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潮騒に呼ばれて
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この時間は、いつだってドキドキする。
約束をした瞬間も、前日の服選びも、当日鏡の前に立つときだってそうだけど……やっぱり、待ち合わせ場所に着いたときの緊張感は、それらとは何かが違う。
待ち合わせ場所に思い人が居ないことを確認すると、
綾辻 綾花
はすぐさま時間を確認した。支度中も家を出る直前も、うっかり地域猫に視線を取られた道中だって、何度も時計を見てきたから大丈夫だと自信はある。
それでも、デートの待ち合わせには余裕を持って着いておきたい。相手が大人な
早川 珪
だから、ルーズと思われたくないのもあるけれど、好きな人には1分1秒だって早く会いたいのも本音だ。
だからといって、他の準備を手を抜くなんてことはもちろんありえない。
卒業から少し伸ばし始めた髪はさらさらに整えて来たし、手作りのお弁当だって用意した。レジャーシートもバッチリだし、忘れ物もないはず。
ふふ、と笑って鞄を持ち直し、綾花は珪が来るはずの道に向かって背筋を伸ばし、待ってみる。……けれど、こうも迎え撃つような視線を向けてしまっては困るだろうか。なら、少し視線をずらす? それとも、海岸へ行くのだから、何か生き物の話題でも出来るように調べてみる?
付き合い始めて半月ほど。どんな顔して待てばいいのかわからず、ついあれこれと考えながら試していると、近くで何かを堪えるような笑い声が聞こえた。
「……珪さんっ!」
「おはよう、綾花さん。何か、忙しかった?」
どこから見られていたのかはわからないが、少なくともクスクスと笑われてしまうようなうっかりした様子を見られてしまったのは事実のようで。綾花は顔を真っ赤にして「忘れてください!」と拳を振り上げるフリをする。
ちょっとした追いかけっこのようになりながら少し通りを歩き、珪はわざと捕まるように速度を落とす。
「あんなに可愛かったのに」
「そ、それも嬉しいですけど……私は綺麗になりたいです」
高校も卒業したとなれば、18歳はお酒こそ飲めないが大人の仲間入りだ。なのに色気が乏しいとあっては、彼を夢中にさせることが出来ないのではないかと、綾花は心配しているらしい。
しょぼんと垂れた耳が見えそうな綾花の手を握り、珪は海辺へ降りる階段を先導するように歩き始めた。
珪としても、ここで気の利いた言葉のひとつとは思うのだけど、自己の心身を可愛く綺麗にという感情は、繊細で難しい。こんな風に考えてしまうのは、何かしら、今の自分に満足しきれていないのだろうか。
「綾花さんの目指す綺麗がどんなものか、僕にはわからないけれど……楽しみにしていていいかな?」
そう思うのが、綾花自身のためであるとは思いながらも、どこかで珪は期待していた。
大学という目の届かない場所で、綾花が良くない虫に絡まれることを考えると心配にはなる。が、そんな彼女が見つめる先にいるのは……今のところ、珪だけだ。
これからも、そうであるように。余裕の無い心には蓋をして、珪は大きな心で微笑んだ。
そのまま手を繋いで海辺を楽しんだあと、2人はひと休みするためにシートを敷いた。
岩場や防波堤の方には幾人か姿が見えるが、この周辺には誰もいない。
(まるで、景色を二人締めしてるみたい)
満足そうに笑う綾花の手には、先ほど拾った潮の忘れ物がひとつ。
人が少ないからか、誰も目にとめなかったのか、ピンク色の二枚貝の片割れを拾うことができた。
「欠けてもいないようだし、何かアクセサリーに加工してもらえるんじゃないかな。ブレスレットとか」
「それも素敵ですね! でも……合わせ貝なのにひとりぼっちも、かわいそうな気がして」
宝箱に仕舞ってしまうか、ガラスの小瓶に入れて飾ろうか。ついつい太陽に煌めかせて魅入ってしまいそうになるけれど。
「珪さん、お弁当にしませんか?」
今はデート中なので、綾花はサクッと気持ちを切り替えた。
海デートということで気合いの入れたお弁当は、ウィンナーをタコやカニへと可愛らしく、おにぎりの具も昆布と海つながりにしてある。
だからと海鮮一辺倒なんて、芸の無いことはしない。旬のタケノコの煮物やアスパラの肉巻きなど、彩りもボリュームも考えられてある。
「ありがとう。僕のも、期待に応えられるといいんだけど」
そういって取り出したボトルは何の変哲もない……が、なぜか2本もある。どういうことかと瞬けば、珪は照れくさそうに笑った。
「いや、ね。新茶を見かけたから、これはと思って買ったんだ。でも、持ち運びが難しいって後で知ってね」
そこで珪は、お茶を淹れる練習をする傍らでそれに合うボトルも探し、酸化が遅くなるよう冷やした緑茶と、この場で淹れたてを味わえるようお湯とティーバックを持ってきたらしい。
海辺は寒いか、歩けば暑いか。悩んだ末の結果だとはわかるけれど、そこまで拘らなくたって――そう言いかけて、綾花はハッとする。
(もしかして、珪さんには私のお弁当……すごく拘っているように見えてる?)
それはそうだ、好きな人に食べてもらうんだから。でも、それは彼だって同じだろう。
「……ありがとうございます、珪さん。お弁当、口に合えば嬉しいです」
彼の好意に素直に甘えて、どんな買い物になったのか話を聞いて。海を眺めてゆったりと食事をする時間は、2人にとって癒やしのひとときだ。
それでも綾花は、彼がよく箸を進めているおかずは何かと気にしたり、美味しそうに食べてくれているか気になって、自分の箸が進まない。
「綾花さん」
「は、はいっ!」
ちょん、と口元に差し出された煮物と、どこかいたずらっ子そうな珪の顔。
「美味しいんだから、ちゃんと食べて?」
くすくす笑うその顔に、次のお誘いを言えるだろうか。綾花は恥ずかしさの中で逡巡しながら、勢いのまま頬張った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年05月30日
参加申し込みの期限
2025年06月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年06月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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