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LIQUID -Star Chronicle- 仲夏の英雄譚
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【サイドクエスト『限界シェフの悪食バンザイ』(2)】
「バカンス、楽しみだね~」
「ちょっとシフォン、くっついたら歩きにくいわよ」
ソフィアの食材調達には、シフォン(プレイヤー:
黒白 滴
)が同行した。ともに王立アカデミーにつとめる同僚であり、今では唯一無二のパートナーでもある。事実ふたりは冒険にバトルにと相性もよく、ソフィアが冒険へ出かける折には決まって隣にシフォンの姿が見られた。
「このクエストの報酬がもらえれば、パナーシェに行けるね~。ソフィアの水着、どんなのかな? むっふっふ~」
「しゅ、集中しなさいってば。モンスターの素材を手に入れるには、ただ倒すだけじゃだめなのよ」
常夏ビーチでのバカンスのために参加したクエストだが、なかなか難儀である。ただ魔法をぶちかますだけなら楽なものだが、今回は可食部を傷つけないよう慎重に仕留める必要があるし、その上で鮮度を保ったままシェフのもとへ運ばなければならないのだ。
「さて、どんなモンスターを狙うべきかしら。エイジはお肉を調達すると言っていたから、こちらは……」
「植物系とか? お野菜や果物もほしいよねえ」
「そうね。フルコースということだし、バランスよく食材を集めないと」
方針が定まるとさっそく、行動を開始する。狙うのは歩く殺人木<トレント>とした。さまざまな物語やゲームなどファンタジー作品に登場し知名度も高い植物系モンスターだが、『LIQUID』においては枝に実や野菜をつけることで知られている。リンゴのトレント、キュウリのトレント、スイカのトレントなど多種多様な亜種が存在し、採取した実や野菜は食品アイテムやクラフト素材として使用可能なのだ。スイカは土の上になるものではないか、とヤボなツッコミは無用である。リキッド大陸のトレントといったら、そういう生態なのだ。
乗り合い馬車へ飛び乗り、北上する。青空が次第に白み、雪がちらつくようになり、緑の野が雪原へと取って代わる頃、スピリスタのソルティード山のふもとへ到着した。トレントはリキッド大陸の各所に広く生息しているが、ことにソルティード山の寒さの中をトレントが歩き、栄養をたくわえ育った作物は品質がよいとの噂だ。
「あっ、いたいた! ソフィアちゃん、あそこ!」
「あれは……オレンジのトレントね。こんなに寒いのに、実をつけてる」
「それじゃ~さっそく、収穫といこっか」
「油断しないで、トレントは強敵よ!」
シフォンはフォーチューンテラーだ。カードを使い、占いの結果に応じて多様な魔法効果を引き出す。今回は稲妻の魔法を引き当てたようで、ほとばしる雷がトレントの幹を直撃する。
先手を切ったシフォンだが、いまひとつ手ごたえのなさに目をぱちりと瞬いた。
「うわ、タフだねえ。でも、傷つけちゃいけないんだよね?」
トレントは凶暴な性質で知られ、幹の合間に灯る光がにらむ瞳のようにぎらつき、樹の枝を束ねた拳を握りしめ、こちらへ大股に歩み寄ってくる。頑強さも脅威だが、あれで殴られたら冒険者といえどただでは済むまい。
「多少は仕方がないけど……っていうか私、今、気づいちゃったわ」
「え、なになに?」
杖を構え、<氷刃嵐>を繰り出す。氷礫の刃がトレントを襲うも、こちらもやはり効果は薄いようだ。もとよりこんな場所に生息しているのだし、耐性があるのかもしれない。
ソフィアは眉をしかめた。
「普通の樹になろうがトレントになろうが、実は実でしょ? いくらか質はいいかもしれないけれど、今回の料理の趣旨に合うものかしら……」
「あ~。たしかにね、『モンスター料理』だもんねえ」
貴族のゲテモノ食いがこの度の発端であるわけで、見た目にフツウな食材ではインパクトに欠けるかもしれない。
シフォンが風のカードを引き当て、暴風の障壁がトレントの強烈な木製パンチを阻む。ソフィアは氷刃嵐の収束点を巧みに動かし、トレントの樹の身体の凍結を試みる。
「それじゃ、どうするの? って、うわあ来た! 殴られるー!」
「こうなったら……」
「こ、こーなったら!?」
打ち付けられる拳をひらりと避けると、衝撃とともに氷雪が白く舞い散る。ソフィアは身をひるがえして態勢を整えながら、杖を突きつけ述べた。
「トレントごと、採る!」
……と、食材集めに奔走した冒険者らの帰還から、数時間後のこと。
「あのー。これは……?」
エイジとソフィア、その仲間たちは白いクロスをかけられた長テーブルに座らされている。卓上には銀のカトラリー、ワイングラスと、さっそく瑞々しい前菜が用意されていた。
シェフは相変わらずらんらんと輝く眼光を瞳に宿らせ、慇懃な仕草でそれらへ手のひらをかかげてみせた。
「諸君、ご苦労だった! おかげでイカレたグルメどもをうならせるに足る、極上の食材が山と入手できた。ついてはその功労者たる諸君へ、真っ先に美食を味わう機会を贈りたい。試食タイムだ!」
「いや~。ちょっとそれは、できれば遠慮してえっつーか……」
「ははは。いやまったくそのとおりだね、うん」
口元を引きつらせたシャーミィとマオメイの言葉はさくっとスルーされた。乗りかかった船というものか、食べねば解放されそうにない。
前菜は、『トレント・オレンジとサルコスクス(巨大ワニ)のマリネ』。だそうだ。オレンジは新鮮さを保つためかトレントの枝がついたままで、なんかぴくぴく動いている。ワニ肉は薄くスライスされているが、えもいわれぬ臭みを発しており思わずのけぞらずにいられない。
しかし、試食もせずには批判もとおるまい。エイジは意を決し、ナイフでオレンジとトレントの枝を切り離し、フォークでワニ肉とともに刺して口へ運んだ。
「お味は? どうどう、エイジくん?」
この場でただひとり、楽しそうにしているノノコの期待のまなざしが、エイジへと注がれる。
「……頭がツンとするくらいの強烈なオレンジの甘さに、ワニ肉の生臭さとえぐみが絡み合って味覚が大混乱するけど、鼻を抜けてく樹の香りはまるで煮詰めた血みたいな生臭さで、生臭さと生臭さの相乗効果でちょっと吐き気をもよおさずにいられないけど、でも、ほんの少しだけ底のほうに残ってるオレンジとワニの旨味が、やっぱりあとからあとから押し寄せてくる生臭さに押し流されて……」
「マズイんだね。よーするに」
どうにか良いところを見い出そうとしたエイジだったが、その試みは徒労に終わった。
その後、『トレント・トマト&アボカドとバフォメットチーズのミルフィーユ』『サラマンダーベーコンとトレント・玉ねぎのコンソメスープ』『カトブレパスのフィレステーキと石化眼球のトレント・ラズベリーソースがけ』等々、怒涛のコース料理を味わったが、終わる頃には死屍累々。卓についた者たちのステータス欄には数え切れないほどの状態異常アイコンが並んでいた。
シェフの試みは大失敗かと思われた……しかしながら、シェフは冒険者らの再三の制止にもかかわらず、それらメニューをシードル美食倶楽部の晩餐会にて振る舞ったそうなのだが、
「……ウソでしょ?」
「グルメになりすぎるのも考えものだねえ……」
評判は上々。モンスター料理を大いに気に入った貴族たちはさらなる希少メニューを求め、シェフは泣く泣く食材調達クエストの第二弾を発したという。ふたたびの依頼にソフィアはうなりを入れ、シフォンは呆れたように肩をすくめた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
バトル
ゲーム
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年07月10日
参加申し込みの期限
2025年07月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年07月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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