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イセ探の面々は、一斉に踊るようにバランスを崩した。
最初に崩れたのは肉体派の錘左衛門だ。真横から吹き飛ばされたようにベタンと床へ倒れ、そのまま滑って船室の片隅までずべーっと流される。
そこへ、芋づる式に他のメンバーが滑り落ちていった。
オルガが短く悲鳴を上げて片足を滑らせ、それをキャッチしようとした洋二がテーブルの脚をつかみ損ね、手だけ虚しく空を切る。シュリーがふたりに引っかかって派手に一回転しながら倒れ込み、最後尾のタルトと碧南は、転がってきた人々を見て一瞬固まった。
「ちょっ、連鎖してない!?」
「うそ、待って待って待って無理無理無理!」
結局ふたりまとめて、人間ソリに吸い込まれるように巻きこまれていった。
結果、錘左衛門を基点に、人の山が何層にも折り重なるという、体育倉庫さながらの人間マットができあがったわけだ。
「す、すまんこってすいじゃえもん! 怪我ないか!」
「……僕なら大丈夫……で、でも」
「でも、どないしてん!?」
「気持ち悪い……吐きそう」
「ま、待て待て待てストーップ! タンマやタンマ!」
ここでハンドルにしがみついていたおじさんが、なんとか船体を立て直す。
積み重なった山はほどけるようにして床へ転がり散って、錘左衛門は口元を押さえながらトイレへ駆け込んだ。
けれどもそれで終わりではない。
波が船腹を叩く。二度、三度。最初ほどではないものの衝撃は容赦なくつづく。船室全体が錐もみして、立っていることなど到底できない。
「ひ、響さん、つかまって!」
「うわーっ!!」
碧南は手すりを抱え込むようにして体を支え、空いた片手をタルトへ向けて伸ばした。なんとか手首をキャッチ、タルトが引っ張られ、さらに洋二が匍匐前進で近づき立ち上がって碧南の背を支える。
「碧南さん、頑張って」
碧南の頬がゆるんだ。
──洋二さんの手つき、優しい。
背に添えられた手に温もりを感じる。こんな状況で思うのは不謹慎かもしれないが、恋人同士って思えた。
「Jag faller!!(落ちるぅー!!)」
「部長さん! こっち! Prends ma main!(手を取って!)」
反対側に転げそうになったオルガをシュリーが引っ張り上げた瞬間、横からまた強い衝撃が来た。床が波のように傾き、誰もが悲鳴を上げた。船は嵐のど真ん中で、好き勝手に蛇行しながら突っ走っている。
床にしがみついていた洋二が、転がった椅子に頭をぶつけた。
「痛っ、いったたた……! 頭が悪い、じゃなくて頭が痛いよ」
「負けるな洋二! こっからが正念場やでえ!」
毅然とした声は煌牙だ。
サングラスをいつの間にか装着し、ひとりだけ映画のワンシーンのように立ち上がっている……が、
「あ、やば……視界が……ぐるんぐるんや……」
わずか一瞬のことだった。床にぺたりと尻もちをつき、両手両足を投げ出して脱力する。もともと白い顔がさらに青ざめ、唇がわずかにふるえていた。サングラスは床に転がったが拾う気力もないらしい。
「ワイ、ちょっと、やばいかも……船酔いって、秒で来んねんな……」
「はは……同感だよ……」
洋二は力なく笑った。
碧南は洋二の隣へ寄り、彼の額にふれた。ごく小さく眉を寄せる。
「冷たい……洋二さん、大丈夫?」
「なんだか力が入らないよ……。それにしても、碧南さんは船に強いんだね」
「私、幸いにして船酔いしない体質みたい」
こっち寄って、と彼の肩を抱き寄せる。
「揺れに逆らわないほうがいいと思う」
洋二は目を閉じ、碧南の肩に頭をあずけた。
「碧南さんの匂い……安心する……」表情は、まるで赤子のようだ。
タルトは煌牙の隣にいる。
「先輩、大丈夫ですか」
「……いや……あんま大丈夫ちゃうわ。響は平気なんか?」
「僕は割と三半規管強いみたいで」
「うらやましすぎやでぇ……」
煌牙はひどく衰弱している様子だ。なのにそれでも、いや、それだからこそかもしれない。ぞっとするほど美しいのだった。
憂いに満ちた横顔は少女のよう、汗で頬に貼りついた前髪が揺れるたび、伏せたまつ毛の影が震える。対照的に赤い唇はひどく色っぽく、思わず見とれてしまうほどだった。
こんな状態でも美形だなんて。
ああ、眼福☆
タルトは胸の高鳴りをごまかすように、煌牙の左手首をとった。
「先輩、酔い止めのツボ……ここです。ちょっと押しますよ。まあケーラク秘孔のようなものと思ってください」
「ケーラクてお前、それ押されたらワイ爆発してまうやんかー……ってな……」
煌牙は弱々しいツッコミの途中で、がっくり首を折ってなって目をつぶる。
「……もう爆死してもええって感じやわ……ほんま……」
タルトは思わず、笑ってしまいそうになるのをこらえた。タルトの指がじんわりとツボを押し始めると、煌牙の呼吸がととのっていくのがわかった。
船はなおも揺れた。だが、船室の空気には少しずつ慣れが生まれはじめていた。
「響……そのまま押しといて……。ワイ、いま世界でいちばんお前に感謝しとるかもしれん……」
世界でいちばん感謝だなんて! タルトの胸は踊るが、それは懸命におさえて微笑する。
「はい、先輩。呼吸ゆっくりしてくださいね」
オルガは壁にしがみついたまま、なんとか明るくふるまおうとしていた。
「みんな、ガンバるよ……! 海賊船長さんがいるから、きっと大丈夫ヨ……!」
「海賊じゃねえよ漁師だよ」とおじさんは苦笑まじりに返した。「でも、そろそろ抜ける。あと一息だ」
やがて衝撃が、徐々に、確実に、弱くなっていった。
船室の奥で、トイレの扉がわずかに開く。マッチョマンが立っていた。だが、気のせいかふたまわりくらい小さくなったように見える。
「……僕、生きてる?」
「すいじゃえもん! よかったやないか」と煌牙が言うも、すぐに「うぷ」と口を押さえた。
「先輩、喋らなくていいですって」
タルトの眉毛は八の字だ。
そこかなら何分、あるいは十何分かが過ぎただろうか。
波が静まり、風の音が落ちついた。空気の重さもふっと消えている。まるで誰かがスイッチを切ったように。
「抜けたな」
舵を握るおじさんが、胸をなで下ろすように言った。
船室の全員が、同時にほうっと息をつく。誰もがぐったりしているのに、目だけは生還の喜びで輝いている。正直、碧南などは本当に髑髏島へ行けるのかどうか不安に思っていたのだ。
「み、見て……」
シュリーが指さす。窓の向こうだ。雲の切れ間から光が差し、その先にぽつんと、ちいさな島影が浮かんでいた。
「髑髏島……!」オルガが息を呑む。「あそこが、今日の目的地ネ!」
「ドクロ? ありゃ三木島って言うんだが」
しかしおじさんのツッコミは、まるで届いてはいないのだ。
島は見えたが船は遅い。なかなか到着しない船内で、タルトと碧南はメンバーの介抱に追われた。シュリー、煌牙、オルガに洋二をかわるがわるトイレに誘導し、ベンチに横臥した錘左衛門の汗を拭いてやる。
それにしても、と碧南は思った。
この時期にしちゃ荒れてる、っておじさん、言ってたよね。
じゃ、大荒れの時はこれよりもっとひどいってこと?
自然界のダイナミズムは、案外近いところにあるのかもしれない。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年11月17日
参加申し込みの期限
2025年11月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年11月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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