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迷ったあげく英二は、尚輝とウォルターが仲睦まじく(?)洗いっこしているポイントを避けて、メインの湯船やその隣の座湯、さらに寝湯型のジェットバス、じゃりじゃりして土臭いが効きそうな天然金湯も入らず、それでも北欧式サウナ、塩を肩に乗せて楽しむサウナ、熱い霧を味わうミストサウナ、ハーブの香りロウリュウサウナというこの店自慢の四大サウナも素通りして、屋外の戸をくぐると、バリアフリーのスロープをのぼって先を目指した。
懸念していたがもう雨は小降りだ。熱いシャワーを浴びてきたから、少々の雨なんて苦にならない。
たどりついた。露天風呂。
名物を名乗るだけあって、微笑の泉の露天風呂は眺望がすばらしい。
やや高台という地の利があるのだろう。海が見える。山が見える。湯につかりながら寝子島という独自の世界を、一望できるといってよかった。作り物ながら岩に囲まれており、天然の湯は潮の香りが混じっていて風情も最高だ。
ここなら屋内からは見えないよね。
ところが、あにはからんや。
「ここの露天風呂がねぇ、最高なんですよ」
聞き覚えのある声、前は隠しているがのっしのっしと、やたら上機嫌のウォルターが見えた。
「はあ」
そうなんですか、と言って同行する尚輝のほうには、心なしか『付き合わされている』感がある。猫背で、居心地も悪そう。といっても、彼が積極的な場面なんて高校三年間で見たことがないから、これが平常運転だと言われたらそうなのだろう。
しかし尚輝も、さすがに眺めのよさには驚いたようだ。わあ、と声が漏れている。
「佐藤じゃないか」
すぐにウォルターが英二に気づいた。
「ああ、佐藤君」
一拍遅れて尚輝も気づいたようだ。
「先生、お久しぶりです」
お邪魔者と思われてないかなあ、と不安が心をかすめたが、
「卒業式以来だねぇ」
湯に沈んだウォルターは、相変わらず穏やかな笑みだった。
「佐藤はマタ大だったよねぇ。どう? 大学生活、楽しんでる?」
慣れたものらしく頭にちょんと、たたんだタオルを乗っけてウォルターは言う。
「あ……はい、まずまずです」
僕が木天蓼大学なの知っててくれてるんだ。さすがウォルター先生。
「いま、木天蓼大学生なんですね。元気にしているようですね……」
五十嵐先生のほうは知らなかったみたい。まあ、そのあたりも含めて五十嵐先生らしいなあ。
露天風呂の頂上は、五人も入れば定員という狭いものだ。ここに三人、なんとなく正三角形の頂点みっつのように別れて座り、顔を見合わせる。
「サークルとか入ったかい?」
何かと、話しかけてくれるウォルターである。
「いえ、特には」
「なら勉強を頑張ってるんだ?」
「頑張ってる……というほどでもないような。落第はしない程度かもです、はい」
一方で尚輝のほうは、黙ったままぼんやりとしている。
誰それとは大学で会ったとか、思い出深い生徒が一気に卒業してしまって寂しいねぇ、とか、当たり障りのない会話を(ほぼウォルターとだけ)しつつ、ふと英二は思った。
いい機会だし、先生たちに相談、してみようかな。
湯の熱が、心の奥に固まったものまで、ほぐしてくれるような気がした。
だからだろうか。気づいたときには口を開けていた。
「あの、両先生にちょっとお話が」
「なんだい?」
「あー、どうぞ……」
「これは、僕の友達の話なんですが。受験に落ちていまのところやりたいことが見つからない様子なんです。彼女が何か目標を見つけられるよう手伝ってあげたいんですが……なかなかいい案が浮かばなくて。先生たちにアドバイスいただけたら嬉しいです」
ふむふむとウォルターは聞いていたが、途中『彼女』という部分で片眉が上がるのがわかった。
あっ、もっとぼかしたほうが良かったかなあ。
英二は、ちょっと後悔した。勘の鋭いウォルターのことである。ののこの話だと見抜いているかもしれない。
でも、気づかれたからといって困ることはないよね、と思い返してもいる。
野々さんが僕の友達なのは、事実だし。
もっと言うなら──大切なひと、なんだし……なんとかしてあげたいって、思うから。
心の中で認められるようになっただけでも、前に進めたのかもしれない。
「あるいは、もしも先生たちがそんな風にやりたいことがわからない状況になったとして、どうやって現状を打破しようとするでしょうか? それとも何もせず、焦らずじっくり静かに過ごして時機を窺うのが正解でしょうか?」
言いきって、度胸が据わった気もした。
「いい質問だね。いい、悩みだよ」
「……いい悩み?」
普段なら相づちひとつで済ませる尚輝が、めずらしく聞き返した。ウォルターはアルカイックな笑みを浮かべて告げる。
「だって、純粋に誰かのことをずっと考えられるなんて、素敵じゃないですか」
「なるほど」尚輝は頭をかいた。
「僕の意見を言うなら、焦って答えを探したり打破しようとするより、彼女を連れ出したりして外の空気を吸わせてあげるかな。きっとそれが一番の助けになると思うんだ」
「僕は……」意を決したように尚輝が言った。「見守ってあげれば、それでいいと思います。人には、それぞれ自分のペースがあるから。見守ることも、助けることのひとつなんじゃないか、って」
「さすが、恋を知る五十嵐先生ですね」
ウォルターがくすくすと笑ったので、尚輝は照れたように湯面をすくって顔にかけた。湯気の中で、耳まで赤くなっているのがわかった。
「さて、僕は先に上がろうかなぁ? 五十嵐先生もそうします?」
「そ、そうですね」
ごゆっくり、と言い残して教師ふたりは、英二を残してスロープを下っていった。
ぽつり。湯面にひとしずくだけ雨が落ちて、また静かになった。
なんだか──英二は思った。
ちょっとだけ、『ととのった』気がした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年10月16日
参加申し込みの期限
2025年10月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年10月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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