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LIQUID -Star Chronicle- 仲夏の英雄譚
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【サイドクエスト『赤い湖に沈んだ秘密』】
馬車はゆっくりまったりと、ワインツ帝国の郊外をゆく。荷台には山盛りの野菜にいくつもの酒樽、きゅうくつそうにしている冒険者たち。
「つーまーり、赤ワインの湖ってことね! 間違いないわっ」
マーナ(プレイヤー:斎藤 愛)のアバターの頬の赤みが増してゆく。彼女の勤める外資系投資会社では近頃過重労働一歩手前といった状況で心が休まらないらしく、疲労もストレスもたまり、夜ごとに酒量が増えてゆくのだという。今も『LIQUID』をプレイしながら飲んでいるようだ。酔っぱらいながらのゲームプレイは別段禁止されてはいないが、
「スッ転んでケガしたりしないように、気をつけてよね。マーナ」
「分かってる、分かってるわよ~アオイちゃん。にっひっひ」
先日のクエスト
で分かったことだが、彼女はなかなかの酒豪らしい。とはいえまあ、いくらか飲みすぎるくらいなら、彼女の有能な魔法サポートが途切れることもないだろう。
アオイ(プレイヤー:
仙藤 蒼
)は肩をすくめ、前方の空を見据えた。
「曇ってきましたわね。先ほどまであんなに晴れていましたのに」
シャローテがつまらなさそうにぽつり、つぶやく。オートマタの<UPW2>は『節電モード』と称してアオイの膝の上に頭をあずけてすやすやと寝息を立てている。
青く澄み渡っていた空がたしかに、黄昏れのように赤く染まりつつあった。
ワインツの西部に位置するロートシル村には声高に自慢できるような特産品はないし、目を引くような景勝というわけでもない。コーフィル方面へ向かう旅人が一泊するのに便利な中継点ではあるものの、南方にはラタシュという比較的大きな都市があり宿泊施設も充実しているから、あえてロートシルで一泊という旅人も決して多くはないという。
ただ、村には古来伝わる精霊の伝承があり、これを面白がってやってくる者が月に一組か二組はあるらしい。
「そんな連中が、湖になにかしたのではないかと。私はそう見ているんですがね。先月やってきた男女などいかにも怪しかったな。彼らは湖のそばで飲み食いをし、ゴミを投げ入れていったんですよ。まったく、精霊への冒涜だ。これは精霊の怒りですよ、きっと」
憤慨するのは、宿屋を営むモランシェという男だ。丹念に整えられた口ひげを撫でつけながら首を振る。なかなかに端正な顔立ちだが、眉間にはしわが寄っていた。
「観光客はあまり多くないという話でしたけれど」
シャローテが言うと、モランシェは宿帳を差し出しながらうなずく。アオイが名前を記入するのを横目に、彼は言った。
「ロクでもない連中ばかりです。まっとうな旅人はラタシュへ行くのでね……ここへやってくるのは、道を間違えたうかつな旅人が2割。精霊伝承に興味をもって来てみたけど、たいして見るところも無いと分かるや悪態をつくのも隠さないような者が7割。湖にゴミを捨てていく輩さえいるんです。残りの1割? サイディア王立アカデミーの学者さんってのがひとり来ましてね、半日あちこち見回っただけで帰ってしまいましたけど」
「その、精霊の伝承っていうのは? どんなお話なの?」
アオイが尋ねるやいなや、モランシェの瞳がかがやく。
「ここに村を興したご先祖さまを救った、心優しい水の精霊ですよ!」
泉が湧き出るがごとく語り出した彼に、アオイとシャローテは思わず顔を見合わせ目を白黒させた。
湖はクエストの依頼人が伝えたとおり、真っ赤に染まっていた。血の赤、花の赤、絵の具の赤……どれとも言い難い、奇妙で、そして怖気をふるうような赤だった。
「赤ワイン……」
マーナのつぶやきはゆるく吹いた風に乗って消えた。アオイはその頭をぽむぽむとやってから、周囲へ視線をめぐらせる。
湖はモランシェの宿屋のちょうど裏手に当たるが、雑木林が広がり、村のほうから見とおすことはできず、周囲には人気もない。調べてみたところ、湖と水源を同じくするという村の井戸には今のところ影響は出ていないようだ。湖だけが、かつては青々として透明であったという水を赤く濃く染めていた。
「精霊の怒りですか。たしかにそうと表現したくもなりますわね、この現象は」
「でもさあ、予兆とか現象とか、なにもなかったんでしょ? いったいなにを怒ってるわけ、その精霊さまは」
「さあ……」
ロートシルはコーフィルの砂漠地帯にほど近い場所にあり、昔は砂まじりの貧しい土が広がるばかりであったそうだ。しかしここへやってきた旅人が、遠き地から運んだわずかな月の水を砂地へたらしたところ、たちどころに泉が湧き立ち、やがて湖となった。彼はそこに、美しい立ち姿の精霊を見たのだという。
「!」
「ん? ウーピー、どうかしたの?」
と、なにかを発見したのか、唐突にUPW2が駆け出した。湖のほとりにて屈みこみ、なにやら拾い上げるとアオイのもとへ戻り、
「司令官。こちらをご確認ください」
「これは……?」
やや茶色がかった白。節くれだった、くびれのある細い円筒形。人体についてそう多くの知見があるわけでもないアオイの目から見ても、それはどうやら、
「分析の結果、成人男性の人差し指の末節骨と思われます」
深夜。村の者が寝静まった頃、マーナは酒瓶を片手に湖のほとりを歩いている。相も変わらず赤く染まり、不気味に静まり返る湖を前に、手にした赤ワインの瓶をあおるとぐびぐびと飲み干し、あっという間に空にした。
「あ~あ。もう無くなっちゃったわ」
瓶の口を悲しげに覗き込んだ後、マーナは深くため息をつく。そして瓶を湖へと投げ入れようと大きく腕を振りかぶり、
「ストップ! なにをするつもり?」
ぴたり、闇夜に動きを止めたのは、マーナばかりではなかった。
「な……なに!?」
モランシェはマーナの後ろで、両腕を前方へ伸ばしたままの姿勢で固まっていた。まるで今にも、彼女の背を強く押し、湖へ突き落そうとでもするかのように。
マーナはくるりと振り返ると、瓶を片手で振って見せた。はなから投げ入れるつもりはなかった。
「フリよ、フリ」
姿を表したアオイにシャローテがモランシェの退路を断つ。後ろからは腕を重火器に変形させたUPW2が彼の額へ狙いを定めていた。
「村のひとたちに話を聞いてみたら、気になることを言ってたよ。村には時おり旅人がやってくるけど、出ていくところはあまり見たことがない……って」
アオイは一歩足を踏み出し、蒼白な顔をしたモランシェを見つめながらに拳を構える。
「な、なにを……」
「精霊伝承に、あなたはとても傾倒していたよね。けれど多くの旅人たちは興味本位でここを訪れながら、それを尊重しなかった。しまいには湖にゴミまで捨てていく始末。あなたはそんな軽薄な旅人たちの態度が、どうしても許せなかった……!」
駆け出すと、湖の中心めがけて<鋭光乱舞>を叩きこむ。連打の衝撃が赤い水柱を生み、炸裂し湖水を跳ね上げた。
湖はそう深くはないが、広く藻に覆われている。それらがアオイの拳の余波によってかきわけられた時、湖底に覗いたのは、数人分とも思える人骨の山だった。
赤い雨が降り、彼女らを、モランシェを濡らす。彼は膝をつき慟哭を上げた。
「あいつらは……あいつらは、偉大なロートシルの精霊を蔑ろにし、嘲笑し、貶めた! やつらを帰せば、方々でそれを喧伝することは目に見えていた……事実そうするつもりだと声高に、まるで俺に聞かせるように語る者さえいたんだ! だから私は、あいつらを……しかし誓って、あなたのためなのです。精霊よ。あなたの名を汚す蒙昧な凡夫を私の手で制裁することになんらためらいはありません。だというのになぜ、なぜ、いったいどこで私は、あなたの怒りを買ったのか……」
「……そんなことも分かんないで、よく信者みたいな顔してたわねーあなた」
マーナは眉をひそめ、呆れたようにつぶやきながら手にした瓶をあおり、空であることに気づくとがっくりと肩を落とした。
クエストは完了となった。モランシェにはしかるべき裁きが下り、村の者らが湖に沈んだ異物を丹念に除いたなら、いずれは赤い水も清浄を取り戻すことだろう。
ふたたびアオイらが乗り込んだ馬車は一路、パナーシェへと向かう。事件は陰惨で胸に残る後味もよろしくはない。南国の風を受け、ビーチでカクテルを味わい、存分に泳ぎ、身も心も癒されねばなるまい。ちょうど今は期間限定のバカンスクエストが配信中なことだし……とはマーナの言である。反対する者はなかったし、アオイも同様の思いだ。
馬車は青空の下をゆっくり、まったりと行く。やがて常夏の楽園が見えてくるだろう。アオイの胸は弾んだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
バトル
ゲーム
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年07月10日
参加申し込みの期限
2025年07月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年07月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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