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逮捕しちゃうんだから!
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おいでませ警察居酒屋
「取り調べの可視化を希望する。不正がないようにな。いいかね?」
アルトの声質で、さながら若い男性のようにそう店員の警察官へと言ったのは
檜扇 舞華
だった。
彼女はこの店がネタになりそうだと判断するやいなや入店し、警察官の上司という設定を持ち込んだ。
そしてもうひとつ、撮影機材も持ち込んだ。
「もちろん、プライバシーは守る。顔は写さない」
昼間も同じような客がいたため、店員の対応も慣れたものだった。
キッチンを撮影しないのであれば大丈夫です、と舞華に告げると、そのまま彼女を席へと案内した。
メニューを見た舞華は、迷うことなくカツ丼を頼む。
曰く「定番だろ?」ということらしい。
ただ男性上司の設定でもそこは女性、ミニサイズの注文となった。
「さて、と」
舞華は注文を終えて店員がキッチンへ向かったのを見届けると、ごそごそと何かを取り出した。
袋から出てきたそれは、なんと小さなクマのぬいぐるみだ。
舞華はそれをちょこんとテーブルの向かいのソファに座らせる。
どうやらよりリアルに取り調べのシチュエーションを再現しようとしているらしい。
舞華が警官の上司なら、向かいに座っているクマはやはり容疑者だろうか。
しかしこのテーブルを挟んで美少女とクマが向かい合っているという絵面は、第三者から見たらかなりエキセントリックだ。
さすがにこれにはカツ丼を運んできた店員も、思わず含み笑いをしてしまった。
そんな様子をまったく気にせず、舞華はテーブルの上のミニカツ丼をクマの方へとずずずっと差し出す。
「おう、メシだ。遠慮無く喰え。腹ァ減ってんだろう?」
クマ、沈黙。
ますますエキセントリックだ。
数秒の沈黙のあと、舞華は自分の方にミニカツ丼を引き戻し、普通に食べ始めた。
「結局お前が食うんかい!」とどこかからつっこみが聞こえた気がしないでもない。
そこから少し離れたカウンター席では、
円城 徹
が警棒エビフライと青酸カリ風ドリンクを口に運んでいた。
服装はびしっとしたスーツ姿、どちらかといえば仕事後というより、これから仕事という雰囲気だ。
事実、タクシードライバーである彼はこの後予約が入っており、その前に軽い夕食を済ませに来たのだった。
「いわゆるコンセプト居酒屋ってヤツか……こういう店には入ったことなかったな」
グラスを口から離し、ひとり呟く。独り言のつもりだったけれど、カウンター越しに店長に聞かれたようだ。
「警部は、どうして今日こちらに?」
入店時に伝えた設定は、キャリアの警部ということだったので店側もそれに応じた接客だ。
「刑事さんには子供の頃、憧れたからねえ……やっぱりかっこいいって思っていたし、刑事ドラマの真似事なんかもよくしてたよ」
「殉職シーンとかですか?」
「はは、そうそう」
静かに、年相応の落ち着きを見せながら店長と会話する徹。
辺りに目を向ければ、あちらこちらで客と店員が互いにいろいろや役柄を演じている。
「今日くらいは、童心に返ってみるかな」
他と混ざって、ごっこ遊びに興じるのも悪くない。
そう思った徹は、ひとりで来ている客はいないものかと探した。すると。
いた。
正確にはひとりと一匹だったが、徹はクマを座らせカツ丼を食べている少女——舞華がつい気になって、話しかけてみることにした。
「どうしたんだい、お嬢ちゃん。取り調べ中かな?」
「まぁ、そんなとこよ」
すっかり男性警官になりきっている舞華は、男性口調のまま返事した。
「で、このクマさんは何の罪で取り調べを受けてるんだい?」
「何の罪?」
ぴたっと舞華の口が止まった。何か急ぎで設定を考えているのだろうか。答えを待つ徹に、少しして舞華は告げた。
「……可愛いは罪、です」
「うん?」
「可愛いは罪です」
二度言うと、舞華はくるりとクマへ向き直った。
「聞いただろ、テメェがしたことの意味、わかってんのか。大勢の人を萌え殺そうとしたんだぞ」
演技に気持ちがこもったのか、身を乗り出し、クマをがしっと掴んで揺さぶる。
「お、落ち着こうか。そんなに手荒くしちゃあ、聞き出せることも聞き出せなくなるよ」
一瞬「すごいのに話しかけたなあ」と思いつつも、お店のコンセプトを思い出し、どうにかアドリブ演技を進める。
「……まあいい、今日のところは終いだ」
元いたところに座り直す舞華。そして彼女は残っていたミニカツ丼を平らげると、お会計をお願いした。
それとほぼ同時に、徹の携帯が震える。
「お、仕事の電話か」
手早く電話を済ませると、徹は自分の席に残っていたドリンクを飲み干し、店長に言った。
「事件が発生したから急行する」
「お気を付けて」
最後まで役柄を演じながら、お金を支払った徹は、お店の出口へ向かった。
偶然会計のタイミングが同じだった舞華と、ドアのところで鉢合わせになる。
「ありがとうございます」
「え?」
不意に、舞華が徹に声をかけた。
「取り調べの演技に入ってきてくれて、ありがとうございます」
「あ、ああ。そういうことかい」
納得した徹は、「こちらこそ楽しかったよ、ありがとう」と言い残し一足先に外へと姿を消した。
もし今日これからタクシーの中でおすすめのお店なんて話題になったら、ここを紹介してみようかな。
そんなことを思いながら。
そして舞華はと言えば。
帰宅後、店内で撮影した動画を編集し、自分が不定期で放送しているネットラジオに流していた。
「警察がコンセプトというだけじゃなく、好きな役柄を演じることが出来るという点は高評価ですねー」
動画が流れる合間にそんなコメントをしつつ、舞華は「そうそう」と付け加えた。
「ひとりでお店に行くと、もしかしたら他のお客さんがアドリブで絡んできてくれるかもしれません」
それは、今日彼女が体験したちょっと面白い出来事。
「みなさんも、気が向いたら一度行ってみてくださいねー」
店へのアクセス情報を公開し、舞華の放送は終わった。
次はどの役で行こうかな。
舞華がそんなことを放送後に考えていたかどうかは、彼女にしか分からない。
それから数日後、寝子島高校の校内には、一枚の新聞が貼り出されていた。
そこには、警察居酒屋のメニューや店長への取材記事が綺麗なレイアウトでまとめられ、生徒たちの視線を集めている。
「へー、店を作ったきっかけは店長が劇団出身だったからなのかあ」
「だからなのかな、こだわりポイントはお客様と店員のアドリブ芝居です、だってよ」
生徒たちは、記事を見てわいわいと盛り上がっている。
記事を作成したのは、あの日腕に腕章をつけて取材をしていた記者役の彼に違いない。
これ以降、あのお店の客足が少し伸びたのだとか。
舞華のネットラジオと校内の新聞記事のおかげだろうか。
あるいは、ミニスカの婦警が度々サービスショットを見せるという噂がどこからか広がったからだろうか。
いずれにせよ、気になった方はぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。
ちょっと変わった、警察居酒屋へと。
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あとがき
担当マスター:
山中にいな
ファンレターはマスターページから!
参加してくださった皆様、ありがとうございました。
山中にいなです。
いろいろな立ち位置で参加してくださった皆様のおかげで、わいわいと楽しいお話を書くことができました!
皆様に感謝感激です!
メニューも、私では到底考えつかないようなものがいっぱい出てきて、
アクションを見ているだけでも楽しかったです。
でも、実際にこんな居酒屋があったら、ちょっとハードルが高いかもしれませんね。お客さん側も店員さん側も。笑
ではでは、また次のシナリオでお会いできることを、楽しみにしています!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
山中にいな
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年12月29日
参加申し込みの期限
2014年01月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年01月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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