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傘をさせない織り姫のために
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駅の改札を出ると、
早川 珪
がすでに待っていた。
紺のシャツに細身のパンツ、傘を持って立っている。飾り気のない格好だが、すらりとした長身に似合っていた。黒いビニール製のカバーをかけた文庫本を読んでいて、綾花が近づいても気づかない。
「珪さん!」
顔を上げた珪は、「ああ」と言った。とくに驚いた様子もない。
「お待たせしました。浴衣、どうですか?」
綾花はくるりと一回転した。緑地に赤い花柄の浴衣だ。
「とてもよく似合ってるよ」
珪は言った。透き通った、どこか遠くを見るような目で。
珪さんは私だけを見ているんじゃない──綾花は思う。雨の寝子島ごと、私を見ている。心のカメラで、風景のなかに私を収めている。
「ありがとうございます。珪さんも浴衣にすればよかったのに」
「そうだね。浴衣でもよかったかもしれない」
うっかりしていた、といった口調で告げて珪は傘を広げた。
「どこに行きます?」
「綾花さんの、好きなところでいいよ」
そうおっしゃると思ってました。
綾花は知っている。
いつだって珪さんの優先事項は……私のこと、なんですから。
駅周辺は混み合っていた。雨でも浴衣姿の人がそこかしこにいる。
浴衣で来て正解だった。綿毛の上に着地したような気持ちだ。自分だけ浮いていたらどうしようと、実は心配していたのだ。でもほら、あそこにも、こっちにも。白地に朝顔の人、紺地に金魚の人、鮮やかな黄色地の人。男性も負けていない。浅葱色の浴衣に黒帯を締めた長身の男性、グレーの甚平でさっぱりまとめた中年の男性、紺の浴衣を着崩したのが、かえって様になっている少年──。雨の七夕でも、みんなちゃんと来ていた。
「意外と、人出があるね」珪が言う。
「ですよね」
やっぱり彼の浴衣姿が見たかった。それだけが、綾花の心残りだ。
日が暮れ始めると雨脚も強まったが、ライトアップも負けていない。
「雨でも、七夕って感じがしませんか」
「天の川だね。光の」
綾花ははっとする。
光が織りなす天の川……たしかに、そうです。
雨に濡れた石畳の上に、提灯と電飾の光が溶けて流れている。川のように。
言われなければ、ただの雨の夜でした。
私は、珪さんと歩くたびに、同じ景色がちがって見えます──。
‥…━━━ * ━━━…‥
ねこでんを降りると、むっとする湿気が押し寄せた。改札をくぐると、そこに濃厚な人いきれがまじる。
天気予報の通り雨だな。
不快には思わなかった。
雨は雨として楽しみたい。それに、雨の寝子島はひさしぶりだ。
八神 修
は傘を開く。漆黒の、無駄のない一本だ。石突は水牛の角、中棒には丁寧な焼きが入っている。洋傘ながら和の心を宿した一本、宮内庁御用達の品だという。こんな天候には頼もしい伴といえよう。
荒天にもめげず、浴衣姿がそこここを行きかっている。ビニール傘や折り畳みをめいめいに手にして、びしょ濡れにもかかわらず、雨の中を楽しそうに歩いていた。たくましいものだと修は感心した。
国内外からの観光客も多いようで、スーツケースを引きずるようにして移動している姿もまま見られた。
修は身軽だ。荷物といっても、イタリア製の小ぶりなリュックひとつである。
こういうイベントごとには、できるだけ戻りたいからな。
そのために寝子島の住居もおさえてある。さすがに戸建ては引き払ったが、山を少し上ったところに3LDKのマンションを借りていた。少々手狭ではあるものの、仮の宿としては申し分ない。引っ越し前、「寝子島の拠点も残しておきたい」と言ったら、数日で父親が手配してくれた部屋だった。家賃は知らない。まあ、安くはないだろう。
駅前広場には大きな案内図が設置されていた。『本日のご案内』と手書きされていて、雨天で中止になったイベント、開催場所が変更になったものが丁寧に示されている。変更先への経路を示すQRコードの一覧も掲載されていた。この日が雨の予報に変わったのは数日前だ。おそらく大慌てで準備したものであろうに、奨学生の書道展示のような小さなイベントまでしっかりフォローしているところが心憎い。
丁寧な仕事だ。やるな、寝子島町役場。
都内ではこうもいかないのではないか。小型で小回りのきく自治体の強さを見た気がする。
さすがわが第二の故郷だ。
誇らしく思いつつ、修はありがたく、いくつかのデータを読み込んでおいた。
待ち合わせスポットの噴水が雨にけぶっているところ、これを背景に自撮りする。
三枚撮影して、一番いいものを七夜あおいに送った。
そのまま電話した。
あおいは現在どこだろう。寝子島にいたら嬉しい。
夏休みでもないのに「出てこないか?」とはさすがに言えなかったからな──。
「はい?」
あおいが出た。
「NYAIN、見た?」
「見てない」しばらく間があって、「うわー、駅前広場じゃない。寝子島帰ってるの?」
「ああ。たまたま島にいたら、一緒にめぐりたいと思って」
「さすがにそれはないよ、今日専門学校だし」あおいは笑う。
あおいは九州だ。東京住まいの修とは事情がちがうだろう。
「でもそっち、いま、すごい雨だよね? せっかくのゆかたまつりなのに」
「知ってたのか。さすがあおい。心は常に寝子島にあるんだな」
「ちがうよ、友達に聞いただけ」
「なんだ」
こっちはいい天気だよ、とあおいはまた笑った。
「なら浴衣姿か? だとしたら見たいな」
自撮りでも頼めるか、と修は言いかけたが、あおいの答えのほうが早かった。「まさか。いま寮の部屋でジャージだよ、高校のやつ」
でも、とあおいは言う。
「心は……そうだね、寝子島にあるといいな」
修は微笑した。
──そこは、『修くんとあるといいな』なら、もっと良かったが。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
NPC交流
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2026年04月05日
参加申し込みの期限
2026年04月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2026年04月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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