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禍語<マガタリ>
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【鏡の裏のアリス】
明るく爽やかな青空の下でのデート。幸福なひと時。開けた道はどこまでも続いてゆく。
そのはずであったが。
「こっちだ。綾花さん……!」
「は、はい……っ」
手を引く
早川 珪
の足取りには余裕がなく、しかし
綾辻 綾花
への気づかいは忘れない。前のめりに倒れ込みかけた綾花を辛くも支え、ふたたび走り出した。
振り返ればやはり、空へと向かって伸びている黒い紐状のなにかが見えた。幾本もの紐が絡み合っており、まるで工事現場にて束ねたワイヤーが突風にあおられ軋むように鳴いている。
「あれは……なんなんでしょうか」
「分からない。分からないけれど、近づいてはいけないものだと思う。逃げないと……ほら」
黒い紐は街のどこかから伸びているが、ゆっくりとこちらへ近づいてくる。追いかけてくる。あの下にいったいなにがいるのか、人なのか人でなきものなのか。あの紐は天上のどこへとつながっているのか。分からないがともかく、現象には禍々しい気配を感じ、ふたりはシーサイドタウンを逃げまどっている。
「どこまでも……どこまでも、ついてきます。珪さんっ、どこまでも……!」
「落ちついて。綾花さん……」
なだめる珪の頬にも冷や汗が伝った。
黒い紐束が見えているのはどうやら、綾花と珪のみであるようだ。通りすぎるスーツ姿の男性も学生服の少年少女たちも、お年寄りも、空を見上げてはいない。若い母親の抱く赤子だけが同じ空を見上げていたが、その目にはなにが映っていたのだろう。
大通りを横切り店の中を抜け、路地へと入り込む。
「あっ。こっちは……」
「行き止まり!? そんな!」
突き当りに引き返そうと踵を返すも、
「……あ」
黒い紐束の端緒はもうすぐそこ。路地の入口に。
陽光をひとすじすらも返さない、ブラックホールめいた黒いスーツを着ていた。シャツこそ白いがネクタイは漆黒で、黒の革靴、黒い手袋。真っ黒だ。
顔はなく、そもそも頭部がない。シャツの首元から生え伸びるあの黒い紐束は、時おり臓腑のように脈動している。天へとつながるそれは、知性と理性なき身体を動かすための繰り糸だろうか。
黒スーツの紐男がゆっくりとした足取りでふたりへ迫る。一歩、また一歩と着実に。
「い、いや……」
綾花は珪へすがりつく。珪は綾花を背にかばうが、一介の司書教諭に怪異へあらがう術などあるものだろうか。
一歩、また一歩と。
その時だった。なおう、と鳴いた。
「えっ。猫……?」
路地のどん詰まりには大小さまざま、無数のゴミやがらくたが放置されていた。周辺の住人にどうやら無法なものがいるらしい。
声の元をたどるとそこには、うち捨てられて割れた姿見がきらめいていた。一匹のとら猫の姿はその中に映り込んでいたが、振り返ってみても猫はいない。
「か。鏡の中、に……?」
「! 綾花さん、そこを見て。鏡の横の隙間、あそこならとおり抜けられる!」
ゴミ溜めの隙間にひらいた空間へ身をねじこみ、がらくたをかき分けながらくぐり抜ける。にゃおう、と高い声。鏡の中からこちらを見つめる猫の瞳は、理知的に澄んで見えた。
紐男は追いすがる。ゆっくりと。一歩、また一歩。着実に。
「ど、どっちだい?」
「にゃんこさん、どちらの道へ行けばいいですか!?」
んなあ、と猫は前足で左を指した。黒い紐に追い立てられあちらへこちらへと逃げるたび、鏡の中に猫はあらわれ、先導してくれた。時にはガラス戸へうっすらと映る綾花の顔の横へ、あるいは穏やかな川の水面にあらわれることもあった。
猫は鏡の中に暮らしながら、しばしばこちらをのぞいているのだろうか。時おり奇怪な現象や存在に襲われる哀れな人間を見かけては、こうして脱出を手助けしてやっているのかもしれない。
「ありがとう、にゃんこさん……」
なんてことはないとばかり、もうひとつ鳴き声を上げた。言葉が分かるのだろうか。
行く先々に鏡を見つけ、示す先へと駆け抜ける。導くのはもちろん不思議な猫ばかりではなく、
「綾花さん、大丈夫かい? がんばって……!」
「はいっ、珪さん!」
握りしめたあたたかなぬくもりと彼の笑顔、これに勝るナビゲーターはあるまい。
高く、長く、にゃあおと鏡の中から響く。途端、ぽつりと雫が見上げたふたりの頬を打った。
「あ……」
降りはじめた雨はまたたく間に激しさを増し、曇天の雲へ伸びた紐束はインクが溶けるように流れ、消えていった。
緊張がほどけると同時、綾花の肩を抱いた珪がふと指を差す。アパレルショップの軒先にきらめくショウウィンドウには満足げに胸をそらし、鏡の奥へ去ってゆくとら猫の尾が揺れていた。
メールをありがとう(うれし泣きの絵文字)
追いつかれていたらどうなっていたかしらね。近頃あのあたりで起きてる失踪事件と、なにか関連があるのかしら。
ま、ともあれランクはBってところかな。
それにしても、鏡の中にいる猫チャンってどういうこと? 可愛すぎない?
今度私にも紹介してよね!(投げキッスの絵文字)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年07月02日
参加申し込みの期限
2025年07月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年07月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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