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Ap.真実の小箱は嘘の包装紙で包まれるー甘いリボンの結び方ー
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ただ、日付が変わっただけ。
それなのに世の中は、まるで世界が生まれ変わったかのように、大げさに祝っている。
寝子電スタジアムに立つ
朝鳥 さゆる
は、賑わう会場の中に自分がいることを自覚しながらも、どこか遠い目で見渡してしまうのを止められず。落ち着かない気持ちを持て余していた。
4月1日。エイプリルフール。
誰しもが浮かれて羽目を外すような、そんな新年度最初の日。
本当にここに居て良いのかと……今日を迎えられたことこそが嘘では無いのかと、ちょっとした疑心が掠めるのは、特別さゆるが卑屈な性格をしているからではない。
ここ数年、といっても人生の1/4以上にもなる長い間。
全てを諦め、自暴自棄になっていた彼女には、こうして『当たり前の新年度』を迎えられていることすら、夢みたいに思えてしまうのだ。
(もしこれが嘘で、明日には全部元に戻っていたら?)
起こるはずのない妄想。でも、起こりえるかもしれない不思議にまみれた島。
ふと頭をよぎってしまった懸念は消えず、さゆるは隣でイベントの様子を眺める
姫木 じゅん
の横顔を見る。
(……大丈夫)
確かに今まで歩んできた数年はめちゃくちゃだった。
この先だって、進路として見えているものと、見えていないものだってある。
(それでも『今は』ちゃんと、ここにいる)
こんな幸せが本当に自分のものなのか……時々まだ、わからなくなるけれど。
それでも、過去や未来の自分が信じられなくなっても、今見て、感じているものは、全部嘘じゃないから。
言い聞かせるように、さゆるは深呼吸をする。スタジアムの中なのに、何故か春の気配を感じた。
魚型のメモとペン。
見知らぬ人へのメッセージでも、ちょっとした嘘でも書いて良いと言われ、さゆるは少し考える。
その間にもじゅんは思いつくままに書き進めており、よくもまあそんなに書けるなと感心しながら、そっとペンを滑らせた。
――もしかしたら、あなたと一緒にいることが嘘なのかもしれない。
今日がエイプリルフールだから思うことではなく、これまでも思ったこと。
外見同様の大人びた綺麗な文字は一切不安を滲ませず、どころか意味深な笑みの似合う駆け引き上手な人物さえ思い浮かぶ。
でもさゆるにそんな高等技術は……少なくとも、じゅん相手には存在しない。そういうのは職業柄でも年上という経験値でもじゅんに軍配が上がるだろうし、それを抜きにしてもじゅんを相手に嘘は吐きたくなかった。
(じゅんと一緒にいるのはあたしの意思だし、傍に居てくれるのを嘘だと思っているわけじゃないけど)
だけど考える。『もしかしたら』これは夢で、本当の自分はまだ夜を怯えているのではないか、とか。
そして夢を見る。『かもしれない』と言うことで、心の内に渦巻く不安を嘘に出来る希望があるのでは、と。
「よっし、これだけ書ければ上等でしょ! さゆるは? なんか、すっごい考え込んでなかった?」
思わず後ろ手にメモを隠すけれど、珍しくじゅんは深追いしなかった。
自分が貼られるわけがないと思っているのか、貼られるからこそ楽しいと思っているのかは、わからない。
「ううん……書くことより、どうやって貼ろうかと考えてただけよ」
それも、嘘じゃない。
どうやってこの想いを伝えようか、伝えていいのか迷ってる、といったところだ。
「ふぅん? ま、こういうのは楽しんだもの勝ちっていうか、やったもん勝ちというか」
どっちも同じじゃないかというツッコミは心に秘めて、2人で広場を歩いて回る。
もだもだまどろっこしい人にぺたり、人の良さそうな子連れの夫婦にぺたり。
遠慮も躊躇いもなく、じゅんはぺたぺたと貼っていくものだから、さゆるはどのタイミングで貼ってしまおうかと思案して――彼女が案内板を見入っている隙に、ぺたり。
「そこにも嘘、あるんでしょう?」
気をつけてねと呼びかけた素振りで貼ったメモは、わざとらしくなかっただろうか。
慌てて手を引っ込め、何事もなかったように案内板を見上げた。確か青文字と赤文字の説明はあったけれど、それ以外の文字色には気をつけなくて大丈夫なのだろうか。
(疑ってばかりじゃ、何も出来るわけないのに)
今を、自分を信じられない。そうやって立ち止まっているから、長い夜から抜け出せなかったのではないか。
わかってる、だからこそ――勇気を出せば、変えたいと思ったら、一歩踏み出してみればいいだけなのに。ゆらりゆらりと所在なく漂っている感覚はなかなか消えず、もがいてもどこへ向かっているかわからない。
「つーかまーえたっ!」
でも、誰かが手を引いてくれたら。
ここに足を下ろすんだよ、こっちが楽しそうだよって、声をかけてくれたら。
「ずっと大事にメモ持ってんだもん。なになに? 愛の告白でも書いてんの?」
「……エイプリルフールよ?」
背を覗き込もうともしないで、じゅんは嬉しそうに笑っていた。
手を繋いで、次はあっちと歩き出すのはちょっと強引で……ふざけたような調子なのに、冗談じゃないような響きで。
「あたしの恋人には、嘘もお休みもないの!」
胸の奥で漂っていたものが、すとんと落ち着く。それが何を意味するかは、言葉にするのは難しい。
けど、わかることがひとつだけ。どこか所在なく揺れていた気持ちは――もう、逃げられないんだ、と。
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ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年07月22日
参加申し込みの期限
2025年07月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年07月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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