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明るすぎない照明の下で、タイルは淡い灰色に光り、鏡には曇りひとつない。
洗面台の縁には整然としたボトルが並び、シャンプー、リンス、ボディソープ──どれも同じブランドで、無駄のないデザイン。
清潔そのものだ。男性のひとり暮らしとは思えないほど。それでいて、人工的な冷たさもない。
まるでホテルのバスルームのようで、綾花は思わず指先でタイルをなぞった。
きちんと磨かれてる。
どこかで嗅いだことのある香りがする──そう、珪の服の襟もとに残っていた匂いだ。彼の声と同じで、控えめなのに、胸の奥にしみこんでくる。洗いたての白いシャツを思わせる清潔な香り。主張はしないのに、ふとした瞬間に心のひだをやわらかくとらえるかのようだ。
綾花はシャワーの湯を背に感じながら、そっと目を閉じた。香りが湯気に混じり、浴室の空気そのものが珪の気配に変わっていく気がした。
この香りの中でなら、どれだけでも安らげる。
そんな思いが胸をよぎる。
泡立てたボディソープを手にとり、腕を洗いながらふと手を止めた。
もしかしたら声がかかるかもしれない。「一緒に入っていいかい?」って──。
そんな根拠のない予感が、湯の粒とともに肌の上を滑っていった。
一緒にお風呂に入るなんて、まだ早いよね。
けれどもし珪さんから「一緒に」と言われたら……。
きっと、断れない。
綾花は耳をすませた。
珪の声がしたら、即座に反応できるように。
けれど何も聞こえない。存在するのは湯の落ちる音と、自分の息の音だけ。
──なんてね。
綾花は苦笑した。彼がそんなことを言う人ではないことくらい、わかっているのに。
シャワーの音が浴室に響く。
髪を洗いながらも、綾花はまだ、心のどこかで待っていた。
けれどやはり、珪の声はしない。洗い終えて、湯船に身を沈めても同じだった。
少しだけ、胸の奥がしんとした。
がっかりしているのか、ほっとしているのか、自分でもよくわからない。
湯の表面をなでる。シーリングライトの映り込んだ波紋が、生まれてはまた消えていく。
あの雨の音も、いまはもう遠い。
外ではまだ降っているのかもしれない。けれどこの小さな空間だけは、世界の音から隔絶されていた。
お湯が少し冷めたころ、ようやく綾花は立ち上がった。
バスタオルで髪を拭きながら、洗面台の鏡をのぞく。
頬が少し赤い。でも、それは熱のせいだけじゃない気がした。
なぜって、いま自分は、彼の石鹸を使ったから。シャンプーも、彼のを借りた。
珪さんの香りに包まれているみたい。
なんだか、それだけで嬉しかった。
静かな浴室をあとにして、綾花はドアを開けた。
着ているのは大きいサイズのワイシャツとジーンズ、急場だったので珪に借りたものだ。シャツは袖をだいぶ折ったし、それはジーンズの丈も同様、でも案外不格好にならず、ダボっとした感じがいわゆる"彼シャツ"コーデとなっていることに気づいてときめく。なお下着については、この部屋にいくらか置いてあるので自前だ。
廊下の向こうから、かすかに包丁の音が聞こえる。規則正しいとは言えない。ときどき間をおいて、またつづく。
その音だけで、なぜか胸の奥が落ち着いた。
濡れた髪をまとめながら、綾花はそっとつぶやく。
──ああ、珪さんは本当に、こういう人なんだ。
部屋の中はいつも通り、じつに整理整頓されていた。
珪の几帳面な性格を映すように、机の上の資料や文具はきちんと並び、ソファには折りたたまれたブランケットが一枚。照明の明るさも抑えめで、空気全体に安らぎと、完成された静物のような落ち着きがあった。
カウンター越しに見えるキッチンでは、黒いエプロン姿の珪が小松菜を刻んでいる。
その動作はお世辞にも上手とは言いがたい。包丁の刃はまっすぐ落ちず、葉の切り口がやや斜めにずれている。けれど、ひとつひとつの動きに迷いがなく、ちゃんと切れている。それが彼らしいと綾花は思う。
珪が顔を上げ、やわらかく言った。
「湯加減はどうだった?」
「良かったです。とっても」
「喜んでもらえて、僕も嬉しいよ」
綾花がカウンター越しに立つと、珪は手を止め、いささか申し訳なさそうに言った。
「ごめん、買ってくれた食材、勝手に使ってるよ。冷蔵庫にも入れた」
エコバッグもハンガーにかけられ干されている。
「そんな、いいんですけど……料理なら私がやるのに」
苦笑いしながら言うと、珪は包丁をまな板に置き、少し肩をすくめる。
「ただ待ってるのもね、と思って。でもやっぱり、作るのは苦手だね。けど、小松菜を切るくらいならできるから」
言葉の通り、まな板には大小さまざまな青菜の断片が広がっている。どれも形は不揃いなのに、どこか几帳面に見えるのは、丁寧に積み上げられているからだろう。
綾花はエプロンを借りて、腰のリボンを結んだ。
「後は私がやります。珪さんはお風呂に入ってください」
「いいのかい?」
「はい。なにが食べたいですか?」
「特にこれと言ったものはないけど……そうだな。温かいものがいいな。綾花さん、雨で冷えただろうから」
あくまで自然体なのに、いつも私のことを気づかってくれる。
珪の優しさに触れるたび、綾花は胸の奥でひそやかに幸せを噛みしめる。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年10月16日
参加申し込みの期限
2025年10月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年10月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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