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LIQUID -Star Chronicle- 時の波濤編
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【ストーリークエスト『時の波濤』(5)】
サイディア王国だのワインツ帝国だのと、そんな近代国家が影も形も無かった頃、太古の物語だ。リキッド大陸の北方、現在でいうところのスピリスタがまだ地図の上に現れる前、深い雪国を寄す処とし、大陸中へ広がる戦火を凛と張りつめた氷風で吹き消さんと活動した、類稀な戦士の一団があった。
名を、<極星の七英傑>。その存在を信じる者は昨今において決して多くない。前文明を語るのはいまやサイディア王立アカデミーの研究者か物好きか、水鏡の女王の信奉者くらいのものだ。
月の民の侵略戦争、水鏡戦線、水鏡戦役……つまるところ彼らの行動はリキッド大陸をいかなる手法によっても守護することにあった。時に極大の禁術を用いて敵を粉砕し、時に己を犠牲にしてでも大陸に生きる者の生命を次代へつなごうとした。
彼らの実存を知る者なく、彼らの献身を語る者なく。天に遠く極星の輝きのみが、七英傑の賛歌を響かせた。すべては歴史の露と消えた夢まぼろしがごとし。
「……どうして?」
そのはずだった。
「少女よ。白銀よ、戦場にあってよそ見とは、ずいぶんと余裕じゃないか?」
狼面の男だった。時おり像が虹色の鱗片をともない揺らぐ……しかし眼前にあってたしかに実存している。
ポラリスの瞳は見開かれ、肩を震わせた。今にも膝をつきそうな静かで激しい感情に、凛風はその肩を支える。
「どうして……っ」
「うん? なにをそう驚く。序列第四位、『白銀』の階位が泣くぞ」
時の混線がもたらした邂逅か。ああ、気が付けば時球域の内側をなぞるように白雪が降る。まるであの別れの日のように……常から表情の機微にとぼしいポラリスへ、まさしく波濤めいて想いの波をもたらした。
男が軽々と構える、身の丈を超す大剣が轟炎宿し、空気さえも焦がし、じじじと鳴く。それを迫る敵へ無造作に叩きつけた。水の獣は爆発的な蒸発反応を起こし、瞬時にして単なる飛沫のひとつとなって地に返る。
「……序列二位。<『劫火』のセイリオス>」
「どうした、今さら我が名をそらんじるなど。お前はどうも、その齢にして銘のごとく冷徹が過ぎると思っていたが、なかなかどうして味わい深い顔をするじゃないか。隣は誰だ? ふふん、白銀も年頃というわけか」
狼面。『劫火』のセイリオス。極星の七英傑、そのひとりにして、とうに失くしたポラリスの仲間だった。
ポラリスは時の波濤へ感謝すべきか、それとも憎むべきなのか、それすらも分からない。あの時からどれほどの時を経たものか、自身でももはや曖昧だ。七英傑を語る者なし……ポラリス、ただひとりを除いては。
凛風がポラリスの肩を抱くままに、小さく会釈をしてみせた。
「僕は凛風。どうやらここは戦場か。このめぐり会いに、ポラリスを深く知るらしい君には、ぜひ話を聞きたいところだけれど」
「なに、これを片づければ済む。たやすいことよ。凛風か、ポラリスにお前のような連れ合いがいたとは知らなかった。私にも後ほど、なれそめなど語ってくれ」
「ああ、もちろんだとも」
セイリオスの炎纏わせる剛剣がひと薙ぎすれば、凛風の抜き放つ桜色の刃が流麗かつ刹那の軌跡を描き、水の獣たちを統制無き月の水へと戻してゆく。
しかし月の水は無尽蔵だ。少なくとも時の波濤が夢と垣間見せる、いまこの時においては。次々と獣は立ち上がり、その群れは引きも切らず。稜線を埋めるほどにうごめいている。
ポラリスは。
「うん……あなたの姿が見られて、嬉しい」
「やれやれ、今日は本当にどうした。無情の少女がついに、われら家族を受け入れようと決断したか? 『統星』に『双星』、『災星』に『衆心』も、さぞ喜ぶだろう」
「そう、だね。もっと伝えるべきだった……もっと、みんなを知るべきだった。頼るべきだった……」
歴史のかなたへこぼれ落ちた記憶をたぐり寄せる。凛風と出会い、リキッド大陸を旅するようになって、ようやくにしてかき集めた記憶たちだ。
「今は、頼らせて。セイリオス。この場を切り抜ける……」
「言われるまでもない。世を人々を救う、我らの願いと等しくお前を想おう。ポラリス」
「凛風……お願い。力を、かして」
「もちろんさ。僕の冷たき常桜よ」
<銀盤・氷精の園>。広げる氷圏が満たす冷気は、かつて身を寄せた極星灯る地に吹く澄み渡る風のように、すべてを凍結させた。
霧の巨人とでも呼称しようか。希薄でありながら殴打の攻撃力も持つ、収束する白霧が形作る人型へと挑む。
「白銀、有象無象は私が斬り払おう。お前のやるべきことは……伝えるまでもないな」
「うん……!」
大剣一閃、獣たちを薙ぐ誇り高き狼の背に、薙ぐ巨碗にそよぐ銀の髪と銀の杖。なんと絵になることだろう。ポラリスの大魔法を練り上げる隙をこじあけるため、セイリオスは深々と敵陣へと切り込んだ。斬り、叩きつけ、蹴り入れる、粗雑に見えて一部の隙もなく剣先の狂いもない、清々しく剛毅な太刀筋は、薄氷を重ねるようなポラリスの美しい詠唱と並び立ち、実に映えた。
凛風もまた愛刀を振るいながら、彼女らを見ていた。極星の七英傑についてはポラリスからある程度の知見を得ている。彼女にとって永い時をともにした、かけがえのない戦友であったと聞いている。息の合った立ち回りを見れば分かる、それは事実であったのだろう。
(…………)
銘刀<桜雨>を突き入れる。高まる神気がその刃を赤黒く染め上げ、禍々しくも研ぎ澄まされてゆく。
(……乱れた時の惑乱が満ちるこの空間で、なんて力強い味方だろう)
セイリオスは七英傑がひとり。序列は第二位と聞く。鎧もまとわず最低限度の軽装で、迅速にして剛柔兼ね備える。大剣と渦巻く炎はあらゆるものを焼き斬り、生半な魔物など灰さえ残るまい。
それでいて、彼は大きい。高潔にして広い度量の持ち主であるらしかった。
「素晴らしい剣筋だ、凛風。我ら極星にも勝るとも劣らぬな。これは階位に第八位を作らねばならぬか。なあ、白銀」
「いいから、集中して。セイリオス……!」
桜雨を振るう。飛沫の軌跡を描き、鞘に納めると同時、数体の獣が同時に爆ぜる。返す刀で立て続けに屠り、赤黒い剣閃を地にほとばしらせて引き裂いた……剣で劣るつもりはない。セイリオスの剛剣の冴えはたしかに、英傑と呼ばれるも理解できるし、自分とてそこへ並び立てるとの自負もある。
時の乱れによるものとはいえ、一時の共闘として破格の援軍といえるだろう。彼の存在はポラリスを揺らがせもするだろうが、今のところ彼女の良き側面を引き出しているように思える。
(なら、どうして……私はこんなにも苛立っているのだろう)
胸元に黒い疼きを覚える。それを引き剥がすつもりで剣を振るった。かつてのリキッド大陸の片隅に名を刻んだ英傑ともなれば、そこに共闘する凛風の剣の冴えも増すことだろう。学ぶべきことが多々あるはずだ。
そのはずだ……しかし凛風の奥底には不快なざわつきが取りついて離れず、心にはさざ波が立っている。
「あと少し、耐えて。セイリオス、凛風……!」
「たやすいことだ。私と凛風にまかせろ。いかようにも時を稼いでやるとも」
「……ああ。時を、ね……」
獣を断つ。霧の巨人の腹を斬り開く。核を穿つ。剣嵐は吹き荒れこま切れに刻む。五芒の星の軌跡を描いてほとばしる。神気に身も刀も満ちてゆくほど、赤と黒に染まってゆく。
(私は……?)
時に惑い、心に惑う凛風の剣筋はしかし乱れることなく、よりいっそうに研ぎ澄まされて縦横に走り抜ける。霧の巨人は千々とちぎれ、たたみかける。
「いける……! ふたりとも、離れて。今……<評決の刻>!!」
ポラリスの絶対零度が凝集し、霧の巨人も水の獣たちももろともに爆ぜてもなお、凛風の胸が澄んで晴れることはなかった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
バトル
ゲーム
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年08月15日
参加申し込みの期限
2025年08月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年08月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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