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寝子島高校
Ap.真実の小箱は嘘の包装紙で包まれるー甘いリボンの結び方ー
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わかっているのだろうか――。
賑わうイベント会場の片隅で怒りに震える
三折部 朝衣
は、盛大な息を吐くとともに先ほどまで背中を泳いでいた魚のメモを握りつぶした。
エイプリルフールの嘘に引っかかった自分にも、落ち度はある。その場で慌てず確認をしていれば、こうして無駄足を踏まされることなどなかっただろう。
しかし、だ。
ちょっと冷静に考えてみてほしい。エイプリルフールは
一体いつなのか
、と。
(絶っ対に修羅場だってわかってるのに!)
今からでも町役場に駆けつけて、窓口業務の応援に行くべきなのではないか。1人の社会人として、朝衣の中にその考えが無かったわけじゃない。
勢いに任せてイベント会場に足を踏み入れたって、そこは春休みを満喫する学生や、子供連れの家族ばかり。ただでさえ少数派な社会人の中に、仕事スタイルの朝衣は……正直、場違い感に包まれていた。
これでは楽しめるものも楽しめない。しかし、
先ほどの町長とのやりとり
で、朝衣はとにかく不機嫌なわけで。心を落ち着かせて戻る選択肢が消え失せた今は、婚約者の
住沢 遥人
でも呼ぼうかと思っていたところだ。
(……さすがに、仕事だしね)
自分のように突然の休暇で慌てふためくなど、ありえない。朝衣はもう一度、それはそれは深い息を吐いて、おひとり様を満喫しようと賑わいの中へ足を向けた。
すると、この鬱憤を晴らすのに絶好のイベントが目に入る。
ルールは名前の通り至極単純で、『嘘トークを1分間チャレンジ』すればいいという気軽さも背を押した。
短いようで長い1分間。嘘ばかり吐いていられるだろうか――なんて、僅かにも思っていたようには見えない滑らかな嘘が、朝衣の口から飛び出していく。
「町民の皆様にはお世話になっております。寝子島町役場、町民局を代表して……重大事項をお伝え致します」
スタッフへ一礼する朝衣の顔は、真剣そのもの。身なりもあって、一瞬スタッフは何かイベントでトラブルがあり、役場がこっそりと苦言を申し入れに来たのではないかと構えた。
「今日、寝子島町役場は猫に占領され、町長も猫になりました」
しかし朝衣は真顔のまま、ありえない嘘を言う。スタッフはホッとすると同時にひと笑いすると、ノリノリでその話に食いついてきた。それがなんとなく嬉しくて、朝衣もつい設定を広げてしまう。
「現在は業務の引き継ぎをするべく、元職員がおやつと玩具で交渉中です。業務が滞り、申し訳ございません」
嘘ではあるが、この忙しい時期にエイプリルフールを楽しむ町長は猫のごとく脳天気過ぎるし、役場がてんやわんやしているのは、嘘じゃない。
しれっと「来所には分散協力を」と呼びかけるのも熱が籠もって、スタッフは大きく頷き聞き入っていた。
好感触。しかし、まだ10数秒残っている。朝衣は『町役場といえば』な話題を急いで探す。
「今夜行われる新体制の開庁式では、業務で使用する新しい肉球デザインのスタンプをお披露目予定です」
にっこりと仕事スマイルを浮かべて、「皆様のご来所をお待ちしています」と頭を下げれば、周囲から拍手喝采。
バカバカしいことを並べ立てたつもりだけれど、案外ウケたらしい。
(ま、ちょっと面白かったわよね?)
なんだかおかしくて、自分まで笑ってしまう。
少しだけ心が軽くなった気がして、朝衣は次は何を楽しもうかとグルメコーナーへと足を向けた。
青と赤とで区分けされた、正確な情報と真偽不明な情報。
その中に嘘のような姿を見かけて、思わず朝衣はブースに書かれた店名を凝視する。
「朝衣? ……もしかして、町長さんにやられた?」
「え、どうして――」
考えるまでもない、と遥人は笑ってスタッフ仲間に声をかけた。彼女の服装や性格を思えば答えは1つしかなく、それを思うと小さな愚痴でもなんでも聞いてやるのが婚約者の務め。
そうして店の商品をいくつか手に取ると、朝衣と共に屋台のテーブル席へと向かった。
「今日はイベント出店だったのね。大変じゃない?」
「まあね、お店とは客層も提供の仕方も違うし……でも、知ってもらえる良い機会だから」
と、前向きな気持ちはあれども、やっぱり『駆り出された』感は否めない。ううんと眉を寄せる彼を労る気持ちを込めて、朝衣は満面の笑みでお疲れさま、そしていただきますを口にする。
「でも良かった、遥人が居て。じゃなきゃランチも落ち着いて食べられなかったかも」
彼が用意してくれたサンドイッチは新鮮な野菜を中心に、水牛のフレッシュチーズやパストラミポークなども贅沢に挟んでいて、具材によってパンの種類も変えてある拘りっぷり。今日の昼食は食べられないことも覚悟していた朝衣にとって、朝の不機嫌なんてなかったことにできるくらいの美味しさに、心が綻び笑みが浮かぶ。
(……これって、もしかして町長が気を利かせてくれた?)
年度末から今日にかけての戦場のような日々。労ってくれた可能性もゼロではない。
しかし、勢いに任せて電源を切ったスマートフォンへ、お詫びと泣き言が殺到している可能性もまた、同じようにゼロではないので、朝衣はどうしようかなと考えながらサンドイッチをもう一口。
並んで座り、軽口を交わしながらランチをとっているだけなのに、胸のうちがじんわりする。
けれど、彼が仕事で来ている以上、こんな時間は長く続かない。
「そろそろ戻るけど……朝衣は、やりたいことをやっていいんだからね?」
このまま楽しんでも、放っておけないと役場に戻っても。
明確には言わなかったけれど、答えは決まっているのではと背を押す言葉だった。
「うん、遥人は……抜けらんないよね、午後も頑張って!」
その背に、ぺたり。
激励を飛ばすかのように叩くのは、些か不自然だったかもしれないが、遥人はそのままブースに戻ったので、朝衣は達成感から身体を伸ばした。
――今日は甘やかす日です。自分も、大切な人も。
それは1年に1度だけ巡ってくるイベントではないから嘘だけど。
時には、そうして休んでほしい気持ちが込められている。
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ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年07月22日
参加申し込みの期限
2025年07月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年07月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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