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潮騒に呼ばれて
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寄せては返す波と戯れる彼女。
スカートの裾を濡らされて、子供のように「やられちゃいました」と笑う顔に、
京極 花音
は頬を緩める。
そうやって1人澄ました顔をしていれば、彼女はちょっと企むような微笑みと共に、水をかけ――。
(いや、ここは……一緒に遊ばないことを拗ねるとか? でも、怒った顔で詰められてもきっとかわいい……)
うんうんと力強く頷く花音の脳内では、多種多様な表情をする
暁月 静
がいた。
ただの花屋のアルバイトと常連客だった頃を思えば、名前も知り言葉を交わす機会が増え、あまつさえ偶然鉢合わせてデートのようなことだってしている。
そのように表現しては静に失礼かもしれないが、男女が連れ添って何かを楽しむことを、デートと表現するのは間違っていないだろう。決してデートは恋愛を意識した約束ばかりではないし、仕事以外のプライベートな時間を指すなら、それこそ表現として適切だ。
つまり、花音と静はデートをするほどの親しい間柄――なのは、断言できる。してもいいだろう、おそらく。
ではなぜ、この場に花音しかいないのか。
これから来る彼女を待っている? 数日後に控えたデートのイメトレ? ……残念ながら、どちらも違う。
(もしあの子が本当に俺の彼女なら……)
ひとしきり妄想を満喫したところで、彼女はやってくるわけもない。呼び出す勇気さえない花音の元へやってくるのは、呼んでもいないフナムシくらいだ。
その可愛くもない見た目にげんなりし、せめて今度会えたときに話題に出せるような可愛い生き物でも探そうかと岩場へ向かった。
砕ける波にきゃあきゃあ言う子供たちに混ざって、楽しそうな悲鳴を上げる静が見える。
夏でもないのに眩しくて目を細め、その様子を見守ろうとしたのだが――子供の保護者であろう方々から怪訝な目を向けられて、内心泣く泣く目を逸らした。
ただでさえ強面な花音が、愛しい人を夢想している。そんな明らかにヤバそうな視線は、どこを向いていたって警戒されてしまうのは仕方が無い。
(どうせなら、人の居ないところで妄想しないとな)
仕切り直して岩場を歩く花音は、本当に気付いていなかった。確かにそこに、静はいたのだ。
潮だまりを覗き込み、小さな魚やヒトデなどを見つめる静は、ふふりと笑う。
(こういうの、京極さんも好きかな?)
花屋で働いているのだし、もう少し可愛いひらひらしたウミウシが気に入るだろうか。それとも、もっと格好良く強そうな魚が喜ぶだろうか。
スマートフォンで写真を撮りつつ、次に会えるのはいつかなぁと考える。お店に行けば会えそうだけれど、それではゆっくり話せない。
(……でも、あんまり外に誘い出すのも)
友達だとは思っている。それが、どれくらい親しいかと言われたら、上手く説明できないけれど……仲は悪くない、はずだ。
それでも彼は異性で、背が高いけど怖くはなくて、不器用さは感じるけど面白い人だと思う。
(私が行くとき、結構お店に居てるし……忙しいんだろうな)
学業に友達づきあい、その他諸々。優先されるべきは自分じゃないんだと思うと、どこかが痛むような気がして、静はぼんやりと水面を見つめていたのだが。
「おねーちゃん、ウニ!!」
「え?」
気付かないうちに、岩場へ隠れていたウニに触れていたらしい。どうりで痛いわけだ。
照れくさそうに笑いつつ、静は子供たちへ気をつけるように促す。痺れる感じもないし、特別手当は必要ないだろう。しかし念のため、一緒に来ていた生き物に詳しい人へと確認しようかと立ち上がったとき、大きな背中が見えた。
(京極さん?)
自分のように、近所の付き合いで遊びに来たでもなく、友達と連んでいる様子もない。
海を見て黄昏れているでもなくて……でも、どことなく気がかりな顔。
どうしようかと考えている間にも、彼はひょいっと岩場を飛び越えつつ、奥へ奥へと進んでいく。けど、1人でなんの準備もなく向かう姿は、とても心配だった。
「京極さん!」
思わず大きな声を出し、その背中を追った。
波の音に消されて聞こえないのか、数度振り返ろうとしては、頭を振って歩み出す花音にやきもきする。おそらく、今も静の空想に忙しい花音のことだ。彼女の声は空耳だと否定したのだろう。
(でも、なんだか……)
こうして追いかけるのも、彼を捕まえようと手を伸ばすのも心が弾む。
まぁいっか、なんて見なかったことにするのが難しいくらい、楽しいのは――きっと。
「京極さんってば!」
「…………えっ!? え、あ……静さん? あれ、なん、で……?」
目を丸くして驚く花音は、右を見て左を見て、ついでに咳払いまでして髪を整えて忙しい。
なぜかはわからないけれど、彼は町中で突然会うと、いつもこんな調子だ。
「私は、ご近所の方と一緒に生き物観察です。良かったら、京極さんもどうですか?」
それ以上奥は、満ちてきたときに1人では危険だと伝えると、彼は恥ずかしそうに頭を掻いて「それじゃあ」と静らのグループに混ぜさせてもらうことにする。
「私、やっぱり京極さんが好きです。――だって、こんなに面白いんですよ!」
好きだと言った。
間違いなく己のことを名指しして、好きだと言った。
花音の頭の中ではクエスチョンマークが羅列して、小宇宙を背景に猫があんぐりとした顔をしている。
……もう1度確認しよう。
今、花音の目の前で、『静』が、『京極さん』を、『好き』と言った。
(だけど、面白いって……なんだ?)
褒め言葉なのか、恋愛対象として選外ということなのか。残念ながら、そこまではわからない。
嫌われてはいないことに希望を持ちたいところだが――花音の苦悩はまだまだ続きそうだ。
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あとがき
担当マスター:
浅野 悠希
ファンレターはマスターページから!
みなさまご参加ありがとうございます、浅野です。
いろんな海の楽しみ方、春から初夏にかけてを感じる方法があって、楽しかったです。
リアルタイムでは初夏や梅雨を通り越して真夏日なところもありますが、みなさん日焼けには注意しましょうね!
(すでに今年は、痛みも痒みも皮剥けも体験した、何の対策もしなかった愚か者より)
ご意見ご感想、もしくは「読んだよ!」の代わりにダイヤリーのページチェック入れて頂けると、めちゃくちゃ喜びます。
お時間ありましたら、よろしくお願いします~!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年05月30日
参加申し込みの期限
2025年06月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年06月06日 11時00分
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