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禍語 二ノ刻
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【永遠の夏】
夏の終わりはクリームソーダ味だった。
「もうすぐ、だね」
七夜 あおい
はこぼれた言葉を拾い上げようともせず、
八神 修
はぼんやりとして彼女の横顔を見つめる。窓から差し込む金色の光を浴び、輝いていた。
カフェにはほかの客もなければ店主もいささか愛想に欠け、控えめな音量で流れるできの悪いポップミュージックだけが、季節の過ぎゆく憂いを叫んでいた。
夏の間中、連泊しどおしだったあおいももうすぐ、福岡へと帰る。賑やかで、暇をもてあます暇もないほど濃密で、ただ笑顔と喜びに満ちた日々も、間もなく終わりを告げる。
われながらあきれるほどに無邪気で、底抜けに明るい毎日を、早くも恋しく思う。
「次は冬休みだね」
切なくも彼女は笑んだ。修は言葉なく微笑み返し、クリームソーダを飲み干した。この味を修は彼女と離れている間、事あるごとに反芻することだろう。
「そろそろ出よっか」
あえて弾むように言って、あおいは立ち上がる。うなずき修は伝票を持ってレジへ向かう。あおいが外へ出て伸びをするのを横目に支払いを済ませると、ドアを開け、
「あおい、次はどこへ行こうか。良かったらシーサイドアウトレットにでも、買い物に──
──付き合ってくれると、ありがたい……んだが」
風が泣いていた。秋の暮れのような冷たい風だった。
「……あおい?」
いつの間に暮れたのだろう。あたりは真っ暗で静まり返っていた。街灯のひとつもなく往来の人ひとりの姿もない。アスファルトの地面も、家々や店も。振り返るとドア枠にはまった木製の扉がきしみながら揺れていたが、その向こうには夜闇の暗がりが広がるばかりだった。
あおいの姿も見えない。声もなければ気配もなかった。代わりに草木のささめきと風の音が周囲を支配している。
「ここは……」
寝子島に暮らすならば心構えはしておくべきだ。またぞろ奇怪な現象の類だろうと、修は目つき鋭く見回した。
「向日葵、か?」
どうやら、向日葵畑の真っ只中であるらしい。おびただしく植わる向日葵が、果てもないほどに広がりひんやりと冷える風に首を揺らしている。
向日葵。向日葵。向日葵。暗闇。月明かりもない。向日葵。どこまでも続く。息づかい。背後に、
「うわっ?」
気が付くと立っていた。少女だ。セーラー服を着ている。つやのない黒髪は前後の別なく顎のラインまで伸び、きれいに切りそろえられていた。顔の一切を髪に隠した少女は、修を一瞥するようなそぶりを見せると、なにも言わず向日葵たちの間へ姿を消した。
ざわざわと、今さらながらに人の気配がそこには満ちていることに思いいたる。息づかいと衣ずれの音が風と向日葵の揺れる音にまぎれて修の耳へ届く。そこらじゅうから聞こえてくるようだ。
誰かいるのかとたずねたものか。ひとまず言葉をのみこみ、慎重に身をかがめた修は、向日葵をかきわけその向こうへ足を踏み入れる。
向日葵。向日葵。どこまでも向日葵が続く。
「あおい……」
どこかに彼女もいるのだろうか。向日葵の群れに惑っているだろうか。不安にかられているだろうか。
向日葵。向日葵。向日葵畑。ゆけどもゆけども向日葵ばかり。
「……みさま……」
うおおん、うおおんと。風の音に聞こえたそれが、束ね上げられた声の集合であるらしいと、修は気が付いた。
「誰か……いるのか」
声たちはうねり、ごうごうとめぐり、夜空の暗雲は逆巻き、どこまでも轟く。
向日葵をかきわけ、下草を踏みしめながら進むとやがて、赤い光が見えた。
燃えていた。ごうごうと。声を巻き込み、空まで焼き尽くさんとするかのように業火が燃え盛っていた。生木の弾けるぱちぱちという音に、舞い散る火の粉が修の目を打つ。
しかし修をおののかせたのは、燃える組み木を囲み一心に祈りささげる、無数の少女たちの異様だった。
「かけまくもかしこみおやすみさま」
「つつしみつつしみかしこみかしこみまうすことの」
「おんみみをふりたてきこしめせとまうす」
地に膝をつき、両手を合わせ、一心に一心に、祈り上げる。首を振りたくり、長い黒髪を前後左右にと振りまわすも、彼女らの顔がちらとものぞくことはない。
「かしこみかしこみ」
「かけまくもかしこみおやすみさま……」
声は狂ったスピーカーがかきならすノイズめいて耳ざわりで、おびただしくたかる虫の音もかくやと怖気をふるう。
「とこしえに」
「とこしえに」
「とこしえに」
「っ……!!」
ぐるりと。少女たちの前とも後ろともつかぬ顔がこちらを向く。首を振る。振りたくる。修を向いたままぐるり、ぐるりと。ぐるり、ぐるり、ぐるり、ぐるぐる、まるで風に揺れる向日葵のように、ぐるりぐるぐると。
「修くん?」
あおいとふたたび会わずにおれるかと奥歯を噛みしめたところで、修ははっとして我に返った。
「……あおい?」
「びっくりした……急に首を振り始めたから。パンクロッカーみたいだったよ。って、顔が真っ青……大丈夫?」
心配そうにのぞきこむ瞳に曖昧な笑みを返す。額に伝う汗を拭いながら、今しがた目にしたものを語って聞かせた。
ハーイ、またメールをくれたわね。嬉しいわ(感涙の絵文字)
永遠の夏休みを願う迷い子たちの祝詞、ってところかしら。
祈っていたのは神? それともなにか違うもの? 今のところはランクDくらいだけれど、彼女たちの祈りが通じた時、いったいなにが降臨めされるのかしらね……あまり考えたくはないわね。
ま、無事に戻ってこられてなによりよ。引き戻してくれた彼女に感謝なさいよー? よっ、この色男!(投げキッスの絵文字)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
神話・伝説
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
7人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年10月12日
参加申し込みの期限
2025年10月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年10月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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