼女は
水無月 雅
です。扮する役は、竹取物語でおなじみのあの女性。
「私はかぐや姫……月に住んでおりますが何もなくて退屈なのです……」
ふぅ、と青い溜息をついて雅は言うのです。実際、ウサギの餅つきくらいしか月には楽しみがないのでしょう。
「ですがそんな折り、地球から一通の便りが届いたのです」
懐から一枚のカードを取り出し、雅は言いました。
「『ぶとう会』の催しとのこと……わざわざこんな空の果てにまで便りが届いたのですから、行かないわけにはいきませんね……。けれど『ぶとう』の字が『バトル』の意味の『武闘』のようですが……楽しく踊ったりするものじゃないのですか……? あらあら、どうしましょう……」
言いながら彼女は、すとんと十二単を脱ぎました。
その下から出現したのは、コンバットアーマーじみた全身スーツだったりします。特殊部隊が突入時に着ているようなものをご想像下さい。
「火鼠の衣、蓬莱の弾、如来の枝……これだけおめかしをすれば他の御姫様たちとならんでも恥ずかしくないでしょうか……?」
かぐや姫はアーマーのみならず、ボウガンならびに弾頭搭載の矢のセットまでがっちり準備しています。武器もアーマーも明らかに発泡スチロール製のオモチャだったりしますが、それぞれ満月の刻印が入っており妙に凝っています。「あらあら……どうしましょう……」などと言っておきながら彼女、やる気満点のご様子ですね。
さてまた暗転の後、照らし出された少女は、つぎはぎだらけの貧しい身なりをしていました。ホウキを手に、いそいそとカマドの掃除なんかしています。
「……おお、まま母アンドいじわるな姉たちのせいで、毎日オーバーワークとハラスメントの毎日ね。いつになったら王子様はガラスの靴を履いて、カボチャの馬車で迎えにきてくれるのかしら?」
彼女は
レイラ・トンプソン
、役名はご存じ『シンデレラ』です。どこか原作を勘違いしているところがあるように聞こえますが、気にしないでおきましょう。
そんなレイラの元に、やはり招待状が届きました。
「こ……これは! 武闘会……ワールド・チャンピオンシップへの招待状!?」
もう掃除している場合じゃない! ダーッと気合いもろとも、ボロ服を引きちぎるようにしてシンデレラは灰まみれの服を脱ぎ捨てます。
「チェンジ、シンデレラパワー! メイクアップ!」
変身演出が終わるやいなや、胸元もあらわな戦闘コスチュームにシンデレラは変身したのでした。ナイスバディを包む衣装は赤がベース、眼にも鮮やかな姿です。
「王子様、ウェイト・フォー・ミー・プリーズ! あなたの愛は私のもの!」
ダッと飛ぶようにレイラは駆けていきます。
続いてスポットライトが照射されたのはなんと客席の後方、その空きスペースに
秋月 明香
がスタンバイしていました。
明香は茨に包まれた一角で眠っていました。しかし眠っていたのは短い間、明香は飛び起きるなり、そこにいた誰かを突き飛ばすような演技をして大きく伸びをしました。
茨に包まれた姫君……『眠れる森の美女』というやつですね。別名は『眠り姫』です。
「あなたが王子様!? そんなはずはないでしょう!」
と、突き飛ばした誰かに宣言(する演技)をして、明香はまだ夢の中のような眼をして手を組み、海原茂のいる方向をうっとりと眺めました。
「ああ、王子様……呪いで眠っていた私を起こして下さった王子様! あなたはきっと、遠い空の向こうにいらっしゃるのですね!」
遠い空の向こうにいる王子がどうやって彼女を目覚めさせたのやら……というツッコミは野暮というものです。眠り姫は立ち上がり、手にした招待状を開きます。得心したようにうなずいて、
「ならば、全力を出して戦うしかないようですね!」
立ち上がったとき、眠り姫は長い裾をした桃色のドレスを着ていたのですが、これを、ビリビリビリッという効果音とともに破り捨てました。
するとどうでしょう彼女の服は、ぴっちぴちとはいえ大変動きやすそうなドレスに変貌したのです。
「待っていて下さい王子様……だって、王子様と結ばれるのは私なんですから!」
暗転。
そして今度は客席の中央あたり、二本の脚で地を踏みしめて立つ姫君の姿が光の中に現れました。
コスチュームで想像がついた人も多いでしょう。彼女こそ、渦中の『白雪姫』その人に違いありません。たしかに美人でした。
演じるは
時川 計美
です。衣装デザインはもちろん、透き通るような白い肌は確かに白雪姫ですが、ドリル級に尖ったブロンドのツインテールに、挿すような眼光を放つ紅い瞳は、あまり白雪姫っぽくありません。ていうかかなり別物感があります。そもそも衣装だって、スカートにはスリットが入っていたり胸元は大きく開いていたり……とかなりのセクシー路線にアレンジされているです。少なくとも、リンゴに騙されるようなタイプには見えない。
まあそれはそれでいいではありませんか、計美は海原茂をまっすぐに見て宣言しました。
「王子様、待っててね。あなたにふわさしくないプリンセスたち、そして女王たちを撃破して、きっとそのハートを救ってみせるわ!」
拳を握ってウフフ……と笑うあたり、新解釈ここに極まれりと言っていいでしょう。
かくて計美白雪姫は、ライバルに満ちた闘技場に向かうのでした。
計美がまっすぐ向かう正面ステージでは、
小倉 杏子
が準備に追われていました。
杏子は役者ではなく、舞台監督的な役回りです。美術監督としての椿美咲紀と協力して、セットの大半を組み上げたのでした。
普段は引っ込み思案、いつも何かに怯えているような彼女ですが、今日は違います。
「さぁ仕事だ木偶の坊ども! スクラップにされたくなければとっとと働け!」
メガホンを手にした彼女はまるで鬼軍曹、左頬にいつも貼ってある大きなガーゼが、怒鳴り声で吹き飛びそうです。杏子の空いたほうの手は、愛用の軍帽の鍔にかけられていました。
これ、杏子の『ろっこん』の発動要件だったりします。この怒声に追われるようにして、杏子の腰ほどの身長がある人形たちが、戦場さながらにセットチェンジを担当していました。帽子の鍔をつまみ、メガホンを通して命令することで彼女は、玩具を自分の意のままに操ることができるのです。
幸い舞台裏ということもあって怒声はあまり洩れず、また、暗転しているということもあり、こびと人形が動いているのも衆目には触れません。
準備が終わりましたが、こびとたちは残りました。彼らはこのまま登場人物として活躍するのです。
こびとはお揃いの衣装はで七体あります。つまり七人のこびとというわけですね。
ところが一人だけ、大きなこびとがいたりします。大きいばかりではなく、女の子のように可愛らしい姿です。
それもそのはず、このこびとには
天馬 ひびき
が扮しているのですから。
さあ出番、とばかりにひびきは客席に手を振りました。客席にはひびきの席に、ペガサスのぬいぐるみが座っています。名前は『はやぶさ』。もちろんただのぬいぐるみですし、ひびきだってそれは理解していますが、『はやぶさ』が見守ってくれていると思うだけで、勇気が湧いてくるのです。
プラスチックのバットに板で刃を付けたものを、斧のように握ってひびきは言いました。
「そこにあるは何者だ!」
その台詞が聞こえないかのように、ただひたすらにキョロキョロしつつ、さらなるプリンセスが舞台袖から姿を見せました。
笹の葉 サラ
です。中国の天女風の衣装に身を包み、髪も二箇所をシニヨン(お団子)に結っています。
「ん、やけにたくさん人がいるじゃないか。これじゃあ迷子になってしまうよ、王子様はどこかな?」
「だから何者だっての!」
ひびきが問うと、あっけらかんとした表情でサラは言いました。
「あ、ごめん。おれ? 織り姫って言うんだ。王子様の婚約者さ。でも、結婚するまでは一年に一回しか会えないのさ」
「王子に婚約者だと? 初耳だな」
そんなひびきを無視して、織り姫サラは会場を眺め回しました。
「嘘じゃないよ。ところで王子様はどこさ……あ、いた!」
瞬間、ぽっとスポットライトが、海原茂を照らし出しました。
いえ、茂だけではありません。
魔女改めスク水甲冑のジャンヌ・ダルク……花咲里月桂と、
やはりスク水で、鞭を振り回すデンジャーな女王……最上るるか、
満月刻印入りコンバットスーツのかぐや姫……水無月雅、
真っ赤な戦闘コスチュームのシンデレラ……レイラ・トンプソン、
茨まとって『目覚めた』眠れる森の美女……秋月明香、
大本命(?)のドリルツインテール白雪姫……時川計美、
というそうそうたるメンバーが、茂の周囲に結集していたのです。彼女たちはいずれも、気合い全開の眼でライバルたちをにらみつけています。
「王子様、婚約者のおれがいるのにどうして他の国の『じゃじゃ馬姫』と一緒にいるんだい?」
織り姫サラが笑顔で……でも、目が笑っていない笑顔で茂に呼びかけました。
「どうやら王子というのは……」
茂は眼鏡を直して言いました。
「……そういうこと、です」
八神修は絶妙にスポットライトから外れる位置で微笑しました。
「新入生たちの期待に応えるのも会長の務め、かもしれませんよ」
と修が言うと、やれやれ……というように茂は首を振ってマイクを取りました。
「ああ、俺が王子だ。どうやってナンバー1を決めるのかはわからんが、期待している」
「名前名前」
修が小声で言います。「できれば王子っぽく」などと注文もつけて。
「……
ポンポコ王国、王位継承一位のシゲル王子である。
よろしく頼む。愛想がないが、生まれつきだからな」
「ノリノリじゃないですかー」
と笑う修を尻目に、シゲル王子は立ち上がって一礼したのでした。
憮然としている様子でも、逆におちゃらけている様子でもありません。ただシゲルいや茂は彼なりに、一生懸命やっているようでした。例によって平然としていますが。
ポンポコなんて言っていますがその凛々しいこと! 王者の風格があります。たしかに茂は絵になる男といっていいでしょう。
「それでは勝負開始!」
るるかが宣言すると候補者たちはどっと舞台に駆け上がりました。そしてサラを含めた七人で、切った張ったの大立ち回り、バトルロイヤルを繰り広げたのです。
杏子がメガホンで怒鳴ると、コミカルなれど血湧き肉躍る音楽が流れ出しました。
闘いといってもミュージカル風、それもドタバタ劇を思わせるシチュエーションです。
「たあっ! ストロング奥義『十二時の鐘』!」
レイラがアクロバティックに跳躍し蹴りを放てば、
「伊達に眠り続けていたわけじゃない!」
と茨を振り乱し、眠れる森の美女明香が避けます。
「我こそはジャンヌダルクー! さぁ己ら成敗してくれるー!」
一方、紙製の槍による月桂の攻撃は、
「あらあら……恐ろしいこと」
と、かぐや姫雅にガードされていました。
「ごめん遊ばせ」
雅は今度は、発泡スチロールのボウガンでるるかをひょうと射ますが、女王様はこれをたくみに逃れました。
そしてるるかは、
「お袋の味! たわしコロッケを召し上がれ!」
と言うなり鞭を捨てて両手を使い、たわしをぽいぽいマシンガンのように連射するのです。白雪姫目がけて!
けれど、
「なんのっ! そんな家庭料理があってたまるもんですか!」
たわしもツインドリルにはかなわない。恐怖のコロッケは白雪姫計美の硬い髪に弾かれるのでした。
ところでこびとのひびきまで、なぜか参戦していました。
「1の3天馬ひびき、野球部マネージャーやってます。皆で甲子園に行こうアターック」
「ええいっ! どさくさ紛れの自己アピールにもほどがあるっ!」
ひびきが挑む相手、それは織り姫サラです。
サラはゴロゴロと床を転がって斧の攻撃をかわし、力強く言いました。
「お前にシゲル王子が救えるか!」
「分からぬ だが共に生きることはできる」
「フハハハ どうやって生きるのだ! 王子とともに人間と戦うというのか」
「……なんの話だよ」
「…………なんの話だったっけ?」
どこかで聞いた気もしますがよくわからない問答をかわしたとき、はっとなってサラは顔を上げました。
ひびきも同様です。
月桂は紙のスピアを下ろし、たわしを投げあうという『たわし祭』状態に陥っていた計美、るるか、雅も動きを止めました。
レイラと明香は驚いて衝突しそうになりますが、抱き合ってことなきを得ます。
「……俺のために争う必要はない」
なんと壇上に、シゲル王子(海原茂)が上がって宣言したからです。
これは八神修の差し金でした。
つまり修が「王子が止めないと無事に終わらないですよ」などと茂に吹き込んだからですが、実際、『修羅逝き姫』の脚本はここから先は
『なりゆきで決める』
なんて書いていたのですからこれでいいのです。
「よくわらかないが、俺が全員と……け、結婚すればいいのではないかな……」
あの会長が台詞を噛んだ――! というのはともかくとして、なんとも大胆な和解案です。
ですがこの提案は大いに受け、客席からも万雷の拍手が轟きました。
「サービスしてあげるから、わたしを追い出さないでねダーリン♪」
ぱっ、とレイラが茂の首に飛びつきます。
「にゃごー」
負けじと計美も彼に抱きつきました。
「生徒会長ってイケメンだよね……ほんと、マジ好きになっちゃうかも」
と笑って、るるかは空の耳に熱い吐息を吹きかけたりします。
月桂も負けてはいません。
「ホールド・ミー! 王子様ー!」
と飛びつきました。
このままカーテンコールです。明香が舞台袖から杏子と美咲紀を呼び寄せました。
サラも雅も頷きあって拍手に加わります。
この急展開にひびきも目をキラキラさせて、
「らぶあんどぴーす。1・2・3☆」
かけ声とともにこびとの帽子を取り、そこからブーケを出現させて会長に握らせたのでした。
舞台監督の杏子ですが、メガホンを置いてきたのであの鬼軍曹状態が嘘のようです。びくびくしながら、それでも監督の務めとばかり、精一杯の声で言いました。
「こ……これで終わり、であります! ありがとうございました!」
修は客席から茂会長と、彼を取り巻く美女たちを撮影しておきました。
新聞部の修です。色々考えます。後で『会長にハーレム!?』の見出しで壁新聞にすると面白いかもしれません。
虚報じゃないですからね。『新歓祭の舞台内容です』と注釈も入れるつもりですから…………激しく小さな字で。
舞台の幕が、ゆっくりと下りていきました。
<< もどる
1
…
14
15
16
17
18
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
【新入生歓迎会】挑め! 新入生歓迎大祭、略して……新歓祭!
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
学校生活
学校生活
定員
1000人
参加キャラクター数
80人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年01月01日
参加申し込みの期限
2013年01月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年01月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!