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【われ思うがゆえに】
いわゆる知能化の波動は世界を一変させた。後に天災とも認定された『インテリジェント・エアー』があまたの無機物に生命と知性を授けたことは巨大な変革の引き金となり、人類は我らが母星の支配権を移譲するにいたったのだ……マシーンたちへと。
今日も空には銀と虹の雲が流れる。ナノマシンを避けて旅するノマドとなった人々は、今日も風まかせに緑の野をゆく。都会にはびこる知能化家電の類などは得てして凶暴だから、自然と人々の足は豊かな山野へ向いた。
とはいってもまあ、知能化の波はもはや留まることを知らず、人類にとって避けがたく難儀な人生の壁にほかならないのだが。
かつん、と杖を突く。
「いい風が吹いてる。気持ちがいいなあ。ねえ、あっちへ行こうよ! 湖の水面がきらきらしてて、とってもキレイだよ!」
「お前はいつもそれだな、ハット。衝動的で思慮が足りない。俺はこの道を推すぜ、かたく締まった土はツクヨミの繊細な足を軽やかに弾ませ、森の緑は目にもやさしい」
「なんだよサックは、ぼくの反対ばかり! ツクヨミはゲージュツカなんだよ、むつかしいリロンとかリクツより、直感とインスピレーションが大事なんだよ!」
「そうやって何度失敗してきたんだ? 緻密な思考、綿密なプランこそが旅に安定をもたらす。行き当たりばったりに進んで、あのつまらんマシーンどもと鉢合わせたらどうするんだ?」
「ヨソーガイがあるから楽しいんじゃないか。なにもない平らな道を歩いてなにが面白いのさ!」
「やれやれ、赤子の相手も疲れるものだ」
「むきーーーっ! ばかにしてー!」
いつものやりとりだ。
旅鴉 月詠
は苦笑いしつつ、どうどう、と旅の連れ合いたちをなだめた。
「計画を立てるのは大切だ。私の辞書においては後ろのほうに追いやられがちな単語だが、だからこそサックの憂慮が身を救うことも多い。助かっているよ」
「それこそが俺の役割だからな。ツクヨミは思うがままに進めばいい」
「それでいて、地図にない絶景を目にすることは望外の喜びだ。予期せぬ出会いは不意に見つけた宝物だ。青天の霹靂が私の感情を揺さぶり新たな扉を開く、それこそが芸術というものだ」
「ほーらみろ、ほーらみろ!」
「つまり、真に大切なことはバランス感覚だ。言ってみれば、なめこの山だけでもツチノコの里だけでも味気ない」
「その例えはよく分かんないよ、ツクヨミ……」
「流しておけよハット、もはや手の届かない過去がどうしようもなく恋しいのさ、ツクヨミは」
頭の上のハットも、背中のサックも、愉快で頼れる最高の旅の友だ。月詠は知能化も悪くないと思っている。彼らの指し示す道は時に安泰で、時に月詠の虚をついて斬新だ。どちらも予測のつかない感情をもたらしてくれるから、旅に飽く暇もなかった。
「ところで、今日の夜はどうするんだ。また野営か? できればツクヨミには、ベッドの上でゆっくりと休んでもらいたいものだがな」
「それなら、あの家に行ってみるのはどう? 雨風くらいはしのげるんじゃない?」
ゆるやかな斜面の向こう、たしかにぽつんと建つ一見の邸宅が見えた。風に流れるナノマシンを望んで浴びたいという者もいないから、今時ひとつところに定住する者もなく、主はきっといないだろう。ありがたく一夜の宿とさせてもらうことにしよう。
月詠はもちろん旅を楽しんでいるが、それでもたまにはああした屋根の下、身にも心にもこびりついたほこりを落としてゆっくりするのも悪くはない。
邸宅にやはり主の姿はなく、遠慮なく上がらせてもらうことにする。豪奢な内装を横目に廊下を渡り、客間らしき一室に荷物を置く。
「なにか……妙だと思わないか。ツクヨミ」
落ちつこうとしたところで、不意にサックが声を落とした。月詠はうなずく。
「さすがサック、鋭いな。ハット、ステッキを起こしておいてくれ。どうやらゆっくりくつろぎタイムとはいかないようだよ」
「ええー、おじいちゃん一度寝ちゃうと、なかなか起きないんだよなあ……おーい、ステッキじいちゃん? 起きてよ~」
ハットが立てかけた杖に声をかけている間、月詠はサックとともに部屋をあらためる。
やはり妙だ。長らく放置されていたはずの邸宅、その内部にはほこりこそいくらかかぶっているが、やけに状態がよい。綺麗すぎるのだ。
「……! 揺れている?」
「ちっ、逃げろツクヨミ! こいつ、知能化してる! インテリジェント・ハウスだ!」
どうやら一行は怪獣の腹の中へ迷い込んでしまったらしい。
ごごごん、と剣呑な音が響き、震動とともに部屋が変形し始める。
「ハット、ジジイは起きたか!? 逃げるぞ!」
家具や調度品が動き出し、月詠へ襲いかかる。細く伸びた脚からからくも身をかわし、ハットを頭にかぶって杖をひっつかむ。ドアを開いて脱出を試みるも、ドアは牙をむいて抵抗した。
「じじじじいちゃん、早く起きてよー!?」
「ふわあ……なんじゃいハット坊、騒がしいのお。年寄りはいたわらんかい」
「ステッキ、力を貸してくれ。突破する!」
言うが早いか、一閃。仕込み杖は鋭くひるがえり、ドアを十文字に切り裂きぶちぬいた。
飛んできた花瓶は目深にかぶったハットで避け、銀のフォークやナイフは背中のサックがやわらかい身体でしのぐ。行く手をはばむ知能化家具たちはステッキの刃で一刀両断だ。
「さっすがじいちゃん、やるう~!」
「ふぉっふぉっふぉ、若いモンにゃまだまだ負けんぞい」
「右だツクヨミ、窓を突き破れ!」
派手にガラスを砕きながらに外へ飛び出した月詠は、そのまま足を止めずに土の上を駆け抜ける。背後では知能化邸宅が地響きとともに立ち上がり、さらなる追撃をかけんとしていた。
「やれやれ、気の短い家だ。どうやら今夜も野営になりそうだな」
「テントの姐さんには世話になりっぱなしだぜ。感謝しねえとな」
「ぼく、キャンプも好きだよ! みんなで寝るの、楽しいよねー!」
鈍重な邸宅は追走をあきらめたか、大地に不穏な振動を鳴らすのをやめ、足を引っ込めた。ああしてまた、次なる獲物がやってくるまで気長に待つつもりなのだろう。やがて風雨にさらされるまま、朽ちゆくまで。
「さて。今度はどちらへ行こうかな」
あっちがいい、あっちが気持ち良さそうだ、いいや向こうが盤石だと騒がしい仲間たちに、月詠は満足の笑みを浮かべた。旅とはいつだって、こうでなくてはね。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年06月13日
参加申し込みの期限
2025年06月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年06月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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