【七夕】飛べ、天の川！　ラブラブ♪ランデブー！｜リアクション

【七夕】飛べ、天の川！　ラブラブ♪ランデブー！

【お待たせしました、ここからはカオスのお時間です】

「北風さん！　風紀委員ともあろう人がこんなチャラ男と……！　一体何をやってるんですか！？　貴女の為になりません、即刻離れるべきです！」
　その形相はまさに夜叉。真っ黒に染まった夜叉だった。
「あなたがやったの……？」
　焦げ焦げになった太陽と伊賀が漂う姿を見遣り、貴子は声を震わせる。
　それに対して矢萩は満足そうに笑ってみせた。
「そうですとも。チャラ男を狙おうとしたら、そこの白衣の後輩まで巻き込んだのは誤算でした。しかも何だか威力が弱まってますね……、ん？」
　ドシュッと何かが矢萩の横を掠めていった。
　後ろを振り返ると、怒りに染まった恵御納がそこにいた！
　目の前の人物は暴力で２人も傷付けた。
　これに恵御納の堪忍袋の緒が切れた！
「君には実力行使が必要みたいだね……！」
　恵御納、人間弾丸の如く頭から矢萩へ向けて突撃開始！
「は、疾い！？」
　紙一重でかわした矢萩だが、すぐにUターンする恵御納に翻弄され続ける。
　その間にも矢萩は貴子の『説得』を試みる。
「そんなにその男が大切ですか！？」
「勘違いしているようだけど、こいつは彼氏でもないし恋仲でもないわ、ただの幼馴染よ」
「違うと言うのですか！？　ではそれを証明できるものは！？」
「き、急に言われても……！」
　困り果てる貴子に、矢萩は怒りに任せて飛び掛った！
「見損ないました！　貴女がそんな人だったなんて！」
「止めるッス！」
　彼女の前にボロボロの太陽が立ち塞がった！
　そして恵御納の追撃で矢萩は後退せざるを得ない。
「貴様も貴様だ！　彼女に対して誠実な愛をその格好で示せるんですか？」
「確かに自分、貴子お姉ぇが大好きッス！　でも他の女の子ももっと好きッスよ！」
　太陽の発言に、この場にいた女性陣全員が凍り付いた。
「貴子お姉ぇとは恋人じゃないッス。だから自分、他の女の子と仲良くなりたいッス！！　あ、良かったらこの後ゴハンどうッスか？」
　矢萩の手を取りナンパをしだす太陽に、青ざめた顔で引きつる矢萩。

「このチャラ男がー！　貴様は許さん！　死に晒せェェェッ！！」

　矢萩のろっこん『メガエラ・フォース』が至近距離で炸裂！
　……かと思ったのだが。

　ボゥ、と弱火で黒炎が発せられただけで何も起きなかった。
「しまった……！　貴様、『ひと』か！！」
　ろっこんは『ひと』に向けて、更に害意をもって利用すると、フツウを乱すとみなされて効果・威力が弱まるのだ！
「ん？　誰しも人間ッスよね？　あれ、いま空飛んでるから宇宙人ッスか？」
　難しいことを考え出した太陽は、５秒後にはそのまま寝てしまった。
　矢萩は悲しそうな目で北風に言った。
「どうやら私の勘違いのようですね。申し訳ありません……。ですが、言わせて下さい。私は昔、こういう男に騙され、何もかも差し出した挙句にヒドイ目に遭わされました。恋愛など……、所詮は悪質な病気です」
「……そういう考えもある、とだけ心に留めておくわ」
　貴子はキリッとそう彼女に言い渡した。
　その姿は、いつもの風紀委員の貴子であった。
「分かって頂ければ、それでいいんでぐふゥ！？」
「……僕と出会った不運を呪って、反省しろぉぉぉぉぉっ！」

　恵御納夏朝の人間ミサイル！
　こうかはばつぐんだ！
　きゅうしょにあたった！

　矢萩はこうして星屑となって地上へ流れて行き、気が付けば首を地面に埋没させて逆立ちした丸出し状態で竹飾りの傍にて発見された。
　恵御納は伊賀を抱えると、貴子と太陽に一礼した後、「お邪魔しました」と何処かへ飛んでいった……。

　北風貴子：「ひどい夢だった」と竹飾り前のベンチで目覚めて帰宅
　南波太陽：「宇宙すげー！」とますます夢の実現を目指す（しかし学力はお察し下さい）
　伊賀解理：チャラ男への誤解は解けないまま、矢萩によって脱落→意識回復後、飛行続行
　恵御納夏朝：矢萩を撃墜してナニカのレベルが上がった！（ぱぱらぱ～♪）→引き続き巡回継続
　矢萩咲：もう闇落ちなんてしないなんて、言わないよ絶対