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Ap.真実の小箱は嘘の包装紙で包まれるー甘いリボンの結び方ー
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右を見て、左を見て。
なんだったら頭上まで確認した
五十嵐 尚輝
は、意を決したように
御巫 時子
を振り返った。
しかし、その一連の動作を見ていた時子は「忘れ物でもしたのかな?」とのんびり構え、大事な物なら尚輝の部屋まで取りに戻ろうか、なんてスタジアムの前で優しく微笑み彼の一言を待っている。
「……好きです!」
「…………えっ?」
突然の告白。いや、既に想いは確認し合った仲で、今日だってデートとして来ているのだけれど――それにしたって、会場での盛り上がりや帰り道の寄り添いあいたい雰囲気をすっ飛ばした尚輝は、照れはしているものの真剣だ。
思わず瞬き返す時子に、彼は耳まで赤くして頭をかきながら説明する。
「い、いや……エイプリルフールのイベントですから、ここに入ったら嘘しか言っちゃいけないかと思って……それで」
本当のことを言うなら、今しかない。
なんとも可愛らしい発想にくすりと笑って、時子は尚輝の長い前髪に隠れた瞳をそっと見つめた。
「ふふっ、それは大変ですね。じゃあ、私も……尚輝さんが好きです」
まだデートも始まっていないのに、頬が緩んでしまう。
つい昨日までは、書類上『生徒と先生』だった。なのにもう、彼は不器用ながらに恋人らしいことへ挑戦してくれている。
彼は黙ったまま、けれど口元は嬉しそうに緩んでいて。
(やっぱり尚輝さんは、嘘がつけない人ですね)
素直な彼の、大慌ての告白から始まった今日は、どんな1日になるだろう。時子は胸を弾ませながらイベント会場へと足を踏み入れた。
魚のメモを貰い、2人はしばらく用紙と睨めっこ。
何を書こうか考えるだけで時間が過ぎてしまいそうだったため、グルメコーナーで数点気になる物を買って、テーブルスペースへやって来た。
絶対に信用できる水も用意して、軽く摘まみながらメモの使い方を思案する……ことが、できれば良かったのだけれど。
今、尚輝は青文字のミニ春巻きで撃沈していた。
「もっと、こう……野菜が入っていても、こう……っ!」
少しでも野菜を食べられることを、時子に見せようと思ったのが間違いだった。中華独特の濃い味付けが野菜の味など打ち消してくれると信じていたのに、素材の味を活かしましたとばかりに野菜の味しかしない。
「小さな文字で、『ヴィーガン対応』と書いてましたね」
野菜嫌いでない時子にとっては美味しく食べられても、野菜が苦手な尚輝には食感も風味も独特すぎる。これはまだ、改善の余地があるなと今後の調理の工夫について考えていると、彼は口直しを求めてか唐揚げを食べ始めた。
ほっこりとしている彼には言えないが、それは確かに赤文字で売られていた唐揚げで――おからこんにゃくが使われているということは、黙っていた方が良さそうだ。
さて。魚のメモには本音を書いてしまうか、嘘にするか……でも、誰に貼るかは時子の中で決まっている。
「お互いに、何か書き合いませんか?」
「え、それだと……貼った内容がわかってしまう、ということですよね」
確かにイベントの趣旨として、『今からあなたへ嘘をつく!』なんて宣言して楽しむものではないだろう。正直に話してしまうあたり、時子も尚輝に負けず劣らず嘘は苦手なようだ。
しかし、それは背中に貼られるのが1枚だけだった場合。
「私のメモが埋もれてしまえば、わからないかもしれませんよ?」
「なるほど。つまり、時子さんの背中も誰かがメモを貼れば、僕とは知られない……けど」
のんびり屋の尚輝にとって、四六時中しゃんとしているのは難しく、自身の背中はメモまみれになるだろう。
しかし、さすがに時子の背中が誰かに狙われるとあっては、黙っては居られなかったらしい。
手元にあった三色ボールペンの赤インクで『猛犬注意』と書くと、どこか達成感のある顔で時子の肩口に貼り付けた。
「正面の護衛は、この魚に任せましょう。僕は、時子さんの背後をお守りします」
素直にお任せしますと言っても良かったのだけれど、それでは尚輝の背中にメモを貼るのが難しくなる。だから時子はメモを書き上げると、「やっぱり」と勇気を出して彼のシャツの裾を掴んだ。
「私から尚輝さんが見えないのは……少し、寂しいですね」
本当。だけど、ちょっぴりの嘘。
背後を歩かれるより隣を歩いてほしいし、一定の安全を保たれるより寄り添いたい。
(……でも、こうしてくっつくのは緊張するので、ここまでの距離でなくても良いのですが)
そっと背中に手を回し、メモを貼る。その仕草は手を繋ぐより、腕を組むよりも密着するから、鼓動が筒抜けになってしまいそうだけど……すぐに離れたらおかしく思われるだろうか?
チラリと彼の様子を窺えば、顔を真っ赤にして何やらブツブツと考え込んでいる。
「これは時子さんの本音、に見せかけた嘘、の可能性を漂わせた本心、と勘違いさせるための嘘、ではなく」
どうやら寂しいと抱きついたことで、混乱させてしまったようだ。
これでは、背中のことなど気付いていないかもしれない。
「嘘ですよ?」
気付いてと言うように軽く背中を叩いて、腕をほどく。
背中に貼ったメッセージも、ここまで近づかなくてもいいなんてのも、それから『少し』というのも、全部が小さな嘘。
「本当にするには、足りないです」
だからこれは嘘だけど、端々に潜んだ想いは本物なのだ。くすくす笑う時子に降参とばかりに尚輝はヒントを求めるけれど、それは背中のメッセージに気付いてから。
――恋に気付いたのは1年前からです。
本当はもっと前から。ずっと、ずっと追いかけてた。
まだ秘密にしている片思いの始まりの日は、いつか気付いて貰えるだろうか。
ぐるぐると考え込んでしまった尚輝に安全な水を差し入れると、彼から再びぺたり。すぐに見てしまうのは忍びないので、時子は背中を気にしつつもその答えを探ってみる。
「尚輝さんは、嘘ですか? 本当ですか?」
「本当、だと思いますよ。……そのときによって変わりますけどね」
――化学の実験と恋愛は同じ。
理論上は同じ結果にたどり着く反応でも、手順や条件、手際によって途中の反応は変わる。それは、どんな出会い方をしても、時子とはこうして自然と一緒にいるような気がしたから……とまでは、言えないけれど。
「さて、他の催しも行ってみましょうか」
帰る頃には背中一杯になっているかもしれないメモの中から、お互いの物を見つけられたなら。
そのときは本当のことを伝えるのも、きっと悪くない。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年07月22日
参加申し込みの期限
2025年07月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年07月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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