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[TOS] 戦蘭の世紀
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佐藤英二の物語
緑あふれる山道を、僕らは歩いてた。
木々の葉が風にそよぎあい、鳥のさえずりが心地いい。小川のせせらぎも聞こえてくる。殞暦(いんれき)と呼ばれるこの過酷な世界でも、こんな日なら捨てたものじゃないって思えるよ。僕ひとりじゃなくて隣には、ターヤ──
ターヤ・トイヴァネン
がいるんだからなおさらだ。
「ちょっと休憩しようか」
僕が言うと、いいですねえ、とターヤはふたつ返事だ。
「ちょうどそう提案しようと思ってたのです!」
ターヤの髪はオレンジ色、太陽のような明るさだ。いわく「シャイなので」前髪を長く伸ばしており、しばしば目にかかって隠してしまう。でもときおり彼女が頭を振ると、つぶらな瞳がチラリとのぞき、いたずらっぽく笑う。髪は肩まで伸び、太陽光に透けて暖かさを感じさせる。
ターヤは軽量ブーツを履いてた、服は伸縮性のある黒のナノスーツ、グリーンとオレンジのラインが入ったショートジャケットを羽織ってる。僕もほぼお揃いで、ジャケットに襟がついていて、ワンポイントカラーが紫と黄色というちがいがあるだけだ。体温調節機能がついてるから、首まで覆っていても暑くないし息苦しくもない。
ターヤには暗い過去がある。もともと彼女はドクター・シザクラに作られた『蘭つき』ガーナックで、当時は
ガーナックΤ(タウ)
って名乗らされてた。元は人間だったけど、シザクラに改造されたと彼女が話してた。それ以前の記憶もさっぱり消されているそうだ。でも組込まれた服従回路が不安定だったらしく、ターヤによれば「勝手に壊れた」おかげで目が覚め、レジスタンスに加わることになったんだ。
そんな彼女と比べれば、僕なんて結構お気楽なものだ。生まれたときからシザクラの管理社会で暮らしてて、用意された学校でそれなりに平穏に生きてきた。あまり深いことを考えずにすむのは、楽と言えば楽だったよ。でも、ある日、シザクラの計画的人口抑制策で学校丸ごと間引きの対象になると知って、処理される前に逃げ出したんだ。ひとり、またひとりとクラスメートがいなくなって、なのに誰もそれを疑問に思わなくて……さすがに怖い、って感じたから。
逃げても行き着くところはレジスタンスしかなかった。僕は《魔法(ノクスラ)》が使えたから、メンバーとして重宝されたけどね。
正直、僕はレジスタンスのなかで浮いていた。のほほんと生きてきたせいか、過酷な人生を歩んできたメンバーには引け目を感じる。親や兄弟という概念のない僕には彼らの痛みがわからず、それがコンプレックスだった。幸い、リーダーのひとり大黒ミオさんやターヤと仲良くなれたおかげで、なんとかやってこれたんだ。
僕らは木陰に腰を下ろして、少しだけ息をついた。
「英二くん、シザクラの支配から解放されたら、何したいのです?」
シューズを履き直しながらターヤが訊いてきた。
「解放? 自由な世界になったらってこと?」
「うん。戦わなくていいし、やりたいことがやれるうんと自由な世界です!」
僕は少し考えて「のんびり散歩したいかな」って答えた。
「誰と?」
えっ、と声が出そうになった。言葉に出さなかったけれど僕は、ターヤと一緒に散歩している自分を想像していたから。
「それは……ターヤと一緒だと、嬉しいかな」
照れくさいので慌てて、「ターヤは?」と付け足した。
ターヤが元気よく笑顔を見せた。
「ゲームしたいのです!」
「ゲーム?」
って聞き返すと、彼女は目をキラキラさせて、
「そう! 旧世界にあったっていう……、テレビゲーム、それも、人が死なないゲームがいいのです! 英二くんも一緒にやるのです!」って言ったんだ。ターヤの無邪気な笑顔に、僕もつられて笑っちゃった。
「いいね、それ」
ターヤとゲームかぁ。
そんな日が来るのかな。来たらいいな。
実現するかどうかは別として、ターヤとそんな話をしているだけでも楽しい。作戦行動中であっても貴重なひとときだ。こんな穏やかな時間が、ずっと続けばいいのにと願わずにはいられなかった。
ターヤは小さなリュックから水筒を取り出すと、僕に手渡してきた。ぐっと一息あおって、
「英二くん、喉乾いてるでしょう? 飲むのです!」
って手渡してきた。僕は少し戸惑いながら受け取り、口をつけた。回し飲みの習慣には慣れてきたけど、彼女の唇が触れた場所を意識すると、なぜかドキドキする。一口して返すと、ターヤはためらわずまたゴクゴク飲んだ。
「おいしいのです!」
少し休んだ後、再出発した。
情報通りだ。ガーナックの姿はまったく見かけない。歩きつづけると、だんだん日が陰ってきた。緑が薄暗さに溶けはじめると、鳥のさえずりも遠のいていく。いつの間にか会話は絶えて、ならんで歩く足音だけが頼りになるような、静かな時間がつづいた。
やがて視界が開け、山間の小都市が見えてきた。
かつては現代都市風のにぎわいがあったはずだけど、いまは廃墟と化している。崩れたビルや、ひび割れたアスファルトが無言の歴史を語っているように思った。
「いよいよなのです!」
ターヤは目を輝かせるけど、僕はそんな気になれない。シザクラの影を感じられてならなかった。
わずかな傾斜をくだり、坂道を上りはじめた。足元が不安定で、ブーツの重みが頼りになる。ターヤが軽い足取りで先を行く姿を見ながら、「気をつけてね」と声をかけた。
「大丈夫、英二くんもついてくるのですよ~!」
と振り返る彼女の笑顔に、少し安心した。
うっすらとした匂いが鼻先をかすめた。
雨上がりの舗装路みたいな匂い。オゾン臭だ。戦いの気配を予感させる。魔法(ノクスラ)の準備を心のなかで整えつつ、なおも坂を進む。すでに陽は完全に没していて、かわりに月が姿を見せていた。
目標地点はもうすぐだ。ミオさん、そして生き残りのレジスタンスとは、スーパーマーケット跡で落ち合う手はずになっている。どれくらいの同志がつどうかは不安だ。みんな生きているだろうか。少し前に僕らは、壊滅といっていいほどのダメージを受けたから。
ターヤが「このまま例のスーパーまで一直線、なのですよ~!」と無邪気な声を上げた。
「こ、声が大きくない?」
僕は首をすくめてしまうけど、ターヤはこういうとき、本当に大胆不敵だ。にっこりして言った。
「どうせもう気づかれてるのです」
確かに。
そうだろうね。
やっぱりターヤがいてくれてよかった。僕も覚悟を決められたから。
オゾン臭が急に強くなったかと思いきや、坂道の影から灰色のガーナックがぞろぞろと現れたんだ。全員灰色、全員、同じ顔、全員、人形めいた無表情──十体はいるだろう。
ターヤが両手を胸前で交差させ、大きく息を吸った。
「シザクラのワンコちゃんが登場、なのです! 英二くん、準備OKなのですか?」
うん、僕も笑うことにした。
「『蘭付き』はいない。大丈夫、いけるよ」
ターヤと一緒なら、負ける気なんてしないから!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
ゲーム
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年05月12日
参加申し込みの期限
2025年05月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年05月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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