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君と旅して。ふたりの夏は、最果ての星空にかさなる
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穏やかな波の音が聞こえる。
ゆっくりと目を覚ました
七夜 あおい
は、カーテンの隙間から零れる優しい明かりに小さく息を吐いた。
(朝……)
叩きつけるような雨はやみ、オーシャンビューの窓からは朝の綺麗な浜辺が見えるだろう。
なのにどうしてか、窓辺に向かう動作が重い。
(どうして、あんな可愛くないことしか言えないのかな)
まだ雨が降り続いていた、昨日の夜を振り返る。
楽しんでいた星の海は心半ばでお開きとなり、
八神 修
が残念そうな顔で笑っていた。
代わりに提案された朝の散歩だって、嬉しくなかったわけじゃない。でも……修が楽しみにしていたことと比べたら、素直に受け取ることができなかった。
どこか『足りない』気がして。『もっと』と欲張って。
――気付けば修に、宿を手伝う時間が欲しいとお願いしていた。
湿度も増して、宿の灯りがぼんやりと滲むように廊下を照らしている。
それでも修の決意は揺れることなく、即座にあおいへ伝えられた。
「いい経験になるよ」
これは、遠慮や気遣いを含まない本心。
もちろんあおいのお願いとあったなら、使える財と名を駆使してでも叶えたいとは思う。でもそれは、彼女の喜ぶかたちではないし、修だって『自分以外の力』で得られるものと、取りこぼすものがあることくらい知っている。
なんでも肯定的に叶えるのが良いわけではない。わかっているからこそ、修に迷いが無いのだ。
「……本当に、いいの?」
小さく問いかけるような視線。
甘えることが苦手なあおいらしいそれに、修は満面の笑みで頷いた。
「もしかしたら、現地の生活が垣間見えるかもしれないんだよ? そんな経験、めったにできないし」
何なら手伝えるかなと思案し、協力のご挨拶はこれからでも大丈夫かなと時間を確認して。すでにやる気満々な修の気持ちは、疑いようもなく真っ直ぐなことがあおいにも伝わってくる。
だけど――いや、だから。修が全面的に同意してくれたことが、少しだけ申し訳なかった。
「ありがとう」
どこか憂いを残した呟きが雨音に溶け、チカチカと明かりが揺れる。まるで、こうなる予感がしていたあおいの心のようだとは、修も思いはしないだろう。
「おや、作戦会議かい?」
廊下の奥から顔を出したスタッフに、修が丁寧に挨拶をする。
オーナー夫婦への挨拶がしたいと申し出れば、「今は犬も食わないよ」とケラケラ笑うので、朝に改めますと苦笑して、今からできることでもと話を進めていた。
「まあ、この雨だ。止んだ朝が本番だから、今夜はほどほどにね」
無理をしてオーナーの二の舞じゃ笑えないからねぇと付け足して、スタッフは戸口の戸締まりへ向かう。
だから2人は、朝に備えてもう休もうかと部屋へ戻り、お休みと笑って別れようとしたのだけれど。
笑顔の代わりに、あおいは置き土産のような言葉をひとつ。
――修君のやりたいこと、ちゃんと考えてね。
それは、気遣いのつもりだった。
恋も、旅程も、全ての歩調を合わせてくれようとする修に対する、精一杯の気持ちだったのだ。
だった、けど……カーテンの端を掴むあおいは、今になって後悔している。
(ありがとうって、素直に喜んで甘えられていたら)
突然宿を手伝いたいなんて、わがままだってわかっているからこそ、感謝すればよかったのに。
どう思っただろうかと不安になり、こんなことで本当に喜ばせることなんてできるだろうかと緊張する。
それでもあおいは、彼の様子を窺えない代わりに、そっとカーテンを捲った。
薄桃色の空に惹かれるよう窓も開ける。雨が過ぎたあとの澄んだ匂いが心を落ち着けるように漂っていて、ひとつ吐いた息は寝起きのそれよりも幾分か軽く感じた。
朝陽に煌めく海面と遠く高い鳥の声。
ヤシの葉の合間を抜けてきたのだろう海風は、涼しさとぬるさの間を行ったり来たりで、決して爽やかとは言いきれない。……でも、確かに昨日とは違うと告げていて、深呼吸をするには十分だ。
物思いに耽っていたって、時間は過ぎてしまう。もとより、うじうじ考えるなんてらしくないと拳を握った。
「……よしっ」
背筋を伸ばし、朝支度を始める。その顔は晴れやかで、何かを決意したようにも見えた。
宿の玄関先。
いつもの作業と、泥まみれの片付けとを分担する話し合いの中に、修の姿があった。
自分の得意不得意を説明しつつ、大切な経験としてお役に立てればと語る姿は誇らしく、その反面あおいの対抗意識も燃え上がらせる。
熱の入った自己紹介、率先して仕事に関わろうと前向きに話し合いへ参加する意欲。どれをとっても申し分なく、クッションを乗せた椅子に座って参加しているオーナーは、大げさに眉尻を下げて笑った。
「お手伝いで済ますなんて、あたらさー」
長く続けてくれる人と限定的なお手伝いでは、どうしても頼める仕事幅が変わってしまう。もったいないと零すオーナーは、それだけ2人を気に入ってくれたようで、それに見合う働きをしなければと身が引き締まる思いだ。
目安の時間と仕事の手順、スタッフ用の連絡先を簡単に記した紙を受け取り、2人は揃って頭を下げる。
「本日は、よろしくお願い致します」
「精一杯、頑張りますっ!」
少し旅程と違ってしまったけれど、今日という日だって特別になる。
得難い経験が、いつもと違う景色が――きっと、心を重ねる後押しをしてくれると信じて。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年07月08日
参加申し込みの期限
2025年07月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年07月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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