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禍語<マガタリ>
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【ノイズ】
七夜 あおい
はモニターの向こうで、へにゃりと眉を下げた。恋人がそうして心配してくれるのには、胸に喜びと申し訳の無さが入りまじり去来する。
『耳鳴りかあ、原因はなんだろうね? あまり悪くなる前に、病院に行ってね』
「ああ、そうするよ。ありがとう。あおいも身体に気をつけてな、そっちは暑いだろう」
『そうだね、もー毎日汗だくでさ~』
ぱたぱたと胸元をあおぐ仕草に、
八神 修
はどきりとしつつも苦笑いする。無防備なのは自分の前だけにしてほしいものだ。
『じゃあ、また明日ね修くん。病院! ちゃんと行くこと!』
「はは、分かったよ。おやすみ、あおい」
通話を終えると、修は椅子にもたれ、目を伏せる。
しいい、しいいと。今も聞こえる。か細く消え入りそうな、それでいてはっきりと耳に残る。ここ数日、修の意識を少なからず奪い続ける耳鳴りは、今夜も途切れることはないようだ。
特段の心当たりはなく、発生も突然のことだった。いやあるいは、ずっと前から小さくかすかに鳴り続けていたものが、修の認識できる程度に大きくなってきたのかもしれない。ともかく一度気が付いたなら、些細なノイズはいつまでも消えることはなかった。
昼間は大学の講義に勉学にと集中しているからか、さほど気になることもないのだが、ことに夜、あおいと日課のビデオ通話を始めたあたりから鳴り始める……ような気がする。定かではないがそのように思う。
といって今のところは騒ぎ立てるほどの症状ではないが、
「ふむ……」
あおいの顔がまぶたの裏に浮かんだ。彼女を不必要に心配させるのはもちろん本意ではない。
修はスケジュールを確認すると、講義の空きに耳鼻科の診察を予約することにした。
『ええ? なんともないって……原因、分からなかったの?』
あおいがふたたび眉をひそめる。こんな顔をさせたくはなかったが。
「ああ。標準的な聴力検査からティンパノメトリー、耳小骨筋反射検査。耳管機能検査……など、あれこれ仔細に検査してもらったが、特に異常は見られないということだった」
『でも、まだ聞こえてるんだよね? 耳鳴りが。今も?』
「そうだな。先日より少し大きくなった気もする……」
検査をした夜、通話を始めた直後にまた耳鳴りが始まった。じじじ、ざざざといくらか耳障りだ。明らかに音は大きくなっている。今この瞬間も、じじじ、ざざ、ざざざざと。
「…………」
『修くん? 大丈夫?』
「ああ」
腕組み、思考する。
修は動じない。こんな時は症状を分析し、推測し、理解を試みるのが彼のやり方だ。仮にも医者を目指そうという者が、己の不調ひとつで狼狽しているわけにもいくまい。
『どんな音なの? 虫の羽音みたいな~とか、ラジオのノイズみたいな~とか、よく言うじゃない』
「そうだな……ぶつぶつと断続的に、しかし途切れることなく続いている。まるで、耳もとで誰かに……」
『耳もとで?』
はっとする。
「すまない、少し黙っていてくれ。よく聞いてみる」
『う、うん』
耳をすませる。
じじ、ざざざざ、しいい、しいい。ざざざ、じじじじ。暗黒の底から浮かび上がる何者かの顔を想起したところで、修の内には疑問と疑念、半ば確信に近い答えを得た。半信半疑ではあれ、おそらくはそうであろうと思い至った。
もしや。もしや、これは。これは、
「……人の声、か……?」
なるほどと得心する。もとより医者の領分ではなく、症状というより現象と呼ぶべきであったのかもしれない。
『あ、修くん? 今、図書館……隠れて電話してるから、静かに』
「ああ、こっちもだ。なにか分かったかい」
伝承にもとづく文献、荒唐無稽なオカルト雑誌、妖怪小説、ネットの口伝から創作ホラーまで、あらゆる情報を探ったが、今のところこれといったものは見つからない。あおいも協力してくれているものの、
『こっちもダメ。いくつか聴覚にまつわる怪奇話はあったけど、修くんのとはちょっと違う感じ……今はどう? 聞こえてる? その、声が……』
「ああ。だんだんとパターンが分かってきたな。あおいに連絡をした時に、声は大きくなるようだ」
『なんでだろう? もしかして、私が原因……?』
「そんなことはないさ。あおいが気にすることはないよ」
確かに、彼女との通話が声の増すきっかけとなっているらしいことだけは突き止めた。理由は分からないが、夜ごとのビデオ通話を、現象はトリガーとするようなのだ。
先の病院への予約電話や、友人との会話において変化は見られず、ことあおいとの連絡によってのみ耳鳴りは悪化する。今回は昼間に映像を介さず普通の電話をしてみたが、やはり声はひと回り大きくなった。
そう、声だ。今や耳鳴りははっきりと何者かの声と断定できる程度に大きくなっていた。おそらく女性だろう。なんと言っているのかはかろうじて聞き取れないが、女のささやき声であることは間違いない。
『ど、どうしよう、修くん? どうしたらいい? 私、なんだか気味が悪いよ』
「すまない、心配をかけて……」
『ううん、迷惑とかじゃないよ。ただ、修くんが心配で』
彼女には聞こえもしない奇怪な声のことを、あおいはすんなりと信じてくれている。恋人をこうして案じてくれている。
「とにかく……今夜、もう一度通話をしてくれないか。確かめたいんだ。きっとあと一度で、分かると思う。この声が、なにを語りかけているのか。……すまない。君はこういうのが苦手だと知っているのに、俺は」
『大丈夫』
それが修の勇気となり、現象へ立ち向かう胆力の源ともなっていた。
『大丈夫だよ。大丈夫だからね、修くん』
その夜。あおいとビデオ通話をつなげ、彼女の顔が映像へと浮かび上がる。
瞬間、修は後悔した。彼女は息をのみ、その顔が恐怖に歪んだからだ。
『お、修、くん……』
「……見えているんだな。あおいには」
耳鳴りはもはや明朗なまでに具象化し、端的な言語として修の耳に届いていた。聴覚を蹂躙すると言い換えてもいい。
「いるんだな。俺の隣に」
じじじ、ざざざ。じじじじ、しいい、ざざざざ。
──シネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネウラギリモノワタシダッタノニシネシネシネアンナオンナニシネウラギリモノワタシガワタシノアナタハワタシノシネシネシネシネシネシネ……
ハロー☆ あおいちゃんって子からのメールで、連絡させてもらったわ(手紙の絵文字)
厄介なのにまとわりつかれてるみたいねえ。
うるさくするだけならランクDってとこだけど、勤勉な大学生の集中力を奪うのはギルティよね。
とにかく、一度寝子島にいらっしゃい。いっしょに対策を考えましょう。
まっ、悪いようにはしないわよ。私はプロだし、善良な市民の味方ってやつだから、安心しなさいって(サムズアップの絵文字)
そうね……いちおう、月村さんに連絡入れておこうかしら。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年07月02日
参加申し込みの期限
2025年07月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年07月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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