遊ぼう！　トロピカルランド｜リアクション

遊ぼう！　トロピカルランド

　ねこぴょんの日から最初の夏。
　綾辻綾花は、早川珪とトロピカルランドにデートにやって来ました。
　お気に入りの水着を着て、楽しむ満々です。

　案内図を二人で眺めます。
「珪さん、どれも楽しそうですね」
「そうだね」
　ストリームプールも良いし、ウォータースライダーも魅力的です。
「珪さん、どれがいいか選んでください」
　いいの？　と言いたげな顔をした珪に、綾花はたたみかけます。
「私は珪さんと一緒ならどのアトラクションも楽しめそうです」
「それじゃあ……ストリームプールかな」
「はい。行きましょう」
　
　ストリームプールに行く途中の道は、たくさんの人たちで溢れていました。
「珪さん。逸れないように……」
　差し出した綾花の手を、珪は優しく握ってくれたのでした。

「楽しかったですね」
　存分にプールを楽しんだ綾花は言いました。
「ああ」
「お腹がすいたのでサマーカフェに行きましょう。ちょっと泳ぎ疲れたみたいです」
「大丈夫かい？」
「珪さんと一緒だと楽しくて、つい」

「珪さん、何にしますか？」
「そうだなあ」
　メニューを見ていた綾花が指さしました。
「これ、カラフルなはじけるアイスですって。食べてみたいです」
「気になるね。でも量が結構多くて冷えるかな」
「それなら、２人で分けましょう。珪さんと一緒に食べたいです」
　注文した綾花は、スプーンを２本もらいました。
「いただきます……あっ」
　小さく口の中ではじける感覚に、綾花は驚きつつ笑みを漏らします。
「パチパチはじける感覚が美味しいですね」
「面白いし、美味しいね」
　二人のスプーンは行きつ戻りつしながら、ゆっくりとアイスの山を崩していきました。
「疲れも吹き飛びそうです」
「ああ」

「最後はスパに行きましょう」
「南洋ムードだね。リラックスできそうだ」
　スパに浸かった綾花は、珪の肩にそっと頭を寄せました。
　ほぅっと息がこぼれます。
「気持ちいいですね……」
「疲れた体に沁みるね」
　ゆっくり温泉を楽しんで、綾花は珪を見つめます。
「今日のデートも楽しい時間が過ごせました」
「ああ」
「次はどこに行きますか？」
　気持ちが逸るまま聞くと、珪は笑みを浮かべます。
「どこがいいかな……今はもう少し、こうして温泉を楽しんでいたいかな」
　
　楽しそうに笑いながら、綾花は尋ねました。
「珪さんをドキドキさせるにはもっと際どい水着が良いでしょうか？」
「いや、今のままで……僕は十分ドキドキしているよ」
　珪の優しい笑みはそんなふうに見えなくて、綾花は「本当に？」と訊きたくなりましたが。
　今はこうしてスパを楽しむのがいいのでしょう。

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