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フラグメントはランダムに・SUN
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【彼女の青い海】
「いっくよ~、英二くん! 深海に向かってばっひゅ~~~ん♪」
「のっ野々さん、いきなりそんな全速力で、うわ~~~!!」
ずごごごごごご。
野々 ののこ
がぱちぱちと慣れた様子で計器を押し上げ、操縦桿を押しこむと、潜水艇『げんかい6600』は重々しい振動とともにエンジンを始動し、深くへ向けて潜航してゆく。
佐藤 英二
は彼女の肩に手をかけながら、しかし本当に止めるつもりは毛頭なかった。もはや一蓮托生だと理解していたからだ。彼女の押しとおすいかなる無茶もともにし、そのリスクを等しくかぶると決意したからだ。
「ば、バラストタンク注水! 一気に目標ポイントまで降下……!」
「あっ、ホオジロザメさんこんちは! クジラさんたち、ちょっととおりますよ~。おっとと、イカさん、絡みつかないでね~」
潜水艇の操縦ももはや慣れたもの。1000メートル、2000メートルと順調に降下を続ける。窓の外は淡いブルーから濃紺へ、光とどかぬ漆黒へ変化してゆく。以前は海底の深淵がたまらなく恐ろしかった英二も、幾度かののこと潜航をともにするうち、徐々に肝が据わってきたようだ。
「ウェイト切り離し、スラスタ起動っと……はあ。まさか野々さんと、こんなところに来ることになるだなんて。学生時代は思いもしなかったなあ」
「あっはっは、ウンメーテキな再会だったよね!」
思い出が英二の胸中をめぐり出す。どれもこれもが寝子島で起こる不思議にいろどられて……あの頃はまったく、退屈する暇さえなかった。本当に楽しくて賑やかで、幸福だった。
高校卒業後、ののこは思い付きで海洋冒険家への道を歩み始めた。英二は唐突にすぎるそんな決断に、跳びはねるほど驚いたものだ。潜水艇を駆り、深海に刻まれた地球の秘密を自らの手で解き明かすのだと鼻息荒く語る彼女をいつまでも、心から応援するつもりだった。彼女の夢がかなうことが、英二にとっての幸せでもあったから。
しかしののこはやがて海外へ旅立ち、徐々に疎遠となり、いつしか連絡が取れなくなってしまった。
「野々さんは冒険家、僕はしがないサラリーマン。どうすることもできなくて……ずいぶんやきもきしたけれどね。まさか、お尋ねものになって帰ってくるだなんて」
にしし、とののこは悪びれず笑った。あけっぴろげで、寝子高の制服を着ていた頃とちっとも変わらない。
しかし……いまや彼女は、犯罪者なのである。研究機関から潜水艇を盗み出し、彼らとインターポールに追われる身だ。もっとも今では英二とてその共犯であることに変わりはないわけだが。
「英二くん、投光器をつけて、最低照度で」
「了解。そろそろ採掘ポイントが見えてくるね。エンジン出力を抑えるよ」
「おっけー、微速前進で近づくよ。ねえ、英二くん」
「うん? なんだい、野々さん」
前方の窓に広がる暗い海を見すえながらに、ののこは、に、と口角を緩めた。
「私を信じてくれて、ありがとね!」
そう言ってぐんと操縦桿を倒すと、補助タンクから排水し、推進器がうなりを上げ、『げんかい6600』は加速する。ここまで来たらもう、相手もこちらの存在に気付いていることだろう。向こうの潜水艇のソナー感度はこちらよりもはるかに上なのだ。
「……見つけた!」
光もとどかぬはずの海底にまばゆく輝く、不穏な黄緑色を宿す結晶が突き立っている。英二はうめいた。
「なんてことだ。『ラッカミウム』の、こんなに巨大な結晶が……!」
『来たか、ミス・ノノコ。愚かな女だ。見て見ぬ振りをしておけば良かったものを』
「そうはいかないよ、教授!」
通信機に聞こえたしわがれた声を、英二はこの時はじめて耳にした。途端、怒りがふつふつと湧いてきた。前方にちらと存在を確認できる、黒い潜水艇……そこに乗り込み、ドリルで結晶を今まさに採掘している男こそが、ののこを陥れ犯罪者の汚名を着せた張本人なのだ。
ののこは叫ぶ。学生時代にはちらとも見せたことのなかった、使命感と正義に満ち満ちた、凛々しく勇敢な顔をして。
「『ラッカミウム』はみんなの希望なんだよ! ひとりじめしてお金もうけに使おうなんて、許せないよー!」
『ふっ。子どもだな。某国の軍部が提示した報酬を、君も見たはずだ。大人しく私に協力していればよかったのだ……もう遅いがな!』
しゅどん! と黒い潜水艇から放たれた魚雷が尾を引いて飛来する。すかさず英二はデコイを射出し、ののこがめいっぱいに舵を切る。デコイの発するスクリュー音に食い付いた魚雷を振り切ると、ののこは英二へうなずいてみせた。
「深海は、僕たちのものじゃない。彼らのものなんだよ」
ののこの合図に英二が虎の子のスイッチを押しこむと、特徴的な音が深淵へと響いた。凛と甲高く、美しく澄んだ鈴の音だった。
『な、なんだ? 貴様ら、なにをした……』
『教授!! ソナーに感あり! こ、これは……巨大な海洋生物が、群れをなして! とんでもない数です!!』
『ヤツらめ、こしゃくな真似を……! 撤退だ! ここは放棄せざるを得ん、撤退する!』
覚えておけ! といかにもな捨てゼリフを残して、黒い潜水艇は浮上していった。
もちろん英二たちだって、留まればただでは済まない。メガロドンやら恐竜の生き残りやらに耐水殻を食い破られる前に、さっさと退散することにした。黄緑色の結晶が放つ明滅が徐々に遠ざかり、やがて消えてゆくのを英二は、なんとも言えない気持ちで見送った。
「私さあ。海でさあ。誰かがケンカしてたり、争いの場になったり……そーいうのがな~んか、ヤなんだよね~」
ぷかぷか揺れる。浮上した二人を出迎えてくれたのは、ぎらぎらと熱いくらいの太陽だった。丸みを帯びた船体にふたりで寝そべっているのは、ハンモックで揺られながらの昼寝を思い出す。
「海はみんなのものだって思うんだよね。みんなで泳いで、はしゃいで、ダイビングしたり、浅い海底を歩いたり、ナマコを踏んづけちゃってわー! ってなったり。海って、そういう場所であってほしいってゆーかさ~」
「うん。分かるよ。僕もそう思うな」
英二が同意すると、ののこは潜水艇の上をくるりと回って、英二の隣へぴたりと寝転び言った。
「にっしっし。やっぱり、英二くんを選んでよかった♪」
もはや後戻りはできない。教授を追い詰め、真相を暴露しなければ、ののこの身にかけられた容疑が晴れることはない。英二もまた例外ではない。
けれどきっと、進んでいける。かたわらのののこの、愛する女性の笑顔があればこそ。英二の胸にこの先へ続く道行きへの不安はなく、ただ希望だけが満ちていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年06月13日
参加申し込みの期限
2025年06月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年06月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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