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心結ばれ縁繋ぎ - 紡ぐ命と導きし者 -
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処置室に運ばれた柚春を見送ってもなお、ウォルターは呆然と扉を見つめて立ち尽くすしかなかった。
可能性の話であれば救急隊員にも聞いたし、状況からしても切迫早産の可能性は一番高い。……それでも何の説明もないまま、状況確認だけを淡々と済まされて切り離されると、最悪のケースが脳裏に居座ってしまう。
「おい、これに記入してくれってさ」
横から差し出されたバインダーに目を向けることもなく、処置室の前から一歩も動けずにいた。すべきことがあると分かっているはずなのに、理知的に最善を選んで動こうとしないウォルターへ苛立ちを募らせ、透破は少し乱雑に彼の肩を掴むと椅子へ弾き飛ばすように放り出す。
「邪魔だ、座ってろ」
舌打ちされ、溜息まで吐かれたのにウォルターは言い返せない。改めて突きつけられたバインダーに、入院を前提とした問診票が準備されていて、なんとか震えを堪えて書き進める。
出来ることをやって、柚春と子供を信じて待つ――たったそれだけすらできないウォルターは、己の無力さを心から嘆いた。
あれはまだ、夕空が眩しかった頃。
一面が朱色に染まっていく中で、柚春の顔色だけは明確に血の気が引いていた。
「脈の押し返しが弱い……ウォルターさん、救急車を! それからラッセルは管理事務所、晴月は――」
異変が起こっていると分かっているのに、こんなときこそ教師として培った経験で冷静に対応しなくてはならないのに。柚春が苦しみ蹲る様子を前にしたら、救急車を呼ぶことすらまともに出来なかった。
なんとかオペレーターの誘導で必要最低限を伝えた後も、震える手で彼女の手を握り返すのがやっと。ラッセルが救急車両が奥まで通れるように職員に掛け合って、透破は救急隊員を誘導できるよう車両が乗り込めそうな通りまで出てランプを探している。晴月も涙ぐみながら防寒着がズレないように支え「大丈夫だから」と声をかけ続けて、千里は気付いた症状をメモに取り病院とスムーズな連携を取るため尽力している。
「柚春……」
それぞれの手で、足で、柚春を助けようとしてくれているのに――自分は苦しむ顔を見ているだけだ。
将来は警察官になれると信じていた頃と同じように。幼い正義感を絶大だと過信していたあの日のように。
「やだ……嫌だ」
子供を守ろうと耐える柚春の姿は、未来を奪ってしまった親友の姿が重なった。
犯人を刺激する軽率な行動をしたのは自分で、教職を夢見ていた彼に警察官を志そうと誘ったのも自分で。
「……連れてかないで、お願い」
最後には彼女の負担になると分かっていて子を成したのも、医者に気をつけるべきだと言われたのに甘やかしたのも、全部全部自分で。
サイレンの音が聞こえても安堵感を抱けず、ずっと柚春の体温を確かめた。
母国で引きこもり、逃げ出すように寝子島へ来る切っ掛けとなった20数年前の悪夢と同じように――自分のせいで誰かが命を落とすなんて、あのときの親友でたくさんだ。
付き添いを確認する隊員へまともな返事も出来ず、見かねた透破に上着のポケットを探られる。
「旦那はコイツ、放心してっからオレも着いてく。病院決まったら連絡するし……コイツの車はわかるか?」
ストレッチャーで柚春が運ばれる間にも、荷物を片付けたら車に乗せておけとか、容態の記録がとか、周囲は全力で彼女を支えているのに、震えがまだ止まらない。
「ウォルターさん! しっかり……傍に付いていてください」
長く引き止めるものではないと、短めに言葉を選んだラッセルの声が、救急車に乗り込む背中を押す。
何とか頷き返し、病院との交渉が始まる車内で沙汰を待つ時間は長かったけれど、車が動き出しても柚春の手が温かかったことに、少しだけ安堵の息を漏らした。
数カ所書き損じながらも必要書類を書き終え、看護師からの聞き取りも済み。慌ただしい事務的な対応が終われば、ひたすらに静寂が耳に痛い時間が続く。
休日の救急、しかも夕方なことを考えれば受け入れでさえ奇跡的で、色々と待たされるのは理屈としてわかっている。それでも妻が目の前で苦しんでいたら、早く処置をして無事を証明してほしいと思うのは、贅沢な言い分ではないだろうと、ウォルターにも溜息を吐く余裕が戻ってきた。
……未だ、柚春は処置室から出てこない。書類の提出は透破が受付まで行ってくれたが、暫くスマホも彼に預けてあるので時間すらわからず、ウォルターは壁時計を探すように薄暗い廊下を歩いてみる。
待たされていた場所が気の滅入るほど薄暗かったのは、省エネか入院患者への配慮かと思っていたが、暗かったのは窓の外だ。
救急車に乗り込んだときには燃えるような夕焼けも、無機質な廊下で打ちひしがれている間に、随分と世界から色が消え去った。秋の日は短いとか、そんな風情を味わう余裕なんて微塵もない。
本当は丘の上で夜景も楽しむ予定だったのに、約束していた未来を叶えてあげられなかった。言葉にならない喪失感が泥のように胸に溜まって、今日見たはずの彼女の笑顔ですら足元から崩れ去っていくよう気がする。
楽しい記憶ばかりを振り返ると胸が苦しくなるが――ふとした違和感を覚えて、ウォルターは零しそうな独り言を飲み込んだ。
呆然としていたから聞き逃した可能性はあるが、柚春は処置室に運ばれるそのときまで「怖い」とは零してなかったように思う。
祈るしか無い長い夜の始まりに見えたのは、そんな小さな懸念だった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
2人
参加キャラクター数
2人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年12月25日
参加申し込みの期限
2026年01月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2026年01月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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