[TOS] 戦蘭の世紀｜リアクション

[TOS] 戦蘭の世紀

　
　
●ポストクレジット

　孤島Heaven and Hell、その名の通り、天国と地獄が共存する場所だ。
　島の中央にそびえる巨大な塔『MotherClan＝G』は、ガーナックたちの生みの親であるドクター・シザクラの脳と思考AIを搭載した巨大コンピュータであり、同時に彼の野望の象徴でもあった。塔の周囲には無数のガーナックが無表情で立ち並び、亡霊の軍勢のように静かに待機している。彼女たちの瞳には輝きはない。ただマザーの命令に従うだけの空虚な人形なのだから。
　塔の最上層、ドクター・シザクラの執務室。
　広大な空間には無機質な機械がびっしりと並び、冷たい光が支配していた。中央には巨大なホログラムが浮かび、世界中のガーナックの状況がリアルタイムで表示されている。シザクラ――かつて『七枷陣』と呼ばれた男は、ホログラムの前に立ち腕を組む。全身をクロームに置き換えた彼に、もはや人間の体温は残っていない。
「計算が、少し狂ったか」
　シザクラが眺めるホログラムには、イプシロンの敗北が映し出されている。
　首を刎ねられ、力なく横たわる体。
　しかしシザクラの目は、イプシロンの骸を見ていない。
　サツキを見ている。
　あの力、やはり……サワザキの娘か。
　ドクター・サワザキ、かつてシザクラと理想をともにし、よりよい世界を創る夢を誓い合った同僚の名だ。

　──『[TOS] 戦蘭の世紀』　了

【次回につづく】

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あとがき

担当マスター：桂木京介
ファンレターはマスターページから！

　ご参加ありがとうございました！　桂木京介です。

　特殊すぎるシナリオゆえ定員割れも覚悟していましたが、全枠埋まるほどのご参加をいただき、さらに煮えたぎる熱量のアクションを届けてくださったこと、心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました！
　
　本作はシリーズシナリオとして、今後の展開に含みを持たせています。
　・七枷陣は死んだのか？　なぜ彼は、最後の一幕の人物と一人二役（？）なのか？
　・サツキの正体は？　ドクター・サワザキとは？
　・リオはサツキの真実をどう受け止めるのか？
　・佐藤英二とターニャの恋は、戦火の中で結実するのか？　それとも灰に埋もれるのか？
　・復讐を果たした楓は、血塗られた刃を手にこれからどこへ向かうのか？
　（以上、劇中の文に寄せているので敬称略です。すいません）
　もちろん、上記すべての項目について、私は結末をまったく決めていません。すべては次回での皆様のアクション次第です！

　今回、かなりしんどかったので次回『らっかみ！』は寝子島に舞い戻り、フツウのお話を展開したいと思っております。
　それではまた次回シナリオで会いましょう。桂木京介でした！

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