テスト勉強はスイーツと共に？｜リアクション

テスト勉強はスイーツと共に？

　耀と侑、丸美と羽衣の４人もまたガジュマル付近で勉強をしていた。最初は和気藹々とおしゃべりも交えて勉強をしていた。
（やっぱり、ついおしゃべりしちゃうよね）
　と羽衣が思っていた程だ。ところがしばらくすると……耀は鬼教官と化していた。
　最初は耀が苦手としている現代文をみんなでやっていた。
「どの辺に心情とか書いてあんだよ……。長文を読んでたらなんだか眠気が……」
「まだまだ始まったばかりだに～！」
　侑のそばでは丸美と羽衣もまた一緒に頑張ろう？　というような眼差しを向けて応援する。３人のおかげにより、どうにかがんばれたのである。その後、其々の苦手教科を勉強していたのだが、ふと侑の解いている問題の計算式を見て耀が固まった。
「おい、あんた。こいつはなくね？」
「にぇ？！」
　彼の言葉に、侑が固まる。解らないことがあった羽衣が耀へ質問しようとしたものの、急に厳しい表情となってビシバシと勉強を見ており、声がかけづらかった。心なしか、背後から黒いオーラが漂っているような気もする。
「ここと、ここ。いい加減な計算をするな。公式を使え。教科書のこのページにある。ほら、解き直し」
（あれ？　なんか工藤ちゃんが……厳しい？）
　丸美がおもわずびくっ、となっていると彼は丸美と羽衣のプリントに目を通し、「できてるな……」と呟くと侑のプリントを見てビシバシとおかしい部分を指摘していく。
「ちょ、ちょっとレイさんに英語を教えてもらいに行こうかなぁ……」
「私は工藤ちゃんにこの問題の解説してもらいたいな」
　羽衣は席を立ち、丸美はそれとなく耀に問いかける。耀は侑と丸美に問題の解説をする。侑は妙に居心地の悪さを覚えて「糖分補給をしようよ～」休憩を提案するが耀はそれを許さない。丸美がどうにかあいだに入ると「この問題を解いてからな」と厳しい眼差しで言うのであった。
　そんなこんなでビシバシ鬼教官と化した耀にしぼられ（？）倒れそうになる侑を丸美が支える。……が、耀は苦手な教科でないにもかかわらず、何故か眠たくなっていく。
（ん？　どうして現代文じゃないのに……瞼が重いんだ？）
「？　大丈夫？」
　侑が肩を揺らすも、耀はいつのまにやら眠ってしまった。そして……丸美もまた釣られてうとうと。ふわぁ、と愛らしいあくびをしてしまう。そして彼女も「ダメ……、寝たら凍え死んじゃう……じゃなくて、本番でフリーズしちゃうから～」と言いつつも眠りそうになっている。
「あれ？　工藤君？　眠っちゃダメだよ～！」
　侑が肩を揺すったりしたものの、なかなか起きなかった。仕方なく、彼女は別の人に聞いてみる事にした。
　因みに寝落ちしそうになった丸美に気づいた夏朝が一時的に席を交代する。そして……例に漏れず撃沈し、愛らしい寝顔を見せるのだった。

　こちらは茶道部の先輩・後輩である椿姫と智也。この二人もガジュマルの傍で勉強をしていた。
「文化系の科目ならば一通り教える事ができてよ。　私の分？　愚問ね。普段、復習をしていれば試験勉強で躍起になる必要はないものよ」
　とクールに言い放った椿姫に、智也は感嘆の息を漏らす。その上で彼は苦手教科である漢文をまず見て貰うことにした。
（と言っても、俺みたいに勉強してな……い訳ねぇな、これ）
　早速プリントの問題に関して要点をいい、どこを取っかかりとした方が訳しやすいか等を的確にアドバイスする椿姫。彼女は漢文や古典を得意教科としている為、より分かり易く説明してもらえる。
「……と、この場合上・中・下点も用いますの。お分かりになりまして？」
「ありがとうございます。これで少しは自力で解けそうっす」
　智也はそういって問題に取り組み、躓いた所は椿姫が詳しく説明をするのだが……２人は瞼が重くなっていくのを感じた。