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幸運?の青いバラ
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「すごいです、何本でも出てくるんですね」
「……何を怪訝そうな顔をしている? いざという時のために持っているだけだが……」
そうは言っても、懐に鋭利なナイフを豊富に揃えているものなど、そうはいない。不思議そうに手元を覗き込んでくる月に、寧ろどうしてそんな目を向けられているのか分からず、衛守は若干目を丸めて、草刈りに勤しんでいた。
最初の草刈り鎌から始まり、それから草を刈り取れそうなナイフまで、衛守は幾度となく自身の装備を他の者に貸し与えていたが、それでも、自分が草を刈る為の分は切らしておらず、一体どれだけ武器の在庫を用意しているのかと問いたくなった。
「……こっちもだいぶ片ついているな、ありがたい」
「ん?」
さて、そろそろ別の場所に取り掛かろうか。衛守がなんとなしに考えていた時、低い声色が背後から聞こえてきた。
手を止めた衛守と月が振り返ると、共に倉庫の復元に尽力していたジェームズ、ライエレがやってきていた。
「首尾はどうでしたか?」
少し離れて別の者達と話し合いをしている修をちらと見て、月がやってきた二人に尋ねる。ジェームズはまだ除草を担当していた筈だが、ライエレは新たにハナネコの探索を行っていたはずだ。
「いや、実は……」
ライエレが気まずそうにジェームズをちらと見た後、手をひらつかせ、事の全てを説明し始めようとした。
「ぎゃ、ぎゃあぁぁぁー! 誰かぁぁぁーっ!!」
そんなライエレの言葉を引き裂くかのように、空間を震わせ轟いてくる悲鳴。ライエレは言葉をひとまず呑み込み、その場の全員が、一様にして声の聞こえてきた方向へと向き直った。
「八神さん」
「今のは……、一体……」
一体なんだったのか、一瞬の吠え猛るような悲鳴の後には、また、すぐに静かな空気が戻ってきた。目を見開いた修がやってきて何かあったのかと尋ねたが、その場に心当たりを持つ者はいなかった。
「……向こうから、聞こえてきたようだが」
植物は殆ど片つき、今更誰かが蔦に絡め取られたわけでもあるまい。嫌な予感に唾を飲みながら、衛守はどこか濃密な湿気を感じる一帯、そこへと続く道筋を指で示した。
「たっ、助けてくれ~っ! 今日は次から次に何なんだコンチクショ~っ!!」
「あ、あわわ……」
口を抑えておののいている夏朝と、相も変わらず透明な表情で天吏が見守る先には、ミゾレが転がり込むように横たわっていた。表情を歪めて声を必死に張り続けている。懸命に立ち上がろうとしている様子だが、いくらもがいても、ジャラジャラと硬質な音が響くばかり。ミゾレの足と手首には、鈍い色のチェーンが巻きついていた。
「キャンキャンとうるさいぞ。『ミゾレ』 もっとがんじがらめにされたいのか?」
「わっ……、わぁっ!! やめろ~!!」
足元で転がっているミゾレ、その横顔を見下ろし、ミゾレを縛り付けるチェーンを握っているのは有祈だった。その目には凶器の如き嗜虐の心を覗かせて、冷笑とともに睨みつけている。
「あの人たちも、正気を失っているのかしら」
有祈の隣には、スケッチブックを携え、つまらなそうな虚ろな目をしている月詠もいた。様子を察するに、二人共そうだと判断するには十分すぎる程に冷たい目をしている。
天吏はそれとなく目をやったあと、次に、その二人の背後にいる人影をまっすぐ見つめた。ミゾレの他にも、寝子島高生と思われる二人が、鎖で上半身をひとまとめにされて捕まっている。
「あ! ハエトリソウだ! 虫とか食べるやつ!」
「あら本当。 食中植物まで生えてるなんて、驚きだわ」
……本当に、理不尽に捕まっていると自覚しているかはともかく、胴を腕ごと縛られている十一と美咲紀が、座り込んで足元の植物を眺めては、嬉々とした声を上げている。
この辺りには、愛らしく美しい花と比べ、いかにも毒々しい色をして、奇形をしている植物が多かった。湿気も濃厚だ。息をすれば、湿気た植物の青臭い匂いがした。
「さて、次は……」
「ひっ……、ど、どうしよう……」
「…………」
目の前にまで迫った影、そしてかけられた声に、木の根元にまで追い詰められていた天吏と夏朝が揃って顔を上げる。まるでもうミゾレに興味を失ってしまったかのように、有祈がすぐ目の前にまで迫ってきていた。整った顔立ちの冷徹な瞳が、自分たちをも捕らえようと容赦なく狙っている。
チェーンの絡まった指先が、まずは夏朝に向けられた。夏朝はどうすればいいのか考えが及ばないまま、目を見開き、有祈の低い声の囁きと迫るチェーンを瞳に映していた。
「させるかっ!」
「っ……」
指先が夏朝の顔に肉迫し、チェーンが巻き付こうとした、その時だった。
威勢の良い声が、二人の切迫に割り込んだ。勢いよく振るわれる長い柄の木の枝。枝での斬撃は夏朝を庇うようにして放たれ、有祈は唐突なことに生まれた驚愕を噛み殺し、二、三歩、夏朝から後退した。
「あ……、あ! 君は……」
「大丈夫か?」
目蓋を閉じ、鎖の冷たい感触を覚悟していた夏朝だったが、ふと、先程にも聞いた声にそっと目を開けた。
夏朝にとっても天吏にとっても、これで助けられたのは二度目である。そこで見つけた枝を竹刀の代わりに、しっかりと剣の構えを得ている刀が、鋭い眼光を突き返す有祈と相対していた。
「誰だ……? まぁ、名前はまた聞き出せばいいがな」
(巻き付く鎖……、ろっこんか。なら、さっさと……)
悠々と口を開く有祈の、その指から垂れている鎖を尻目に、刀は予感した。ならばさっさと動きを封じ、正気に戻してしまおう。刀はさりげなく天吏と夏朝をやや離れた場所まで下がらせたあと、打ち込むべき場所を集中するよう枝の先を有祈へと向けた。
有祈が手の中で鎖を遊ばせ、一歩にじり寄ってきた。その刹那。刀はチャンスだと決め込み、地面を蹴った。
(ここで……っ!!)
今まで何人か花粉を吸ったものの制圧を行ってきた。刀は日頃の鍛錬とその経験則で後頭部の局所を狙い、枝の先で振り抜く。竹刀ほどに巧ではないが、有祈の意識を刈り取るには十分な、そんな一撃が繰り出される。
筈だった。
「なっ……!!」
「ダメだよ、ここでそんなもの振り回しちゃ。景観が乱れる」
枝を振り下ろした、その瞬間には、刀の手から枝がきれいさっぱり消え去っていた。
有祈の意識を狙った一撃が振り下ろされる寸前、ふらりとその間に割り込んできたのは、同じく瞳の光を失っているらしい月詠だった。
(旅鴉まで……)
月詠の手元を確認した途端に、刀は何が起こったのかを理解した。その手には、ページの開かれたスケッチブックがある。画用紙には、つい先程まで刀の装備であった枝を大事に抱え込んで、蠱惑的に舌を出している女性のイラスト。
枝を奪われたのだ。そっと呟く月詠はそれ以上笑む事も怒る事もせず、スケッチブックを持っていない側の手を腰にあててじっと刀を見ていた。武器を奪われた刀は慎重に目を細め、一歩身を引く。
「おーい! 一体何があったっ?」
先ほどの悲鳴を聞きつけた修やジェームズたちが続々とその場に集まってきた。悲鳴を聞き、目の当たりにした光景には全員が驚かされたことだろう。各々で態度がまるで違うとは言え、三人も鎖で縛られているのだ。そして今もまさに、何やら目の色や挙動のおかしい二人が、新たな獲物を追い詰めようとしている。
「おいっ! こっちだ! 早くっ!」
窮地を察して、修が咄嗟に声を飛ばした。聞いた刀は天吏と夏朝の手を引いて、ジェームズたちの影に入った。
「大丈夫か?」
「た、助かりました……」
ほっと安堵の息を吐く夏朝を見て、ジェームズは頷くと、何かに取り憑かれているかのような目でこちらを睨んでくる二人へと向き直った。
一方はスーツを着込んだ痩身の男性で、一方はスケッチブックを携えた少女。二人共声をあげて暴れるような凶暴さは見えないが、滲み出すような敵意はひしひしと感じられた。
「おーいアンタたちっ! 俺も助けてくれ~っ!!」
「ん……んっ? あ! 八神さん! 久しぶりー♪」
「おお! 本当だっ! おーい修―っ!」
「……元気そうだけど、しっかり捕まってるみたいだねぇ」
「早く、元に戻してあげなくては」
まるでその自覚を抱いていないようかのように、嬉々として声を飛ばしたりしている美咲紀や十一を見て、ライエレがやれやれと肩をすくめる。一方、月は至って真面目な瞳で、高圧的な笑みを浮かべる有祈を見つめていた。
「月、か。いい名前だな。」
会話の最中に何度か出た自分の名前。しかと聞いていた有祈は低く呟くと、手の中の鎖を揺らした。
「っ……」
ふと、有祈の冷たい微笑が濃厚になった。なにか仕掛けてくる、月は本能的に危険を悟って態勢を低める。何が起こっても対応できるよう、その手先の微細な動きにまで、視線を這わせ続けた。
有祈が手を突き出した、次の瞬間。その手から揺れていた鎖が蛇のようにうねり、月を捕らえんと襲い掛かってきた。月がそこから飛び退き、鎖は地面を穿つ。月が立ち止まろうとするたび、鎖はそれを執拗に追い回し、回避されては地面を叩いていた。
月は身軽な駆動で、あたりを休みなく駆け回った。追尾してくる鎖を避け続けることはできるが、反撃に転じる隙となると難しかった。
「おい、こっちだ」
そんな時、手袋を外した衛守が、鎖に追われる月の前に出た。鎖はそれでも月を狙っており、このままでは鎖の軌道上にいる衛守に間違いなく命中する。
月は息を呑んだが、鎖が衛守に触れた瞬間、それは杞憂だと知った。
「……何っ?」
衛守にかかっていった鎖だったが、それは絡みつき縛ることはなく、弾かれて地に付してしまった。衛守があらかじめろっこんを使用しておいたのだ。絡み付こうと迫った来た鎖を防御し、月を庇う。そして生じた隙を見逃さず、突然のことに口を丸めている有祈目掛け、月が疾走する。
有祈は目を細め、さらにスーツの鎖へ手を伸ばそうと試みるが、反撃に転じるには間に合わず、既に月が肉迫し、手刀を放つ寸前であった。
「……ごめんなさい」
「ぐっ! ……」
言葉とともに、月の手刀が有祈の首筋を打った。瞬く間に有祈の意識が暗転する。崩れ、倒れゆく体を、近場にいたライエレが肩を貸出して支えた。
「…………」
意識を失った有祈をちらと見て、月詠が神妙な様子で、スケッチブックの別のページを開く。
そのページに指で触れ、ろっこんの封印を解いて取り出したのは、七色の油性マジックペンであった。それを手に、月詠は鎖に縛られているミゾレの元へと歩き出した。
「その顔を、もっと芸術的にしてあげるよ」
「わーわー! やめろっ動けねぇんだぞっ!」
一体何をするつもりか、手にしたそれとその顔ですぐに分かった。首を振って声を荒げるしかできないミゾレを見下ろし、月詠は口元だけで微笑みながらキャップを引き抜いた。
「旅鴉」
だが、ペン先をミゾレの顔にあてがう寸前、背後から声をかけられる。月詠ははっとして振り返ろうとした。
刀が、すぐ背後にいた。
「すまない、ちょっと痛いぞ?」
「あ……」
何かをさせる暇など与えず、一撃。後頭部を鋭く打たれ、遠のく意識に月詠の表情が淡くなった。刀は力を失いゆく体に腕を回し、月詠をそっと抱きとめた。
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tsuyosi
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年12月25日
参加申し込みの期限
2014年01月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年01月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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