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素直になれなくて
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コンロの火がつく。
──開演だ!
「スポットライトっ!」
萌が指を鳴らすと、ぱっとキッチンに照明が灯った。
白いコックコートに身を包み、萌はくるりと一回転、
「さあさ皆さまお立ち会い☆ 本日これより調理いたしますは──」
びしっ、とおたまを掲げ宣言した。
「愛のはじまり、そして再会の! 激辛バターカレーでございますっ!!」
アーナンドは一瞬ぽかんとしたがすぐに理解した。キッチンは劇場、演目はカレーなのだと。キリッと、かつての彼を彷彿とさせる表情を見せ、
「では萌ちゃん、まずは」さっと取り出す。
「玉ねぎ!」萌は即答。食い気味に!
聖剣めいた包丁を萌は握るや、機械のように正確に、速く、あざやかに玉ねぎを微塵にした。
アツアツにしたフライパン、ここにどっと落としたのはサラダ油ではなくバター、それも、たっぷりの! そこに刻み玉ねぎをドロップ!
「炒める炒める炒めるよー。ここで手を抜くと全部が台無しーっ♪」
火力は強。十段階でいえば──十一! 素人がやれば玉ねぎなんて瞬時に炭だ。だがカレーを作る鬼河内萌に、精神的動揺による調理ミスは決してない! と思っていただこうッ!
アーナンドも負けてはいない。青唐辛子、ニンニクを瞬時に刻み、生姜を擦り、大フライパンへと投入する。さらにトマトペースト。すべてが熱とともに一体化していく。
「ええと、あのときの……スパイスの加減は……」
アーナンドの眉間にシワが寄った。
「『激辛』で『爽やか』って話だったよね?」
「ええ、あのころ覚えたての……郷土の味とはちがいます。それどころかインドからも外れたような」
「スリランカ風? ビンダルー? あ、わかった☆」
萌の頭上で豆電球が光った。
「きっとファール風だよ! 親のカタキみたいに辛いやつ!」
「そう! それです!」
萌が手のひらを差し出す。パン、とアーナンドが叩いた。
ファール(Phaal)風──インド直送ではなくイギリス経由のカレーだ。暴力的な辛さと、極上の爽快感が特徴である。
「だったら唐辛子、追加しないと☆」
「ハバネロもです。それも大量に!」
アーナンドはプロ、もちろん萌もプロだ。阿吽の呼吸で整えていく。
カレーはスパイスが命。スパイスの配合は責任をもってアーナンドが行う。フェンネルシード、カイエン、カスリメティ、必要なスパイスをつぎつぎと整え、魔術師のように分量を測り、ミックスしていく。
萌のフライパンはもはや楽器だ。しかも爆音系の。左手の動きはリズムを取る。右手でかき混ぜる音はパーカッション。ジュウジュウ立つのはメロディラインだ。
「うっひゃー、目に染みる~。でも涙だってスパイスだからっ♪」
「スパイス配合完了。鍋、温まってますよー」
「ベストなタイミングだよ、シェフ!」
どさあっ、と投入する。もうもうと湯気が立ち上る。舞台用スモークかという勢いで。
水はいらない。必要なのはトマト缶だ。うんと入れる。グツグツ煮る。鶏もも肉も追加してさらに煮る。煮る! まだ煮る!
タイミングを見つつ混ぜて混ぜて、チキンに火が通ったあたりでスパイスが鍋に熱烈参戦した。
味見を終えたところで、
「あ、そうだ。奥さんの曲、聴かせてもらっていい?」
店の隅のCDプレイヤーとラックに萌は近づいた。
「それは」
言い淀んだアーナンドだったが、小さく首を振って、「ラックの一番下です」と告げた。
スピーカーから流れてきたのは、ヨナ抜き音階のギターだ。どう考えても、この店の空気と合ってない。
うわー、ド演歌だ。
あえてカタカナ表記すれば『チャンチャカチャン』なやつだった。エスニックな内装とスパイシーな香りに満ちた店内が、たちまち場末の赤ちょうちんの雰囲気となる。
イントロが終わり、いよいよ歌が入るその瞬間、
「男のォ、うぅぅみだぁぁあ、カツオ一本釣りぃぃい~♪」
スピーカーの音を軽く凌駕する、力強い歌声が聞こえたのである。開け放たれた戸口から!
ドアの向こうに立っていたのは、ふくよかな女性だった。写真と寸分変わらない。いや、写真よりもずっと輝いている。オレンジ色のサングラスを頭に乗せて髪は夜会巻き、首にひるがえるのは紫のストール。
ナイアガラ滝子
が、ここにいる。
すんごい上手い!
これが演歌歌手の実力か。ラスボスという感じ、ド迫力の歌声である。普段は演歌なんてとんと聴かないものの、萌は鳥肌が立つのを覚えた。だがワンフレーズで滝子は歌を終え、アーナンドに言い放ったのである。
「お父ちゃん、うち、帰ってきたでぇ!」
「滝子さん!」
アーナンドは一気に堤防が決壊した感じである。べしょべしょに泣きながら走り出す。滝子も走り出す。やっぱり滂沱の涙とともに。
カツオ一本釣りがどうのこうのというエクストリームな曲を背景に、夫婦はしかと抱き合った。
「滝子さん、もういい……もういいですよ……ビッグにならなくたって……だから戻ってきてください」
「なに言うてんのやお父ちゃん!」
いけない、これ離婚の流れだ!
萌は厨房に走った。頼れるものはカレーしか無い! ご飯をよそって完成したカレーを……!
だが予想は外れた。
「うち、とうとうビッグになったんやで!」涙ながらに滝子は叫んだのである。
「え? でも体型あんまり変わって──」
「
ちゃうわー!
歌や歌のハナシ! ついにうち、コマソンが決まったんやー!」
「コマソンて」
カレー皿を手にしたまま、萌は呆然と立ち尽くした。
「そんなスパイスないよね? あ、もしかして、コマーシャルソングってこと!?」
「せやでお嬢ちゃん! ……って店員さん?」
「そうです! って、ボクはいいから話の続きを!」
さっきまで顔面溶けそうな涙顔だったのに、もうカラリと晴れた様子で滝子は言った。
「寝子島の『クラン=G』いうゲーム屋さんのな、ノベリティーソングなんやで。これから全国展開していくさかい、ドーンとコマーシャルして認知度を高めよう、っちゅうことなんやて。そのコマソンの歌手に、うちが指名されたってぇわけやで」
かくして滝子は歌い出す。
「♪ボドゲ買うなら『クラン=G』、トレカ買うならぁあ『クラン=G』ぃぃぃぃ~!」
力強い演歌の歌いまわしである。まあ、キャッチーな名曲ではある。なお作詞作曲も滝子本人ということだった。
え? え?
コマーシャル? 『クラン=G』はたしかによく行く店だけどさ、オーナー変わって全国展開? コマーシャル? それってネットで? テレビとかラジオ? なんていうか急展開すぎて理解がおいつかないっ☆
ちょうどそこへ、
「ちょっと待ったー!」
ユウが飛び込んできたのだ。小学二年生の
ディピカ・さくら
と五歳児の
タクマ・ラジープ
、ふたりの子どもの手を引いて。
「ナイアガラ滝子さん! 離婚は考え直してくださいっ。ほら子どもたちも!」
ここで「ママー!」「さくらにタクマ~!」という涙の再会が繰り広げられたことは言うまでもない。
目頭を押さえるユウ、萌もホロリとしつつも、そっとユウの袖を引っ張った。ささやき声で告げる。
「ユウくん実は、もう問題解決しちゃったみたい」
「えっ、マジかっ」
「でも、いい着地でしょ?」
「……だな」
四人の声が重なるのを背に、萌はそっと出口に向かった。再会のカレーを残して。
みんなで食べてね☆
ユウも並ぶ。ふたり、並んで戸を閉め──
「うわあんた誰!?」
「思てたんとちがう! ですわ」
みちゃ子は、むくれていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2026年03月02日
参加申し込みの期限
2026年03月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2026年03月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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