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カチっという音が立ち、かかっていた懐メロJ-POPのカセットテープが終わった。
「綾花さん、カセット換えてもらっていいかな。グローブボックスに何本か入ってるから」
綾花はイジェクトボタンを押して例の『My Favo
l
ite』を取り出し、手書きのカセットケースに戻す。
グローブボックス、要するにダッシュボード下の物入れのことだ。開けると、たしかに数個カセットテープのケースが入っていた。
「あの……ドゥームメタルにしますか? どれでしょう」
すると珪が笑い出した。さっきまでの、書店の閉店を見て沈んでいた空気を丸ごと吹き飛ばすように。
「そんなの車に置いてないよ。ドゥームメタルは気分が沈む音楽だからね。少なくともデートには向いてない」
──デートには。
その言葉を躊躇なく言ってくれたことに、綾花の顔も自然と華やぐ。
「ですよね? 実は珪さんが話題にしてから、ちょっと試し聴きしたんです。ドゥームメタル」
「えっ」思わず珪は綾花を見た。「なんてバンドか覚えてる?」
「『ヴォイド・オー』って、読むんですか? "Void"っ書いて、"O"のあと、なんか右カッコ記号が三つならんでて」
「Void O)))!? ドゥームメタルでもとくに暗鬱な人たちだよ。重いし遅いし暗いし……驚いたろう?」
「はい」と綾花は笑った。
びっくりした珪さんの顔、可愛いです。
あ、でもいまサングラスかけてて格好いいから、『カッコ可愛い』って感じでしょうか。
「変なもの教えてしまってごめん。あれは万人に薦めるものじゃないよ。でも、夜とか聴くと落ち着くときがあるんだ、Void O)))は。掃除用具入れみたいに狭い一人乗り宇宙船に押し込められて、行き先もわからないまま暗黒星雲をさまよってる感じというか……」
果たしてその感覚が落ち着くのか、という詮議すべきポイントはともかく、綾花には珪の表現が面白くて、つい笑い声がこぼれた。
「たしかに、そんな感じでした。一時間くらいずっと」
ふっと息を抜いて、珪は笑った。
「綾花さんの、そういうところ……僕は好きだよ」
「そういうところって?」
「僕がいつの間にか作ってきた心の壁を、軽々と越えてしまうところ」
──珪さんに心の壁なんてあったんでしょうか?
そんなふうに思ったこと、なかった。
ふと脳裏に、さっきのカセットテープのことがよぎる。
学生時代に、友達からもらったのだというテープ。
あれって、たぶん……告白代わりに渡されたものですよね。
でも珪さんは「友達からもらったんだと思う」で終わらせてしまった。
それから、もうひとつ思い出す。
先日、寝子高の図書室で女子生徒たちに囲まれていたときのこと。
熱っぽい視線を向けられているのに、珪さん本人はまるで気づいていなかった。ただ感じよく、質問に答えて貸し出しの対応をこなしていただけでした。
……そうか。珪さんって、好意とか視線とか、そういうものを受け止めないようにしてきたんですね。
鈍感だからじゃなくて、きっと、人の気持ちを選り分けることをしたくないから。
向けられた熱意に応えるでもなく、拒むでもなく。周囲のさまざまを同じ温度で受け止め、流していく。
だからこそ、あのカセットに込められた想いも、そのまま『音楽』としてしか残っていなかったんですね。
でも私は、珪さんの壁を越えている。
それも……珪さんの言葉によれば、『軽々と』。
綾花の胸に、じんわりと温かいものが広がっていった。
……大丈夫。私、ちゃんと珪さんの隣にいられる。
それはライバルがいないとか、他の子より優れているとか、そんなことじゃない。
ただ、珪さんの『壁』を越えて、こうして隣にいるのは私なんです──その事実が、静かな自信を与えてくれた。
「どうかした? 急に黙って」
「い、いえ、なんでもないです」
カセットケースをいくつか手にしたまま、綾花は言った。
「で、次はどの音楽にします?」
珪はちらりと視線をよこし、微笑した。
「ラブソング集がいいな。その一番上の」
「これですね」
綾花も知っている、イギリスのヴォーカルグループだった。
「うん、結構好きなんだ、それ。直球のラブソングって、日本語だと照れくさいからね」
珪は少しだけ照れをにじませてつけ加える。
「デート向きだと思うよ」
あまりにも有名なギターリフが、やさしく車内に流れ出した。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年08月13日
参加申し込みの期限
2025年08月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年08月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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