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R&R Journey:密林のルーインズ<後編>
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エピローグ~帰還
それから二日後。
一同はグデが営むバリ島のゲストハウスに身を寄せていた。
夜空に真っ赤なマグマを吹き上げる映像と共に、噴火のニュースは連日連夜伝えられ、『魔女の島』とその周辺の海域は立ち入り禁止となった。期限は噴火が落ち着くまで。ことによっては数年という単位になるかもしれないということだった。
一同は食事などを提供するための、風通しのいい共有スペースへ集まっていた。
「あなたたちが見た遺跡は、密林と火山灰の下に埋もれて隠されてしまうのかもしれないわね……あの、ボロブドゥールの遺跡のように」
梨香の隣に腰かけている
リンコ・ヘミングウェイ
は、脚を組んでくつろいでいた。リンコの脚に現れた謎の発疹はきれいさっぱり消えていた。実際のところはわからないが、リンコは『魔女の呪い』説を採用していた。梨香と組んで仕事をしていると、ときおりそういった説明のつかない現象と遭遇することはままある。エビデンスがないからと切って捨てるには、この世界は不思議が多すぎた。――だからこそ面白いのだが。
「あの遺跡が次にお目見えするのは数百年後? それとも数千年後?」
梨香は肩を竦める。
「目にできたことは幸いだけれど、写真くらい撮ってくればよかったわ」
「あの、それでしたら……」
綾花がスマホを取り出す。そこにはかの白と黒の遺跡が威風堂々と映っていた。
「え、これは……?」
「スマホは起動したんです。外部との通信こそできなかったですが、写真やメモは取れたので」
「おお、それなら儂もこんなのを書いておったぞ」
イツトリが差し出したのは<時のない村>の地図である。『魔女の器』の対象外であったイツトリは、探索時、積極的に動いて地図を作っていたのである。
「流石すぎるわ、ふたりとも! その写真と地図、買い取らせてくれない? 代金は今回の報酬に上乗せさせてもらうわ」
「そんな、お金なんて……」
遠慮する綾花に、イツトリは言った。
「もらっておけ。どうせ口止め料も入っておるのじゃろう。それより儂は坂内社長に頼みがある」
「なにかしら?」
「サキリからR&Rのことは常々聞いていた。面白そうではないか。儂も入社を希望するぞ!」
「――もちろん。こちらからお願いしたいくらいよ。これからもサキリ君ともどもよろしくね」
イツトリの願いは、梨香が差し出してきた手を握り返すことで成立した。
グデとグデの母が、料理をもって部屋に入ってきた。
テーブルに色とりどりのバリ島料理が並べられる。サテと呼ばれる焼き鳥のような串焼きや、チャーハンのようなナシ・ゴレン、緑の野菜とスパイスを混ぜ合わせたサラダに、トロピカルフルーツの数々……。
「明日にはみなさん発たれると聞きましたノデ、今夜は感謝を込めて母といっしょに腕を振るいマシタ。こんな幸せは10年ぶりデス」
グデは目を細め、嬉しそうに母親を見る。
魔女として10年を過ごしたグデの母は、時のない村を出てから元の時間を取り戻したようで、その顔には年相応の皺が刻まれていた。だが表情はおだやかだ。魔女のときの記憶はほとんどないようだったが、今こうしてまた息子と暮らせることを、心から喜んでいるようだった。
「ひとつ、聞いてもいいですか?」
綾花が尋ねた。
「グデさんのお母様はもれいびだったわけじゃないですよね? なにか能力を持ってたんでしょうか?」
グデが綾花の言葉を母親に通訳する。思えば――魔女とは会話が成立していた。あれは耳で聞いていたというより魂で聞いていたのかもしれないと綾花は漠然と考える。
グデの母は答えた。
「私は村のシャーマンの家系でした。私の家系ではシャーマンの力は女に引き継がれるものでした。シャーマンは縁の深い精霊や先祖を儀式によって身に宿して、村の人々の悩み答えたり死者と対話をしたりします」
「土着の呪術師だったわけね。魔女は古来から、そういった人々のなかから選ばれてきたのかもしれないわね」と梨香。
「ええ。……魔女は悪しきものですが、悪もまた、役目があって存在しているというのが私たちの考え方です。害されないように避けたり逃げたりする必要はありますが、なくなればいいというものではありません」
「イツトリが言ってたとおりだな」と豪は笑った。
「儂? なにか言ったかの?」
「言ってただろ、『善悪の基準など時代地域によって違う。ここには儂らと違う理があるのかもしれん』って」
朝衣も頷く。
「悪も役目があって存在している……私たちつい、勧善懲悪な価値観でものを考えがちだけれど……そうじゃない世界もあるってことね」
「魔女と聖獣はどうなったんだんだろう」
サキリの呟きに、明確な答えを出せる者はいなかった。
梨香は遠く、ここからは見えない『魔女の島』のほうを見遣った。
「さあ……この地の伝承では、魔女ランダはたとえ倒されても必ず生まれ変わり、バロンと終わりの無い戦いを続けるとされているわ……善も悪もなくなりはしないもの。これからも、きっとどこかで……」
「精霊、か……」
ラッセルは寝子島で帰りを待っているだろう緑の髪の少女のことを想っていた。
「連れて来なくて正解だったな。風の精だし、来てたらいろんな意味でやばいことになってたよな」
目を瞑る。会いたい。うん、帰ったらすぐに会いに行こう。
「はは、話を聞いたら羨ましがるかな、私も冒険行きたかったーって……」
さゆるは皆の輪に入らず、窓辺のカウチで休んでいた。
じゅんが飲み物を持ってくる。
「まったく……今回は無茶しすぎよ、さゆる」
「悪かったわ。でもあのままじゃじゅんを守り切れないと思ったの」
「だからあえて死中に活を求めたって? ……ほんと、あんたは賢くて、ときどき途轍もなく愚かだわ」
「ごめんなさい」
「でも……あの言葉は嬉しかった。あたしのおかげで変わった、って」
じゅんはさゆるに覆いかぶさって口づけた。
――こうしてまた、ひとつの冒険が幕を閉じた。
「珪先生、行きましょう。せっかくの二人きりの旅行、楽しみにしてたんですから!」
綾花は珪の手をとって、旅の続きに戻っていった。
「あたしたちも」
「ええ」
さゆるとじゅんも去ってゆく。
朝衣と遥人は顔を見合わせあう。
「あたしたちはどうする? お財布スられちゃってすっからかんだったのは、R&Rからバイト代が出たからなんとかなりそうだけれど」
「せっかくだから、俺たちも旅に戻ろう。ウブドで伝統のバロンダンスを見たいよ。あ、もちろん観光用のをね」
サキリとイツトリはいつの間にか姿を消しており、ラッセルと豪はリンコが手配してくれた飛行機で日本に戻れることになった。R&Rのふたりはもうしばらくインドネシアにとどまり、それからまた、世界のどこかへ旅立つという。
ラッセルと豪は飛行機の窓から青い海と緑のジャングルが広がるインドネシアの島々に別れを告げる。
「Selamat jalan(さようなら)――また逢う日まで」
<了>
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あとがき
担当マスター:
笈地 行
ファンレターはマスターページから!
ご参加ありがとうございます。笈地です。
R&R Journey:密林のルーインズ<後編>、お届けいたします。
前後編を同じ六名のみなさま+パートナーのみなさまとご一緒できて幸せでした。
この話を書くきっかけとなったのは、インドネシアへの旅行でした。
南国! ジャングル! 遺跡! 善と悪が永遠に戦い続けるという勧善懲悪ではない伝承!
このおはなしの中の伝承や遺跡は、
笈地オリジナルの部分もたくさんあるのでじっさいとは違っていますが、
南国の雰囲気と冒険をお楽しみいただけていたら嬉しいです。
いつかインドネシアやバリ島に行く機会がありましたら、
ぜひバロンダンスなどご鑑賞ください。
ウブドという街では、寺院などで夜ごと開催されていて、迫力があって面白いです。
そのときはインドネシアで冒険するシナリオがあったな、
なんて思い出してもらえたら嬉しいです。
それではご参加ありがとうございました! 笈地でした。
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担当ゲームマスター
笈地 行
前回シナリオ
R&R Journey:密林のルーインズ<前編>
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年05月26日
参加申し込みの期限
2025年06月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年06月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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