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桜の余韻。もう一度だけ、ありがとうを。
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パーティーの喧噪すら聞こえない休憩室は、未だ無言の時間が続いていた。
何故かはわからないが、柚乃がか細く呟いた言葉を無視できず、愛は少し距離をとって椅子に腰掛けている。
(……あれは、気まぐれ? それとも)
問うていいのか、まだ触れてはダメなのか。幾度となく繰り返した疑問に頭を振って、愛は運んできた飲み物を口にした。爽やかなハーブとフルーツを漬け込んだ冷たい水は、緊張した喉には心地よいが空気までは潤わせない。
(なんで、私は)
カランとグラスの中で氷がぶつかり、揺れる水面を眺める。
ここに残る気がなかったのなら、自分の分のグラスなどないはずだし、あんなことを言われても「相当具合が悪いんですね」と失笑して振り払えただろう。
いつもと違う行動に出る自分に戸惑いを覚え、静かに言い聞かせる。
たまたま、柚乃が休憩に入ることをスタッフに伝えたら「君も一緒にどうぞ」と言われただけだ。
放っておけないからじゃない。偶然、休憩時間が被ったから仕事仲間の具合を見ているだけ。
(これは……あくまで、仕事の一環)
そう思わなければ、何かに流されそうだった。
桜が見せた幻も、さっきの「ここにいて」という言葉も、まだ目や耳に残って離れない。
何度もリフレインする自分が、嫌になる。何かに目を逸らしているようで、逃げてる自分にも嫌になる。
少し荒っぽくグラスを置く音に、柚乃が肩を跳ねさせた。でも、その瞳が2人分の軽食を見ると、ほんの一瞬だけ表情を緩めた……気がする。
すぐにまた、言葉を飲み込むような顔に戻ってしまったけれど……どこかで安堵したのだろうか?
(ありえない……だって、浅見先輩は)
嫌っている。それは今も変わりなく、それどころか――あんな未来の一部のように映し出された幻の2人を見て、拒絶が起こらないはずがない。……けど。
(そう、思い込んでいるだけだとしたら?)
まさかねと自重しながらも、愛は考える。
試合の行く末が1秒ごとに変わるのと同じように、もしかしたら……柚乃に嫌われていない可能性も、あるのではないかと。
少し喧噪を離れ、碧南と洋二はドリンクを片手に会場の端でくつろいでいた。
様々な美術的価値のある調度品が集まる桜栄家は、洋二の創作意欲を刺激したようで、やや興奮気味の彼が熱弁する一幕もあった。けれど、碧南にとっては彼の思考を知ることができる機会だが、洋二にとっては少し気恥ずかしかったらしく、それを払拭するかのように話題をすり替える。
「挨拶、心残りはないかい?」
穏やかな中に照れの含まれる様子を可愛いなと思いながら、碧南も蒸し返さないように小さく頷く。
「はい! 先生たちに、ちゃんとお礼言えたし……なんか、やっと終わったって実感わいたかも」
「そう。それは良かったけど……」
微笑む碧南とは対照的に、洋二は目を逸らして不機嫌な溜息を吐く。もしかして、体育科関係の先生を回りすぎて、洋二の恩師には挨拶できなかったのだろうか。
「先生ってわかってても、あんな風に笑いかけられるの……ちょっと、落ち着かないかな」
「……え、それ」
いつもの乙女ゲー脳に支配されそうになるのを気合いで踏みとどまり、洋二の言葉を反芻する。
それでも碧南の中には、都合のいい定番の図式しか思い浮かばない。
「どうやら僕も、人並みに焼きもちはするみたいだね」
茶化すようでいて、ほんのり照れた声音。そう思っていいのだと、碧南も顔を赤らめた。
「私の1番は、洋二さんですからね!」
「バスケじゃなくて?」
からかい調子が抜けない彼に、抗議をするように腕に抱きついて笑い合う。
こんなふうに歩けることが、もう当たり前じゃない。だからこそ、今この一瞬が、愛おしかった。
庭園中を歩き回り、綾花はとぼとぼとホールへ戻った。
(やっぱり、もう……)
遠い国。星幽塔を介して寝子島に来ていた
シリウス・グラン
と会うための手段は、きっと失われた。
突然のさよならに実感が追いつかず、けれど先ほどもテオと会話ができなかったのだと納得しようとし――綾花はもう一度、庭園へと舞い戻ろうとした。
けれど、そんな慌てる綾花に声をかける者がいた。
「そこの可愛いカーノジョ」
もちろん綾花は、そんな声を相手にしない。むしろ、自分に声を掛けているとも思ってないだろう。
(まだ日が落ちる前だし、庭園なら明かりも……探せないことはないはずです!)
意欲満面に通り過ぎる綾花が意外だったのか、声の主は慌てたように追いかけ声をかけた。天気のこと、綾花の服装のこと、美味しかった料理のこと――どれを話しかけても、スルーだ。
「そんなに必死に……誰を探してるニャ!」
ぴたりと綾花の歩みが止まる。
おそるおそると振り返った先には、短めの金茶の髪を後ろで束ねた彼がいた。
「王様……? え、だって、寝子島は」
「ふん、吾輩を侮るニャ。少々の時間くらいは、この姿を保っていられる」
限られた時間。それを後悔しないために、綾花はシリウスに抱きついた。
これまで過ごした特別な時間が、胸を満たす。これからは自分が大学生活に忙しくなるばかりか、星幽塔も不安定になる……きっと、今までのようには会えないだろう。
「王様……また、いぬねこの国に行きますね」
叶わないかもしれないけど、今日は会えた。なら、叶う日だってくると信じて綾花は強くシリウスを抱きしめる。
「もらった指輪も大切にしてますよ。ありがとうございます」
「ははっ、確かにこの姿では指輪だな」
本当は腕輪だったけど、それは猫と人でサイズ感が違うのだから仕方がない。
話したいことは沢山あったはずなのに、胸が詰まって言葉にならない。綾花は別れを惜しむようにもう一度強く抱きしめると、そっと距離をとった。
「私……来月、告白をするんです! だから、王様には会うのを控えなきゃいけないんですけど……」
本当に会えなくなる理由は、わかってる。わかってるけど、嘘でもない。
綾花は照れくさそうに、「恋人になったら改めて紹介しますね!」と笑っていた。
だからシリウスも穏やかに笑って、綾花の頭を撫でた。
「……吉報を、祈ってる」
それが、ときめきを教えてくれた少女への礼儀だと――心から、願って。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年05月16日
参加申し込みの期限
2025年05月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年05月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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