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●違う自分になれる街●
「ちょっと待ってよ、二人とも……」
可愛らしいブティック、『LeChat』から先に出てきた男子二名を追い掛けて行く猫耳眼鏡の美少年の姿に、思わず壁に張り付いて隠れていた翠子の目は釘付けになってしまった。
(ここ、可愛い女の子の服を売ってるお店よね……? どうして男の子たちが出てくるの?
そのうち二人は猫耳だし、一体彼らはどういう関係なのっ)
翠子の頭の中で、ちょっと人には話せない想像がもんもんと膨れ上がる。
(ああっそんな! いけないわっ……って)
そこで我に返った。
(違あぁーうっ、夢の中でまで妄想してるなんてっ)
自分が抱えている厳しいかも知れない問題に、頭を抱える翠子。
フツウでない現象をあまり信じておらず、自分がもれいびだという事すら知らない翠子は、今この世界にいる事を夢だと思っていた。
たまたま、口コミで評判になっていたCat Islandが面白そうだったから、始めてみようと思い立っただけだったのに。
仮想世界の探索にのめり込んでいたら、気付いた時には自分がその中にいたのだ。
始めはちょっと混乱して周りの人に色々聞き回ってしまったけれど、イマイチお互いの言葉がかみ合わずさっぱり訳が分からないので、結局翠子は素直にこの状況を楽しむ事にした。
現実では、自分が興味を持っている割に縁遠かった色恋を含んだ付き合いを楽しんだり、異性と仲良く過ごす事も出来るかも……と思ったのに。
(こんな時に妄想爆発させてる場合じゃないでしょ! もう私のバカバカっ)
『あら、霧切さん?』
チャットウィンドウに表示されたメッセージに、翠子は慌てて顔を上げた。
すぐ側に、髪の長い女性のアバターが立っている。
『ごめんなさい、ついリアルの名前で呼んでしまったけれど……こういうところでは登録名で呼ぶのよね』
目の覚めるような青い髪と抜群のスタイルが、ある上級生を思わせる。
「も、もしかしてみー先輩?」
彼女に話し掛けてきたアバターは、3年生の
葵 水姫
のものだった。
生徒会に所属する面倒見の良い先輩として、翠子とも面識はある。
「先輩もCat Islandやってたんですね」
『最近人気があるって聞いたから……これって思ったより楽しいわね』
アバターも細かく整えられ、似合う服を着こなしているところから、水姫がCat Islandに結構ハマッている様子が覗えた。
『でも、翠子さんのアバター程じゃないわ。細微なところまで作り込まれていて……まるで本人みたい』
「あ、これは私が入っちゃったからで」
『入っちゃった?』
思わず口をついて出てしまった言葉だったが、水姫にはよく分からないようだった。
それはそうだ、夢の中だからって電脳世界に入り込んだなんて話、普通の人は俄かには信じないだろう。
なんて、翠子は納得する。
「……あの、実は私、今日始めたばかりで」
『そうだったの。霧切さんは芸術科だけあって絵も素敵だし……アバターの造形も、センスの賜物なのね』
素直に羨ましがる水姫に、翠子は「あは」と笑い返した。
『そうね、始めたばかりなら、一緒にお買い物に付き合ってくれないかしら?』
「買い物ですか?」
聞き返した翠子に、水姫はにっこり笑顔のエモーションを浮かべた。
『ヴァーチャルの世界で自分磨きっていうのも、面白いでしょ』
ヴァーチャルな空間に再現された、旧市街エリアの一角。
そこは、主にファッションに関するアイテムを揃えた店が立ち並ぶ街並みで、片隅にお洒落なカフェ風のたまり場があった。
いわゆるフォーラムと呼ばれているものだ。
このカフェ風フォーラムには場所柄か、チャットを楽しむアバターたちもルックスに力を入れた者が多いようだ。
『メディさん、新しいアバターにしたの?』
可愛らしい『悠華』という少女のアバターが、女性ながら長身で格好良い雰囲気の『メディ・アン』に尋ねる。
「おう、じゃない……ええ、どうでしょう?」
普通に話した方が文字を打つより早くて楽なので、地の口調で答え掛けたメディこと
笠原 ひびき
はちょっと焦って、言い直した。
(おー、やべぇ。つい素が出ちまいそうになるな)
始めの頃はタメ口ではちょっと、という事で敬語を使っていたら、そのまま真面目そうな敬語キャラで通ってしまったから普段の喋り方はギャップが大きい。
『いつものメディさんにしては、意外かなって思うけど。
そのアバター、近くで見ても角ばってるところがなくて綺麗だよね』
うっかり出てしまった声には特に反応はなく、悠華は『僕もイメチェンしようかなぁ』なんて可愛らしい仕草のジェスチャーをした。
ダイブしたもれいびの姿は生身の人間そのもので、どんなに出来の良いアバターでもここまでリアルな造形のものは存在していない。
見れば明らかに別物だというのに、一般人と思しきユーザーたちは不思議とそれを疑問に思ったり、出所を突き止めようとはしなかった。
あくまでも『超リアルなアバター』という認識で、仮装世界に人間が入り込んでいるなんて考えもしないのだろう。
悠華も、そんな一般人のアバターかと思われた。
だが。
(フン、こいつダイブしたもれいびか……)
ディスプレイの前で悠華を操る少年は、冷めた目で画面を眺めていた。
星ヶ丘寮の自室からアクセスしている
鮫島 裕也
だ。
自分の分身であるアバターを、現実とは全く違う容姿に出来る仮想空間の中では、彼のように性別すら逆転させて遊んでいるユーザーも少なくない。
(クク……誰も俺が、Cat Islandで女アバターを使っているとは思っていないだろう……)
彼は可愛いアバターに騙されて寄って来たり、ちやほやする男どもを見てほくそ笑んだりしている。
造形にはかなり拘り、裕也のアバターはまるで精巧な美少女フィギュアのようだ。
「えっと、変なこと聞きますけど、ゲームの中に入れたりってしません?」
『えっ?』
メディの問いに、思わずそう打ったところでエンターキーを押してしまう裕也。
すぐに続きを入力する。
『なんですか、それ』
とぼけると、『仲良く』している男性アバターがそういう噂がある、と教えてくれる。
『そうなんですか』
(知ってるよ、バーカ)
礼を言う悠華とは裏腹に、裕也は心の中で舌を出す。
だからこそ、彼はダイブしなかったのだ。
ダイブの際にアバターが自分の姿になってしまったら、目も当てられない事になる。
(これがクラスメイトに知られたら、社会的にも終わってしまう。正体は絶対に知られないようにしなければ……)
裕也が気を引き締めている間に、メディは今日は会いたい人がいるとかで、さっさとカフェを出て行ってしまった。
(人探しか……)
なんとなく奇妙な縁を感じた。
今日悠華がここに来たのは、敦志たちも考えたように1組の引き篭もり少年がCat Islandの中で遊んでいるのではないか、と思い至ったからだ。
尤も、裕也は直樹を引き篭もりから脱却させようとか、親切をしようなんてこれっぽっちも考えていない。
悠華は相変わらずボクッ娘の愛らしさ全開でナンパしてくる男性アバターを適当に相手していたが、それを眺める裕也の眼差しは冷え切っている。
「すみません」
と、そこへ、他のアバターに向けられた少年の声が聞こえてきた。
聞き耳を立てていると、どうやら引き篭もりについての情報を集めようと聞き込みをしているようだ。
しかし……裕也は視界に映る、灰色の髪に眼鏡の少年をしげしげ観察する。
最近ちょっとブームの兆しを見せている、感情表現に合わせて動く猫耳と尻尾のアクセサリーだ。
(こいつ、男なのにこんな格好して恥ずかしくないのか?)
少年――天野が直接そう言われたら、「恥ずかしくないが訳ない」と反論しただろう。
騙されて着けてしまったのに、どうして気付いた今も外さないかと言えば、単にどうやって外せば良いのか分からなかったからだ。
しばらく放置しておいたせいか、存在を忘れ掛けている感も否めないけれど。
『さあ……こういうところだから、そういう人も結構いるだろうけどね』
問われたアバターの返事は芳しくなかった。
無理もない、本人が周囲に伝えるか1日中ログインしているとかでもない限り、傍から見てそのアバターが引き篭もりのものかどうかというのは判別し難い。
裕也自身も自分が考えたように、顔も声も、本名すら分からない場所で相手を探すのは容易ではないだろう。
答えてくれたアバターに礼を言った天野は、今度は悠華に近付いてくる。
『お話は聞いてました』
カタカタとキーボードを叩く。
『えっと、僕もちょっと、分からないです』
「そうですか……ありがとう」
小さく嘆息して去っていく天野を眺めながら、裕也は思案げに口をへの字にした。
(他にも探してる奴らがいるのか、厄介だな……)
『ダンちゃん、こんちわ』
「おー、いらっしゃい」
頭に口の部分を結んだポリ袋を被った男性アバターが、『DAN10』こと
大山田 団十郎
の店を訪ねてきた。
『新しいの、なんかできた?』
「こういうのなんだけど」
どうだ? と団十郎が出したのは、ホッケーマスク状のもの。
出来はいかにも高校生がちょいちょいと作ってみました、というレベルだ。
他の売り物も、紙袋や目出し帽、バイクのヘルメットなど現実で被ったらいかがわしさMAXな代物ばかり。
Cat Islandが開設されて少し。
後にきっと最初期と呼ばれるであろうこの時期に、団十郎は話題性重視のネタ勝負を仕掛けたのだ。
『おー! いいね』
しかし、この店を訪れる客にはやたら評判が良かったりする。
「物好きだよなぁ」
『おれこういうの好きなんだよー。被るとテンション上がんない?』
何処かのダウナー系モデルのような事を言いながら、購入した被り物を早速装着する男性アバター。
『どう似合う?』
「なんか怖い」
『そりゃいいや』
ケタケタ笑う音声と一緒に男性アバターが陽気に踊り出すと、今度は複数のアバターがやって来た。
「いらっしゃい」
『こんにちはー』
団十郎と挨拶を交わしてから、店の中で誰が何を被ってどのタイミングで……と相談しているメッセージがチャット欄に並ぶ。
どうやら、何かの集まりのサプライズで乱入する計画を練っているようだ。
『物好きっていえば、ダンちゃんもそうじゃない。アバターはめちゃ美形なのに、こんなイロモノの店やってるなんてさ』
踊りモーションが終わった男性アバターに言われて、団十郎はフッと笑む。
「その辺の込み入ったいきさつを語ると長くなるような気がしないでもないし、案外簡単に終わるかも知れないのでやめとく」
『どっちだよ』
軽口を叩き合う気分も清々しい。
だってここでは。
(みんなが俺を覚えてくれる……)
ひょんな切欠でCat Islandの世界に飛び込んでしまった団十郎は、そこで会う人みんなが自分の顔をちゃんと認識している事に気付いたのだ。
仮想空間に入り込めた事自体はなんだかよく分からないが、楽しいから良いやと深くは考えずにありのままの自分を認めてくれる世界を満喫していた。
客には目的のものを買って長居せずに帰る者もいるけれど、この世界の形態上店主がいれば会話を楽しんでいく者も多い。
特に、団十郎の店はネタアイテムを扱うだけあって、それに関連する話題を笑い混じりにダベッて仲良くなるようなアバターが既に複数出来ていた。
話自体は下らないものでも、そこからアイデアを得て作った下らない品物が妙にウケたりもする。
『こんにちは』
「あ、どーも」
入れ替わりやって来る客の間に、ひとりの青年アバターがやって来た。
アバターネームは『N-cat』、名前の前に通常のアバターにはない黄色の立体的な五芒星の印が付いている。
Cat Islandの運営サイドが操作しているアバターだという証だ。
仮想空間内で何かトラブルなどが起こっていないか、時折巡回している姿が見られる。
小規模運営のようで、団十郎はこの星が付いたアバターを彼以外見た事はない。
丁度、この旧市街界隈を回っているところなのだろう。
『なかなか盛況みたいですね』
「有り難いこってすよ」
こんな一発ネタアイテムに、と棚に陳列された商品を眺める団十郎。
『会話の場でも、こういった話題性のある面白いものが持ち込まれると、皆さん盛り上がりますからね』
少しでもクリエイト系の知識や意欲を持っている人は別として、今のCat Islandにはまだ、会った人と会話を楽しむくらいしか行き着かない参加者が多いという。
「ふーん……」
『そうそう、今晩ライブがあるのはご存知でしたっけ』
やや思案げにした団十郎に、N-catからピロリとメッセージカードが送られてきた。
まだ殆ど手付かずのシーサイドタウンエリア、海に程近い駅の南方に設置された特設ステージで行われる、ジャンル問わずの音楽会。
Cat Islandでもこういったイベントは初めてで、運営サイドも場所の貸し出しや告知などで協力しているのだという。
「そういや、ちらっと聞いてたような」
『良かったら、来てみて下さいね』
そう伝えると、N-catは再び巡回に戻っていった。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
推理・サスペンス
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2012年12月31日
参加申し込みの期限
2013年01月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年01月07日 11時00分
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