遊ぼう！　トロピカルランド｜リアクション

遊ぼう！　トロピカルランド

　高校に入って初めての夏休み。
　朝永真深は、クラスメートで親友の手島ゆかりと一緒にトロピカルランドへやってきました。

「真深の水着、おしゃれで可愛い！」
「カーリー（ゆかりの愛称）の、大人っぽいね」
　買ったばかりの新作水着に身を包み、お互いを褒めあう二人。
　真深の水着は、青いワンピースに透けるブラウスを重ねたような露出の少ないデザイン。
　ゆかりのは黒のハイネック、セパレートタイプです。
　更衣室を出て、いざプールサイドへ。
（ちょっと気恥ずかしいかな）
　二人とも水泳部なので人前で水着になるのは慣れてるけど、競泳水着じゃないものをを着ると少し落ち着かない気がします。

「あれ楽しそう！　借りに行こうよ」　
　ウォーターガンのレンタルを見つけたゆかりに誘われ、真深もそちらに向かいました。
　楽しそうなゆかりの笑顔を見ながら、真深は先日部の練習帰りに一緒にパフェを食べたことを思い出していました。
　ふたりでひとつのパフェを食べるキャンペーン。
　思いがけずゆかりが真深に「あ～ん」をしてくれて……
（あの時妙にドキドキしちゃって……あの時カーリーに感じたの、「親友」に対するそれじゃなくて……やっぱり、あたしはカーリーのこと「好き」なのかな……？）

　などと思っていたら。
　プシュー！
　いきなり水をかけられました。
　ウォーターガンを構えたゆかりが、こちらを見て笑っています。
「何ボーッっとしてるの？　プールサイドは戦場よ」
「やったな！」
　我に返った真深も反撃。
　ひとしきり撃ち合い、笑いあったのでした。

「ちょっと怖いね……」
「大丈夫よ」
　ペアスライダーで滑るとき、怖がったゆかりが抱きついてきました。
（ドキドキする……これ、スライダーのせいだけじゃない）
　その証拠に、モンキーフロートを一緒に攻略するときも手を繋いで、またドキドキするのでした。

「おいしい～♪」
「そうね」
　サマーカフェで買ったアイスを食べながらプールサイドのデッキチェアでくつろいでいると。
「可愛いお嬢さんたち、一緒に遊びに行かない？」
　チャラそうな男二人にナンパされました。
　真深は思わずゆかりに抱きついて。
「ごめんなさい、あたしたち『デート中』なので」
　抱きしめ返してきたゆかりと共に意味ありげに笑って、男たちを退散させました。

このページにイラストを設定する