遊ぼう！　トロピカルランド｜リアクション

遊ぼう！　トロピカルランド

　7月下旬の夏のある日曜日。
　朝鳥さゆると姫木じゅんは、本土にあるトロピカルアイランドへやってきました。

　じゅんが遠出することはあまりないのですが。
「トロピカルアイランドって夏アニメの水着回の舞台となったプールのモデルじゃん。聖地巡礼！」
　と言い出し、さゆるも付き合ってやってきたのでした。
　じゅんの水着は黒を基調にしたゴシックロリータのセパレートタイプ。
　さゆるは肩紐なしの青いワンピースタイプの水着を着ました。

「流れるプールでのんびりしようか」
　施設案内図を見て提案したさゆるに、意外にもじゅんが異を唱えました。
「せっかくだからウォータースライダー行きましょ」
「えっ？」
「去年のアニメでもやってたもの」
　当然のように言うじゅん。
「高いところは大丈夫なの？」
　さゆるは心配しましたが。
「平気平気」
　聖地巡礼モードに入っているのか、じゅんは強気です。

　券を買いに行くと、さゆるは係員に、
「お姉さんですか？」
　と声をかけられました。
　じゅんは見た目は中学生、さゆるは20代半ばに見える硬質な美貌の主で年齢を誤認されがちですが、じゅんの方が年上。
　じゅんがここぞとばかりに、
「あたしの姉です！　さゆるお姉さま」
　などと腕を絡めてきたので、さゆるは苦笑してそれに付き合うのでした。

「ギャー！」
　ペアスライダーに乗り込むと、想像以上の高さから急転直下。
「ウワーッ！」
　さらには渦巻に呑まれたりして、案の定じゅんはギャーギャー大声を上げました。
「だから言ったのに……」
　スライダーを終えてじゅんを気遣うさゆるでしたが。
「すごかった。でもストレス解消になったわ」
　本人はけろっとしているのでした。
「さ、次行こう！」

　それから様々な施設を楽しんで、最後は一緒にスパで汗を流しました。
「あー、いい聖地巡礼だった！」
「そうね」
　じゅんの言葉にさゆるが微笑みます。
　この次はどんな聖地巡礼が待っているのか。
　予測がつかないから面白い、とさゆるは思えているのでした。
　

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