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白いパーカーの、背後に下ろされたフードから伸びる兎の耳が歩みに合わせて揺れている。
この空間に入れる事に気付いて早数日。
黒兎 都
は、自分の足で歩くCat Islandの世界を満喫していた。
何度かダイブを繰り返すうちに、自分がアバター化した時になっていたい格好のアイテムをクローゼットに作ったフォルダに纏めておけば、初めからその姿になれる事にも気付いた。
そんな訳で今日の都の格好は、ウサ耳付きの白いパーカーを中心に纏めたコーディネートだ。
髪もパーカーに合わせて白いロングにして、普段とは違い前髪も短く、二重の赤い目がきちんと見えて可愛いらしい。
アバターを飾るヘアパーツは大概カツラのような形態で売られているけれど、ダイブしたもれいびが装着すると何故か本体に元々生えていたかのように自然な感じになる。
「うん、イイネこれ」
目の前にいるアバターが映し出されるような加工がしてある窓ガラス越しに、自分の姿を確認して嬉しそうに呟いた。
大概のファッション系の店で打ち出されているアイテムの価格は良心的で、数百円程度の出費で一式二式のコーディネートは揃ってしまう。
学校帰りのファーストフードを一回我慢するだけで、自分で自由に出来るある程度の広さの土地も借りられるし、無料でアイテムを配布してくれる人もいるので、小遣いに限りのある学生でも結構楽しめるのだ。
「今日は何があるかの」
日々変化のある街を、都は今日も散策し始める。
「……あ、あれ? ここは寝子島のような、寝子島じゃないような……」
分厚い眼鏡の蔓をしきりに動かしながら、
白浜 渚
は周囲を見回した。
「あらら?」
眼鏡がずれても、景色はちゃんと見えている。
それに気付いた渚は、思い切って眼鏡を外してみた。
「見えて……ます」
未だかつてない裸眼でのクリアな視界は、普段の自分の視力では有り得ない事だ。
ここは、現実ではないのだろうか?
(確か、さっきまでネットで調べものをしていて……その後ちょっとCat Islandを開いて)
彼女の記憶は、そこで途切れていた。
(そういえば、少しうとうとしていたような……)
睡魔に勝てなかった事を思い出した彼女は、ここはきっと夢の中なのだと結論付けた。
そして、すぐ現実では出来ない事をしてみたい、と思い付く。
「夢なら、誰も私と気付かないでしょうし」
名案とばかりに、早速彼女は準備に向かった。
「ここが……Cat Islandの……中?」
同じ頃、別の場所で視界に入る景色を不思議そうに見回すもれいびの少女がいた。
黒依 アリーセ
。
彼女もまた、噂を耳にして早速自宅のパソコンからダイブを行ったのだ。
「これは……私の手」
掲げた左の手の甲には、見慣れた守りの刺青がある。
当たり前だけどとくすりと笑い、アリーセが全身を確認したいと意識を向けると、視点が自分の目線からぐっと遠ざかった。
仮想の街の路上に立つ、自分の全身を背後から見るなんて不思議な気分だ。
「面白いわね、慣れるまで少し掛かりそうだけど」
カメラを正面方向に回しながら自分も身体の向きを変え、ぐるりと全体像を確認。
クロスモチーフのデザインの衣装やアクセサリーに、大人っぽいワインレッドのノースリーブジャケット。
甘さを抑えたガールズパンク風だ。
不思議な事に、生身の自分がちゃんと服を着ている感覚がある。
いくら作りが良くても、3DのCGで表現している為に何処かに生じてしまうであろう綻びも、見当たらない。
気になる事は多々あるけれど、アバターに着せるのではなく実際に着てみたかった衣装を纏えて、アリーセのテンションはうなぎ上り。
(あ、実際じゃなくて、ネットの中なんだけど……まあ、細かい事はいいわ)
軽くかぶりを振ると、この状況を楽しもう、と持ち込んだギターを爪弾いてみた。
ギュイーン。
ちゃんと音が出る。
アリーセはゴクリと息を呑む。
(ココなら大丈夫。アバターはギターが弾けるって設定だから、大丈夫な筈よ)
歌は得意なのに、楽器の方は何をやっても上手く演奏出来ない彼女は、一抹の望みに懸けた。
そして。
「…………」
アリーセはそっとギターをしまった。
(メタバースは夢の世界っていうけど、そこで厳しい現実を見せ付けられるなんてね……)
青い瞳が、ふっと遠くを見る。
憧れの路上ライブは歌で勝負しようそうしよう。
気持ちを切り替えると、彼女はある場所へと歩き出した。
「この辺だったわよね……」
アリーセがやって来たのは、旧市街とシーサイドタウンを繋ぐ橋の側の交差点だ。
Cat Islandでは、音楽を流す権限は基本的にその区画のオーナー、借りている人にある。
借りた場所でストリーム放送を繋ぎ、公開放送のような会場を作ってラジオや自分の演奏を流すユーザーもいるけれど、録音出来る環境やそこそこの知識が必要という事もあって、今はまだ実行している人の数そのものが少なかった。
Cat Islandの管理者は、そういったものが娯楽のひとつとなり得る事に理解を示しており、興味のあるユーザーに試して貰おうと、道路など公共の場所の一部を開放していた。
ここで流す設定にしたストリーム放送は、他のいくつかの区域でも流されるようになっている。
エリアに入ると、そこにアバターと楽器のオブジェクトを置いて演奏しているバンドの曲が聞こえた。
「な、なに?」
奇妙な不協和音やスピーカーが唸る音まで拾われていて、アリーセは顔をしかめる。
そういう曲ではないので、単にこのバンドの技術や録音のし方の問題なのだろう……。
演奏が演奏なので、このエリアにまで聴きに来ているアバターは少ないけれど、強い熱意と勢いが伝わってきてアリーセの鼓動を早まらせた。
『やあ、こんちわ』
装置の前に立つ、DJ風のアバターが話し掛けてくる。
「こんにちは、歌わせて貰えますか?」
『うん、1人順番待ちの人がいるから、もう少し待ってね』
彼自身は運営とは関係なく、音楽が好きで色々な人の歌や曲を聴いてみたいと、好意で装置の使い方が分からないユーザーをサポートしているらしい。
数分後、凄い金切り声のようなノイズと共に、ブツッと音楽が切れた。
少ない聴衆に礼を言いながら楽器を片付け、脇に退くアバターたちと入れ替わりに、長い黒髪をポニーテールにしたスタイルの良い少女が進み出る。
(あの人もダイブしてるのね)
アバターの上に『Seiren』と表示されている彼女の容姿も、現実の世界からやって来た人そのものだ。
ただ、アリーセが自分と同じ学校の先輩とまでは知る由もない。
一度会ったら記憶に残るだろう美少女は、実は渚だった。
普段はトレードマークの瓶底のような分厚い眼鏡に気を取られてしまう為、整った容姿が注目される事はまずない。
性格も大人しく、個性的な生徒たちの中では埋没してしまう。
しかし、人見知りの筈の渚は今Seirenとして、堂々と人の前に立っていた。
夢の中だと思い込んでいるからこそ出来た事だ。
胸元が開きスリットの入った、肌もあらわな衣装に身を包んだ彼女は、前奏が流れ始めると携えたマイクを持ち上げる。
ひとつ、深呼吸をして。
「
アタシの歌を聴けぇっ!
」
声を張り上げた後、ノリの良いポップな曲を歌い出す。
『お、いいねぇ』
澄んだ伸びのある歌声に、裏で放送のチャンネルを繋ぎ変えていたらしいDJアバターが呟く。
彼女が歌い始めていくらもしないうちに、まばらにアバターがいるだけだった空き地に人影が集まってきた。
他の区画で流れていた曲を聴いたアバターたちが、どんな人が歌っているのかと興味を持ったのだろう。
疾走感のある曲からしっとりとしたバラードを歌い上げる渚に、聴衆の主たちも聴き入っているようだ。
『リアルのSeirenさんもあんなきれいなのかなぁ』
中には美しい歌声とセクシーな姿に、現実の彼女の姿へと想いを馳せる者もいる。
まさか本人が仮想空間の中に存在しているなんて、思いもしないだろう。
響き渡る音楽と一体化する心地良い時間を経て、渚の歌は終わった。
空き地を埋めたアバターたちが、一礼する渚に盛大な拍手や声援を発するジェスチャーが贈られる。
もしこの中に渚を知る者がいても、きっと誰も気付かなかったろう。
「凄い……こんな風にライブする人たちもいるんだ」
たまたま通り掛って歌を聴いていた都も、高揚を感じながら手を叩く。
(……なんだか、思っていた以上の事になっちゃったような)
渚と入れ替わって聴衆の前に立ったアリーセは、アバター越しに自分を見ているだろう沢山の目を意識してしまう。
歌い手が変わった事でこの場を離れていったアバターは、少ない。
アリーセの歌にも期待しているのだろう。
『ヘビメタ?』
流れ始めた重低音に、意外そうなメッセージがちらほら浮かぶけれど、彼女はそれをものともせずに深く息を吸い込んだ。
通り過ぎた影 目の端に捕らえても
スルリ抜けて行く 足跡も残さずに
気付かれぬよう 忘れられぬよう
アナタの足元 纏わりついてる
クルリ回り 踊り出す 心の奥 潜む闇
ニヤリ笑い 語り出す 皆の中 住んでるよ
黒い小さな子猫
『すげえ……』
『あんな声よく出るな』
地の底を這うようなビートを刻む曲、それに負けないデスヴォイスを交えて歌声を放つアリーセに、渚の時とはまた違う感嘆を文字が並ぶ。
普段はなかなか歌えない、歌い方も違うジャンルの曲。
リズムに合わせて身体を動かすジェスチャーを楽しむアバターたちを眺めながら、アリーセはシャウトを決める。
腹の底まで響く音に都も思わずノッて、踵を上げ下げ。
ウサギパーカーの白い耳が、ぴょこぴょこと踊る。
目の前にいるアバターたちも思い思いのアクションで楽しんでいるのを見て、彼女自身もより楽しい気分になってきた。
人混みは苦手だけれど、この一体感はなんだか心地が良い。
仮想世界に入れた事で普段は出来ないようなイメージチェンジを楽しめ、ちょっとしたイベントに遭遇して、嬉しい事が三つ重なった。
力強く歌い切ったアリーセを、歓声と拍手が包む。
「あの、私で良いんでしょうか?」
『是非お願いします! あ、もちろんお時間の都合が合えば、ですけど……』
次のパフォーマーに場を譲って脇に退いたアリーセが見たのは、少女のアバターに何やら頼み込まれている渚の姿だった。
少女はアリーセにも、自分が今夜行われるライブのスタッフという事を説明し、出来れば出演してくれないかと打診してきた。
『募集は少し前からしていたんですけど、きちんとステージが出来そうな人はまだ少なくて……お二人の歌をお聴きして、是非誘わなきゃ! って思ったんです』
少女から発されるメッセージは長さの割にやたら早くて、興奮と切羽詰った印象が伝わってくる。
『ここに偶然通り掛って、お二人の歌が聴けてすごくラッキーでした!』
思わず顔を見合わせる渚とアリーセ。
二人にとっても、多くの人に歌を聴いて貰える機会は幸運と呼べるだろうけれど、こんな偶然があるのだろうか?
熱心にタイピングを続ける少女と向かい合う二人から離れた場所で、遠ざかっていく白いウサ耳がぴょこぴょこと揺れていた。
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ブロンズシナリオ(100)
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なし
シナリオジャンル
日常
推理・サスペンス
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2012年12月31日
参加申し込みの期限
2013年01月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年01月07日 11時00分
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