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禍語 二ノ刻
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【さだめ】
「カンパ~イ♪」
「……乾杯」
いちおう、泡立つグラスをかつんとあわせた。仕事終わりの午後8時。これも付き合いのつもりだが、目の前の青年……九頭見 修司のへらへらとしたにやけ顔にはどこか縁を感じないでもない。
エン。えにし。運命とかサダメとか、そんなものを
水槻 清恋
とて妄信するわけではないのだ。十数年も警察官をやっていて、リアリストにならない者などいるだろうか。
しかし不思議なもので、血生臭い事件やら事故、ドロドロとした人間の闇、そうしたものに日夜触れていると時おり、それこそ定められた運命だとか奇妙な縁だとか、あるいはこの世ならざる力の存在を信じざるを得ないような不可思議に触れることがある。否定し切れない何者かの存在をうっすらと自覚するようになる。
「しかめっ面ねえ、お姉さん。ストレスは美容の大敵よ、ちゃんとセルフケアしてる? フェイシャルエステなんておすすめよ、いいお店紹介しましょうか」
「余計なお世話」
ぐいとグラスをあおる。黄金色の炭酸を一気に流し込むと火照り、思考がいくらか鈍ってくるのを感じる。居酒屋の小上がりで彼と顔を突き合わせている違和感も馴染み、夢と現実が入りまじりはじめる。
「やっぱり、九頭見なんて警官は、神奈川県警に在籍してないじゃない。まあ、表向きは」
「そうそう。知らぬが仏ってね、自分がホトケさんにはなりたくないでしょう?」
「なによそれ、脅し?」
「脅しでも警告でもないわ、むしろ助言。アドバイス。首を突っ込むに値しないことって、けっこうあるものよ」
そんなことを言いながら、彼がうながすのは清恋の体験談だ。刑事として事件に日々対応する中で、闇より顔を見せる奇譚。怪異譚。彼はそうしたものを収集しているのだという……彼のいわく、業務として。
青年はぐいと赤らむこともない顔を近づけ、いかにも楽しそうに清恋を急かした。
「それで? なにか面白いことがあったんでしょう。聞かせてくれるかしら?」
『そう、ここがまさにその、男性が首を吊った場所というわけ』
『ウソ、ヤダー。こわい~』
清恋は眉をしかめた。難しく陰惨な事件などに対応するときはいつだってそうせざるを得ないが、この日はしわの入り具合がどうにも違った。
モニターに鼻を付けんばかりにして目を凝らす。
「壊れているんじゃないの?」
「機材に異常は見られませんでしたよ」
若い部下を困らせるつもりもないが、彼の眉間もやはり眉が寄っている。
映像は失踪者の足取りをたどる重要な手がかりということだった。
「この場所は知ってる。九夜山のふもとの、ちょっとした祠のあるところよね」
「数年前に奥の樹の枝で、首吊りがありました。今じゃ心霊スポットとして有名になってるそうで」
「で、自撮りしてるこいつが件の、失踪したオカルト系Mewtuberというわけ」
まだ少年といっていいくらいの幼気を残す、どこか軽薄そうな男がスマートフォンで撮影したらしい、数分程度の動画だ。彼はこの映像を最後に行方知れずとなったそうだ。いっしょに映り込む同行者の女は現在、原因不明の高熱におそわれ、意識のない状態であるらしい。
「……ここです」
声色に指差す部下の緊張が伝わる。
男がとうとうと語るオカルト論や、首を吊ったという誰かの身の上やらが重要なわけではない。
『霊能者なら誰でも知っていることだけれど、場に波動が満ちれば光が干渉し合い、場所につながりのない怨念や邪霊は己を保ちきれず、ミ゛ッ』
同行者へ高説を語る男が映像の中、唐突にがくがくと震え出した。泡を吹き、眼球はぐるりと反り返り、言葉の羅列があたかもこの世ならざる言語を受信しているかのように不明瞭となった頃、男の姿は、虚空に現れた裂け目のような……黒々としたなにかに吸い込まれて消え失せた。
「3日後……」
映像に刻まれたタイムスタンプは、きっかり3日後を示していた。
「で、3日後にそこへ行ってみたと。いたの? 彼が」
「ええ……失踪したはずの男がね。正確にはこれから今まさに失踪する男が」
清恋は後悔すべきだろうか。それとも、避け得ぬことと甘やかな諦観に浸るべきだろうか。
「繧エ礰ケ│襯??蠡■贐鐶リ■■■帙魑┃ゎ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」
「やだ、なに? どうしたの? なんなの~……?」
「下がりなさい!!」
女の手を引き遠ざける。がくがくと震動する男はとうに正体を失くしていた。懐のホルダーから銃を引き抜くべきか逡巡する。判断が付かずに無手のまま男へ組みついた。
「逃げなさい、はやく!」
女へ叫び、男の身を引きずる。視界の端にちらと映った。黒々として、のぞき込めば吸い込まれ取り込まれてしまいそうな、奇怪な深淵が中空へ渦を巻いていた。
「■■■■ ■■■ ■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■」
「動き、なさい……! 消されたいの!?」
おおおおん。おおおおおん。おおおん。おおおおおん。深淵の渦から人とも獣とも知れぬひび割れた声がひびく。おおおん。おおおおおん。おおおおん。おおおおおん。
やっとのことで路地のほうへ男の身を引き剥がすと、声は遠ざかっていった。清恋は安堵し、男とともにアスファルトへへたりこむ。
瞬間、もたれていた男の身が軽くなった。
腕だ。祠の前にわだかまる黒い渦から伸びた腕が、逃すまいと男の身体を巨大な手でわしづかみにしていた。節くれだった腕にはいくつもの肘があり、傷だらけで肌はただれ肉は裂け、血の気がなく真っ白な様が清恋の目に焼き付いた。
「……待っ」
泡を吐きちらしながら抵抗することもなく、男は一瞬にして黒い渦へと引きずり込まれ、あとにはなにも残らなかった。
青年は口元をゆるめ、清恋の腕へそっと手のひらを乗せた。
「ヤな仕事よね。どうにもならない無力。分かり切った未来さえ変えられない……それでも希望にすがりたくなる。どうにかできたんじゃないか、ああすべきだったんじゃないか、なんてね」
どうにもにやけて見えるにしろ、彼なりに慮っているつもりだろうか。
清恋は苦笑いし、彼の手を払いのけると、グラスの中身をひと息に空にした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
神話・伝説
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
7人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年10月12日
参加申し込みの期限
2025年10月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年10月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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