this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム /
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
傘をさせない織り姫のために
<< もどる
1
…
6
7
8
9
10
…
15
つぎへ >>
七夕の夜、クラブ『プロムナード』も独自の『ゆかたまつり』を展開している。毎年この日はキャストが全員浴衣で出勤する、というのが店のならわしだ。
手持ちがなかったので、
朝鳥 さゆる
は店の衣装を借りた。深い紺地に白い水仙が大胆に描かれた浴衣、すっと伸びた葉のラインが涼しげで、白の花が闇に浮かぶように映えている。帯は薄紫、紺の重さをほんのりと和らげていた。髪には白い花の髪飾りをひとつ。普段のブルードレスとは異なる静けさが、硬質な美貌によく映えた。
「いいじゃん」
鏡台の前で振り返り、
姫木 じゅん
がさゆるに笑みを見せた。
じゅんは、黒を基調とした和ゴスの浴衣だ。黒地に金の蔦模様、帯もこれでもかというほど黒く、一部にだけ朱の差し色が入る。首元の細いチョーカーはもちろん、手にした扇子もやはり黒だが、開くと金の三日月と星が散っていた。完全にじゅんの世界観で仕上げてある。
「あらあ、さゆみ様、素敵ですこと」
うふふと笑って、
みちゃ子
こと
宮小路 美沙
がバックヤードに姿を見せた。
「魅了されちゃいそうですわあ」
意味深な眼差しを向けてくる。
──あたしの、唇を見てる。
直感した。その場にじゅんがいなければ、さゆるは唇を手で隠しただろう。それくらい刺さる目つきだった。
先日、不覚にも美沙に唇を奪われた記憶がよみがえる。「あの日のことは、わたくしとさゆみ様だけの秘め事ですわよ」と告げているのだとさゆるは理解した。
妖しい含み笑いとともに、美沙はじゅんの隣に腰を下ろした。鏡に向かい、一昔前のヒット曲を鼻歌で歌いつつメイクの具合をチェックしている。
美沙の浴衣のイメージは白だ。水彩で溶かしたような淡い灰の花々が全体に広がり、裾はプリーツ状にふんわりと広がっている。袖口にもフリルが揺れて、全体としてどこかドレスめいた雰囲気があった。
まみ子とみちゃ子、黒と白。並ぶと対になっているようにも見えるが、そこはそれ、ふたりの関係は噛み合っていない。バックヤードでも店内でも、ふたりの間には薄い膜のような緊張が横たわっていた。黙っていればよかろうものを、いつも黙っていないから質(たち)が悪い。口火を切るのはたいていみちゃ子の側だ。
今回も、そうなった。
「まみ子お姉様、今宵もお人形さんみたいなお召し物で」
甘い声で言う。艶っぽく流し目するが眼差しは鋭い。褒めているのか揶揄しているのか、判断に迷いそうな口調だ。
じゅんは冷たい口調で返した。
「あんたの衣装もいいセンスじゃない」
目が笑っていない。
書き文字にすれば褒め合っているようだが、実際は一触即発の気配をはらんだ、ピリピリとした言葉のやりとりである。
「そうね、ふたりとも、きれいな浴衣姿ね」
と言って、さゆるは内心ため息をついた。いまのところ冷戦状態で収まっているのは、さゆるがさりげなく間に入っているからだ。熱戦になったら目も当てられないだろう。バックヤードで開戦されても困るし、店内だったらそれ以上に困る。
あたしがこうして、ずっと見張ってられればいいのだけど──。
最近は、さゆる自身への指名が増えてきた。ヘルプとして立ち回る余裕が、じわじわと削られている。気が気でないところだが、そちらにかまけて自分の仕事をおろそかにするわけにもいかない。
黒服の
ゴンザレス・東井
が入ってきた。
「さゆみさん、三番テーブル、ご指名です」
元サッカー選手という異色の経歴を持つラテン系ハンサム、彼の登場により、地雷原でワルツを踊るような空気がふっと緩んだ。
「ええ」
アルバイトといってもさゆるならぬ『さゆみ』はプロだ、すっくと立って表舞台へと向かう。
今日もじゅんとみちゃ子が、ずっと別テーブルで終わりますように。
祈るような視線を残し、薄暗いバックヤードから、輝きの下へと出ていった。
三番テーブルに向かうと、ほっとした。見覚えのある客だったから。大人しい老人だ。連れ合いを亡くした寂しさで、月一回程度来るという。妻の思い出をぽつりぽつり話すこともあるが、たいていは静かに水割りをかたむけるのが主だった。
彼に限らない。さゆるを指名する客は、どちらかといえば口数の少ないタイプが多かった。酒の勢いに任せてパーッとまくしたてるタイプは少なく、互いのペースを尊重しながら会話する、そういう人が集まってくる傾向がある。さゆるの見た目のせいもあるのかもしれない。どちらにしても、さゆるにとっては居心地のいい傾向だった。
今夜は雨のせいか、客足は少なかった。
窓のない店内からはわからないが、ぽつぽつと来店するお客の傘や肩が濡れているのを見ていると、外の様子はだいたい察しがついた。かなりの豪雨らしい。七夕ゆかたまつりが開催されているはずだが、この雨のなかどれほどの人が出ているのか。
「さゆみさんは浴衣も似合うね」
何人目かの指名客が言った。三十代の、物静かな男だ。
「ありがとうございます」
「ひどい雨だけど、来てよかった。落ち着いた感じ、とても似合うよ」
さゆるの口元に笑みが浮かんだ。
落ち着いた感じが似合う、というのはキャバクラで使われる褒め言葉としてはいくぶん地味かもしれない。
でも、嬉しかった。
じゅんの黒い後ろ姿が見えた。いくらか離れたテーブルで、みちゃ子の白がちらりと動く。いまのところ平和だ。
客の少ない夜は、嫌いではなかった。間があっても、焦らなくていいから。
「外、すごい雨でしたよ」と次に来たグループ客が言った。
「そうみたいですね。ゆかたまつり、大丈夫だったんでしょうか」
「それが結構にぎわってたよ。みんな、雨でも来てた」
浴衣を着て傘を持ち、雨の祭りを歩く。そういう夜を、さゆるはまだ知らない。じゅんと歩けたら、とふと思い、グラスに琥珀色の液体を注ぐ。
雨の音は、ここまでは届かない。
<< もどる
1
…
6
7
8
9
10
…
15
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
傘をさせない織り姫のために
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
NPC交流
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2026年04月05日
参加申し込みの期限
2026年04月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2026年04月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!