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Ap.真実の小箱は嘘の包装紙で包まれるー甘いリボンの結び方ー
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今日はエイプリルフール。だからこれも、きっとカノンなりの冗談だ。
そりゃあ、嘘でも言って欲しくないことはあるけれど、ポジティブすぎるところのある茉奈は、驚かせようとしたに違いないと信じていた。
――恋に落ちるわけなんてない。
そう書かれたメモを手にしたまま、カノンは小さく息を吐いた。
「失敗しちゃったな」
背中へ貼り損ねたことに対して、だと思う。でも、そうじゃなかったら?
いつだって自信があってへこたれないのが取り柄だったのに、カノンの一言でこんなにも揺さぶられている。
「ねえ……どういう意味か、聞いてもいい?」
嘘を吐くのは苦手だ。嘘に裏の意味をこめるのなんて、もっと苦手。
ただでさえカノンは年上で頭も良い。社交上手で会話の引き出しも多いから、冗談だって得意で――。
「そのままの意味だよ。俺は、茉奈に一目惚れなんてしていない」
頭を掻いて視線を逸らすカノンは、嘘を吐いているように見えなかった。何度反芻しても前向きな解釈が出来なくて、「エイプリルフールでもやり過ぎだよ」なんて笑い飛ばせない。
「……それでも、あたしはカノンが好き」
震える声で告げられたのは、大事な気持ちひとつだけ。
どう思われていても、どうなるのだとしても、責める言葉なんて浮かばなかった。
「えっ、茉奈!? 待って、ちゃんと最後まで……」
「茉奈っ!」
血相を変えてやってきた桜に抱きしめられ、茉奈はますます潤みそうになる目元に手を当てた。今更動揺を見せるカノンの背後には匠が立ちはだかり、会場の空気も少しだけざわりと動く。
ひそひそと注目を浴びているのがわかっても、こうなってしまってはカノンに選択肢なんてない。
「一目惚れなんて軽い言葉で、茉奈への気持ちが説明できるわけないだろ。むしろこれは運命なんだし」
「……え?」
少しだけ照れくさそうに長い息を吐くと、カノンは茉奈の前に跪き魚のメモを差し出す。『恋に落ちるわけなんてない』と書かれたその裏には、もうひとつのメッセージがあった。
――茉奈と向かうのは恋の底じゃなくて、人生の向こう側だからね。
ゆっくりと意味を考え、茉奈は息を整える。
そういえばカノンは、びっくりするようなことを言ったけれど、一言だって「好きじゃない」とは言わなかった。
つまり、恋に落ちるのではなく愛を育て合って。一目で惹かれたのではなく運命で丸ごと惹かれ合っている、と。壮大なカノンの告白劇に、匠はようやく全てが繋がったという顔をした。
「まさか、待ち合わせの時に言ってた嘘って……」
「そう。一目惚れとか、運命かも? みたいに気持ちを軽く見せるの、やめたくってさ」
そう言うと、カノンは小さく肩を竦める。情熱的なくせに、こういう時だけ少し照れくさいようだ。
「……でも、言えたらすっきりした。さ、そろそろ腹ごしらえしよっか」
ぽかんとしたままの茉奈の手を取り、少し強引に連れ歩く。その深刻さをほどくような調子に、桜たちも思わず肩の力を抜いた。
「面白い物、見つけたらテーブルに集合ね! チーム戦だよ!」
すぐにいつもの調子を取り戻した茉奈が笑うから、2人も心配はほどほどにしてグルメコーナーに向かうことにした。
道案内に、メニューの紹介。至る所に潜む嘘を掻い潜り、安心安全な料理を手にするかと思ったら。
果敢にも赤文字メニューに挑戦した女性陣は、なんとも言えない面持ちで味の感想を探している。
「桜のは板チョコ? カカオが100%だったとか」
「ううん、それよりは食べやすい……かも? もっと普通に食べ物の味だし、そんなに見た目も裏切ってない」
おそらく、多分、そんな気がする。
実に曖昧な返答になってしまうのは、どこかでベタな物に引っかかったなと思っているからだろうか。
このまま食べるより、きっと持ち帰って調理した方が美味しくなるのだろうが――このまま1人で味わうのもつまらないので、少し割って匠にも差し出した。
「煮ても良し、炒めても良し、このまま食べても……きっと良し?」
「おい、最後」
笑って誤魔化すと、匠は割れ口だけ少し確認して勢いよくかぶりつく。
あれだけ怪しさを伝えたのに。どんどん渋い顔になっていく匠に、水でも買ってこようかと声をかけると、首は静かに横へ。
「……米がほしい」
ほのかにチャイのような香りがするフレーバーチョコかと思いきや、その正体は甘口のカレールウ。唐辛子の辛みこそないけれど、多種多様のスパイスが入り乱れ、蜂蜜やトマト、リンゴやにんじんとエキスのぎゅっと詰まったこれは、メインにも隠し味にもなりえる1品だった。
「桜が騙されるくらいだから、あたしに審美眼が無かったわけじゃないよね」
どこかホッとした顔の茉奈は、妙にツヤッとした焼きトウモロコシをもう1口。やっぱり不思議な食感で、よく見れば不自然にも揃った粒の色に、正体が寒天だと気付いてしまった。
「無理しないで、俺も食べるの手伝うから」
「こんなに変なの、カノンに食べさせられないよ~!」
盛り上がる2人に苦笑して、桜は匠に視線を寄越す。
さっきグルメコーナーで人とすれ違った際に落としてしまって、見ることになった匠からのメッセージ。
――桜の隣じゃないほうが落ち着く。
真っ向から受け取れば、気を許せないかのような内容。でも、桜の直感は違うと告げていた。
「ね、離れたほうがいい?」
「は?」
トントンと自分の背中を叩いて微笑むと、匠はわかりやすいくらい真っ赤になって口ごもった。
ここまでからかいやすいと、笑顔の追撃はやめられない。
「それとも、ドキドキしてるってこと?」
しかし匠も黙ってやられっぱなしになることはなく、桜の耳元へ盛大な反撃。
だけど――。
「桜っ、聞いて! さっきのメッセージ、カノンにちゃんと伝わったよ~♪」
ルンルンで報告してくれる茉奈の声でかき消えたような、聞こえたけれど嘘のような言葉だったような。
囃し立てるように加速する心臓を宥める2人を見た茉奈はと言えば、なぜか『負けてられない!』と意気込んで、カノンとの仲をどう見せつけようかと考え始めていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年07月22日
参加申し込みの期限
2025年07月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年07月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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