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【渡り鳥】
ぷかぷか。ぽかぽか。ぼんやり。のんびり。
「ふわ……」
あらまあはしたない、と
御巫 時子
はあくびをごっくん飲みこみました。
うららかな春の午後。公園を健やかな陽気が満たし、おいしい昼食をいただいた直後ということもあって、ともすれば眠気が襲ってくる頃合いです。実際、
お隣の恋人はこんな感じでして。こっくりこっくり、船をこぐ
五十嵐 尚輝
へ肩を貸すのはもちろんやぶさかではありませんけれど、ね。
無防備な横顔を微笑ましく眺めて、時子は彼の眠りを邪魔するまいとなるべく身じろぎをおさえながら、あたりを見回します。それほど広くもない公園では7~8人くらいの子どもとその母親数人の姿があって、子どもたちがブランコをこいだりアスレチック遊具を上ったり下りたりしている間、お母さんたちは井戸端会議に忙しく、からからと軽やかな笑みがこぼれ、なんとも賑やかです。
子ども。子どもたち。元気いっぱいに跳ね回るのを見つめていると、時子の胸にはある思いが湧き上がりました。
(いつか……私も……)
彼と、自分と。子どもは何人かしら? ふたりくらいはほしいかも。平日は時子が優しくも時に厳しく子どもたちの面倒を見て、お休みの日にはパパといっしょにお出かけ。遊園地に連れて行ってもらったり、ドライブして美味しいものをいただいたり。こんなふうに公園での~んびり、もきっといいですね。きゃっきゃとはしゃぐ子どもたちを見つめる時子の隣には、いつまでも素敵で頼りになる旦那さまが寄りそい、微笑んでいます。ふとぱちり、目が合い見つめ合うふたり。いつしか唇と唇が惹かれ合い、けれどここは往来なのだしほんの少しだけ、ほんの一瞬、ついばむようなキスを……それを見ていた子どもたち、パパとママはらぶらぶね! とぱちぱち手をたたいて大はしゃぎ、夫婦は揃ってぽわんと顔を赤くするのでした。
な~んて!
(私ったら、気が早すぎますね……は、恥ずかしい)
「ううん……」
頭を振って妄想を振り払った時子の動きが伝わったのか、尚輝さんが寝ぼけ声を上げてゆっくりと目を開けました。
「……時子さん……」
「起こしてしまいましたか……? まだ時間はありますから。もう少し、眠っていても大丈夫ですよ」
「すみません。昨日も遅くまで実験していたものだから、眠くって。ふああ……」
そんな風に言って、彼はふたたびまぶたを落とします。くすり、時子は笑いました。学生時代、先生と生徒だった時分から変わらない彼を愛おしく思い、同時にもう少し、身体をいたわってほしいなとも思います。
すうすうと安らかな寝息を聞いていたら、いつのまにか子どもたちやお母さんたちの姿はなくて、公園にはなんとも間延びしたゆるやかな時間が流れておりました。
ふわふわ。ぬくぬく。まったり。きらきら。
「……あら……?」
と。その時でした。青々として深く澄んだ空へぽっかり浮かぶ、なんだか遠くの国のお城みたいに大きな雲の向こうに、きらきら、ちらりと瞬く光が見えたのは。
ぷろろろろ、とのんびりゆっくり飛んできたのは、まばゆい宝石のように鮮やかな赤色をした、飛行機でした。プロペラの回るタイプで、ずいぶん古そうです。
飛行機が上空を何度か旋回し、やがて公園へと降りてきたところで時子は、まあ、と思わず声を漏らしました。
「小さい……」
作り込まれた模型のような、手のひらサイズのかわいらしい飛行機です。飛行機は公園のさらさらとした砂利を滑走路代わりにしゅいんと着陸すると、ととととと、と軽やかなエンジン音がやがて途切れてプロペラが止まり、
「やあやあ、ここはいずこの国か。見も知らぬ姫君よ、道を尋ねてもよろしいかな?」
「はあ」
降り立ったのはこれまた手のひらサイズ。頭にゴーグル、ツナギを来て人間のような手足と背中に小さな翼を持つ、不思議な小鳥さんでした。
「……キビタキ?」
「おや、私をご存知かね? それはけっこう、いかにも私はキビタキ伯爵。旅のさなか、つむじ風にあおられてね。連れを見失ってしまった」
黒い羽毛に鮮やかなオレンジのライン。オスのキビタキのようです。4~6月ごろに繁殖のため日本へやってきて、秋には越冬のために東南アジアなどへ旅立ってゆく、この季節には広くみられる渡り鳥です。
キビタキ伯爵は時子の足もとへとてとてやってくると、懐から取り出したタバコに火を点け、ふうとひと息。
「私の臣下を見かけなかったかな。いやいや、私が迷子になったわけではないのだよ。彼らはまだ旅に不慣れな若鳥でね、先走るあまりこのように主を置いて飛び去る体たらく。私が見ていなければいささか心配なものでね。うむ」
「キビタキなら……北のほうの林の近くで、見かけました。今日も、日の出の頃……彼らの歌が聞こえましたし」
「おお、そうかね? ありがたい、ならばすぐにも合流できるだろう。まったく、若者の青い衝動には手を焼くが、それもまた輝かしい人生の華というものか。ところで姫君、尋ねるが、隣の男性は貴女の伴侶かな?」
尚輝さんは目の前の小鳥さんにも気づかないまま、すよすよすぴー。昨夜の夜ふかしがためかすっかり寝入っておりました。
時子がこくりとうなずくと、キビタキ伯爵は小さな身体をめいっぱいに張り、うやうやしく一礼をすると、
「貴女の助力に心より感謝する。おふたりの道行きに幸あらんことを、旅の果ての遠い空よりも願わん。しからば失礼」
ぱちり、ウィンク。ふたたび飛行機に乗り込み、すとととと、軽いエンジンの音をひびかせながら飛び去ってゆきました。
時子はぽかんと口を開けて、遠ざかってゆく赤い翼をしばし見送りました。
「……子さん。時子さん」
「あ……尚輝、さん?」
ぱち、ぱちり。ぱちくりと目をひらくと、のぞき込む彼の顔。
「そろそろ帰りましょう。風が冷えてきましたから」
「……キビタキは」
「え?」
寝ぼけまなこできょろきょろとあたりを見回しても、空の青さを泳ぐ飛行機の姿を探しても、あのまぶしく鮮烈な赤は見つかりません。
時子は何度か目をまたたいてから、言いました。
「伯爵が……」
「はい。え、伯爵?」
「言ってくれました。私たちに、幸あれと……帰りましょう。尚輝さん」
尚輝の腕にそっと手を絡めると、立ち上がり、歩き出します。
ぴゅうと冷たい風が時子の頬を撫でて、
「本当ですね、少し……肌寒い、です」
「ほら。これであたたかいでしょう?」
ぴたり寄り添い、頬をほんのりと紅色に染めて、ゆっくりと帰路を歩むふたり。
その頭上に長く尾を引く飛行機雲をふと見上げ、時子はほわほわ、ほわわん。わたあめみたいにやわらかな笑みを浮かべました。
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担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年06月13日
参加申し込みの期限
2025年06月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年06月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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