流したてのコンクリの上を猫が通らぬ様に見張るだけのお仕事です｜リアクション

流したてのコンクリの上を猫が通らぬ様に見張るだけのお仕事です

　焼け付くアスファルトを、とぼとぼと踏みしめながら、帰路につく新井米太郎。
　そんな彼の耳に、ついに待っていたあの声が飛び込んできた。
「こー君！　どうしたの？」
　はっと顔を上げれば、大きなクーラーバッグに、たっぷりのランチと麦茶を抱えた、霧切翠子の姿がそこにあった。
「霧切先輩……！？」
　米太郎は、思わず手荷物を地面に取り落とす。
「先輩、ひょっとして……一日、間違えちゃったとか……？」
　やや憔悴した様子の米太郎に、翠子は全てを悟って青褪める。

「ごごご、ごめんなさぁい――！！！」

　泣き出しそうな翠子に、米太郎は一つ息を落とし、そして笑って言った。
「霧切先輩、待ってたよ！」
「う、うん、ごめんねっ！　こー君、本当にごめんなさい！　皆にも謝らなきゃ」
　米太郎は首を振る。
「ううん、良かった」

　無事で居てくれて。

「へへ……せっかくだから、どっか眺めのいい所で一緒に食べよっ！」
　翠子の手から荷物をひったくると、米太郎は駆け出した。
「もう、安心したら、いきなりお腹すいちゃったよ！　先輩、後の事は、後で考えよう」

　そこかしこで、蝉が鳴いている。
　今日も暑くなりそうだ。

　　　終

このページにイラストを設定する

あとがき

担当マスター：メシータ
ファンレターはマスターページから！

　メシータです。磐石かと思いきや、まさかのトラブル発生で安定のカオスとなりました。
　けれどもそこはローテーションや、様々な対策のお陰で、うまくカバー出来た感じです。
　プラベニ半額がなかったら、２，３人、熱中症患者を出してしまったかもしれませんが（笑）。

　ローテーションはアクションに齟齬があったため、刀さんが代表して書いて下さっていたものをベースに、名乗りを上げていなかった方を割り振り、自己申告部分を加味して修正しました。
　米太郎さんのは、あれです。不幸な事故……。

　今回、キャラクターのセリフをアクションに書いておられる方が少なかったのですが、その割りに会話のシーンが多かったため、かなりの部分をアドリブで回しております。
　キャラクターらしさが出ていれば、幸いです。

　それでは、皆さんお疲れ様でした。
　当シナリオへのご参加、ありがとうございました。

↑ページトップに戻る