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【七夕】飛べ、天の川! ラブラブ♪ランデブー!
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【さよなら初恋、ようこそ最悪の誕生日】
日が暮れるにつれ、
鬼崎 あやめ
の胸ははちきれそうになっていた。
実際よく熟れたメロンのようなバストの持ち主の鬼崎だが、はちきれそうなのはそこではなく乙女心であった。
(遂に、遂に……! よもや私の誕生日に悲願が達成されるだなんて!)
もう彼女の顔は緩みっぱなしだ。
(朝は
謎の相撲大会に付き合わされて、牡丹お姉ちゃんと和解めいた展開
になるし、
お昼は屋台営業で……、本当に忙しかった
けど!)
全てはこの時のために!
何を隠そう、最愛の『お兄ちゃん』こと
添木 千唐
との天の川鑑賞デートがこのあと控えているのだ!!
※鬼崎ヴィジョンによる愛しのお兄ちゃん像
「私の誕生日に天の川鑑賞デートしてくれるなんて、夢みたい! いや、これは現実!! ついにお兄ちゃんにもデレ期が!? よかった! 妹的幼馴染属性は負けフラグじゃなかったんだね、やったぁ!」
淡雪色の生地に水色の杜若柄の浴衣を着こなす鬼崎は、待ち合わせ場所で既にデレデレである。
「……このチャンスを生かさない手はありません! メイクよし! 髪型よし! ――よし!」
巾着の中の大人なナニカを確認して頷く鬼崎。
彼女は「つけてあげよっか?」などの誘惑の算段を立てていると、「何をそんなにニヤニヤしてるのだか」と呆れた声が。
「お兄ちゃん!」
振り返りながら鬼崎は声の主に飛び付いた。
それを声の主――千唐は優しく受け止めてハグをした。
「お待たせ。全く……、あやめは誕生日のデート如きではしゃいで」
「だって! 今まで全然つれない態度だったお兄ちゃんが! デート、デートしてくれるなんて! 喜ばないほうがおかしいです!」
鬼崎は天の川に負けないくらい輝かしい笑顔で断言した。
千唐は想定以上の期待値の高さに、思わず顔が引きつった。
「ま、まぁ、いいだろう。そろそろ行こうか」
そういうと千唐は率先して鬼崎の手を取り、エスコートを開始した。
「お、お兄ちゃんがエスコートまで! あわわわわ、今日1日頑張って良かったですー! うふふ、うふふふ……!」
喜びでアホになりかけている鬼崎の顔をチラリと盗み見る千唐。
顔に笑を貼りけたまま、内心で溜息を吐く。
(好きにさせよう……。これが最期……だしな……)
その目は夏の温度に似つかわしくないほど冷たいものだった。
竹飾りまでやってくると、「短冊! 短冊書きましょう! 生憎の曇り空ですけど、せっかくですし!」と鬼崎は千唐を急かした。
「そんなに焦らなくても竹飾りは逃げないよ、あやめ」
「だって! ぐずぐすしてられません! 時間は有限、お兄ちゃんと一秒でも長くいられるためにも、行動は迅速かつ正確にです!」
にやけながら言い放つ彼女の言葉に、千唐の胸が痛む。
(時間は有限、か――)
悩んでも仕方がない、そう判断した彼は、短冊に願いを込めて竹に吊るした。
『大切な人達が幸せであるように』
「あやめは何て書いた、って、長ッ!?」
千唐が覗き見た鬼崎の短冊には、びっしりと細かな文字で願い事が書き連ねてあったのだ。
『大好きなお兄ちゃんと結婚できますように♡ 子供は3人(女の子2人に男の子1人)ほしい♪ 郊外の庭付き一戸建て(三階建て)で家庭菜園なんかあったりしたらもう最高! それから大勢の犬と猫に囲まれて暮らせるような幸せな家庭を築き上げて(中略)お兄ちゃんに『あやめ、愛してる』って四六時中言われたい、キャッ♡』
「あっ、もう、お兄ちゃんったら乙女の願いを覗き見しちゃダメです! ……でも、どうしてもっていうのなら、見せてあげます、よ?」
「上目遣いされても、僕はこれ以上見ないから安心してよ、あやめ」
「えー? 遠慮しなくてもいいんですよ? ほら、ほらァ!!」
「うるさいな、いい加減竹に吊るせ!」
まるで本物のカップルのようにじゃれ合う2人。
しかし、このやり取りを重ねるほど千唐の目の奥の光が失われていくのだった。
そして、あやめは自分の体が浮き始めていることに気が付く。
あっという間に2人は星の海を漂っていた。
「って、いつの間にか空飛んでますけど!?」
「また神魂か……。でも、この光景を見れただけでも良しとしよう」
千唐は見上げ、天の川を指さした。
360°広がる天の川と夏の星座たちが2人を出迎えてくれていたのだ。
その煌びやかさに、鬼崎は感嘆の声を思わず上げる。
「星が綺麗……! えへへ、素敵な誕生日プレゼントだね」
「これは偶然だ。誕生日プレゼントは、別に用意してある」
「本当!?」
鬼崎がより一層目を輝かせた。
千唐は懐から小さな箱を取り出し、彼女に差し出した。
「ほらよ、あやめ……。誕生日プレゼントだ」
受け取った鬼崎の手が震える。
今まで全然優しくなかったお兄ちゃん。
今日は今までの反動じゃないかと思うくらいに優しくて、こんなプレゼントまで用意してくれるだなんて……。
嬉しさで目尻に涙が溢れてくる。
でも、悲しくないのに泣くのは変だと、彼女は必死にそれを指で拭った。
「……開けていいですか?」
「勿論」
震える手で箱を開ければ、それは深海の蒼を抜き取ったようなアクアマリンのネックレスだった。
「綺麗……! ありがとうお兄ちゃん!」
「付けてあげるよ、じっとしてて」
「うん……」
千唐が彼女の白い首筋にネックレスを掛けてやると、満足げに破顔した。
「やっぱり、僕の見立てに狂いはなかった。似合ってるよ、あやめ」
「……恥ずかしいです」
アルビノの白い肌を火照らせた鬼崎は、恥ずかしげに目を伏せてしまう。
そんな彼女の頭を、千唐は優しく撫でる。
透き通った鬼崎の白い髪を、愛おしそうに、名残惜しそうに丁寧に指で触れる。
「あの、お兄ちゃん……」
鬼崎は頭に乗せている彼の手を無理矢理取って手を握った。
これ以上のない笑顔を彼女は千唐に振舞う。
そして、自身のろっこん『リリスの微笑み』で彼を魅了しようと試みる。
これまで何度か試みてはいたが、いつも効果は空振り若しくは直前で手を払われて阻止されてきた。
「誕生日だし、私からのお願い、聞いて……?」
千唐は無言だ。
ただ真っ直ぐ鬼崎の目を見て逸らさない。
手も握ったまま離さない。
条件は揃った。
鬼崎は、飛び出しそうになる心臓を抑えながら、意を決して言った。
「ずっとお兄ちゃんのことが好きでした。これからも私はお兄ちゃんのことが大好きになっていく。愛していく。だから、私の恋人になって、千唐お兄ちゃん?」
思いの丈を彼女は力に伝えた。
魅了効果も重なって、絶対にうまくいく。
彼女はそう確信していた。
――しかし。
「………すまない……。僕にはあやめを幸せにする資格はない」
返ってきたのは、拒絶の言葉だった。
ろっこんは完璧に発動していたはずだ。
条件は『対象の体に5秒以上触れながら笑顔を見せる』こと。
どこにも非はなかったはずなのに。
混乱する鬼崎に、千唐は淡々と説明を続ける。
「俺は明日、寝子島を去る……。色々とオイタをした罰を受けに本土の『添木組』のほうに召集されてな……。多分、もう二度と戻れないだろう」
千唐の『告白』に、今度は鬼崎が拒絶の言葉を口にした。
「いや……、行かないで、千唐お兄ちゃん」
「そうはいかない。これはもう決定事項だ。覆らないさ」
千唐は首を横に振った。
「餞別代わりっちゃなんだけど、もう1つ誕生日プレゼントがある。僕が貸し付けてた、あやめの借金をすべてチャラにした――。これでもう『添木』とは無関係だ」
このプレゼントに、鬼崎の体が硬直した。
石膏像のように完全に停止してしまう彼女に対し、憐れみの目を向ける千唐。
「俺と夫婦になって『添木』に復讐しようとするのは、もうやめろ」
鬼崎は借金で一家離散を経験している。
借金は、働かないことで有名な叔父が肩代わりしてもらってはいるが、借金の名義は彼女のままだった。
そして、その借金こそ、
過去に鬼崎の家族を奪った憎い存在、『添木』
との接点でもあったのだ。
しかし、鬼崎は首を横に振って、千唐の手を握り締めた。
「確かに、私から家族を奪った憎い『添木』だけど、お兄ちゃんだけは違うと思ってた。……大好き、千唐お兄ちゃん」
「もう僕の手を握るのは止せ。……僕にはあやめのろっこんは効かない」
千唐は鬼崎の手を振りほどいた。
鬼崎は今度こそ、溢れる涙を抑えることができなかった。
「嘘でしょ? ……どうして……なんで? ずっと一緒だって思ってたのに! お願い! 私、一生、借金まみれでもいい! 他の人の事なんてどうでもいいから! だから……お願い、私を1人にしないで……!」
泣き崩れる鬼崎に対し、千唐は背を向けた。
「今生の別れだ、あやめ。願わくば姉さんを……、頼む」
「こんな時まで、
牡丹お姉ちゃん
のことを気遣うの!? どこまでシスコンなの……? 私は、お兄ちゃんの何だったの……!?」
号泣する鬼崎を見かねた千唐は、振り返ると鬼崎を優しく抱き締めた。
そして、そのまま千唐は鬼崎と唇を重ねた……。
「……なんだよ、最期ぐらいちゃんと笑えよ。それじゃ、いい女が台無しだ。僕はあやめの笑顔が好きなんだ」
「え……?」
突然の行為(好意)に、鬼崎の涙も驚きで止まってしまう。
「ねぇ、お兄ちゃん。さっき、私のろっこんは効かないって言ってたの、それってもしかして……」
「おっと、もう時間だ」
千唐は鬼崎を力一杯突き飛ばした。
そして、そのままゆっくりと頭から落下していく。
まるでスローモーションで投身自殺を図るかのように……。
「今度こそ本当にさよならだ。……今までありがとう」
「大好きだったよ、あやめ。僕の愛しい人……!」
「今まで、ろっこんが効かなかったんじゃなくて、最初から私の、こと、を……」
無駄だと分かっても手を伸ばしてしまう。
落下していく最愛の人の笑顔が、雲に飲み込まれていく。
短冊に吊るした鬼崎の願いは強すぎたためか、一向に下降する気配がない。
彼女は所在なく夜空を揺蕩うだけだ。
「いや……、行かないで……。私も、私も降りる、下に降ろして……!」
だが、彼女の体はこれ以上、沈むことはなかった。
「降ろしてよぉ……、お兄ちゃんが、千唐、おにい、ちゃん、行かないでよぉ……!!」
なんであんなにも傲慢な願いを書いてしまったのだろう?
知っていれば、どんなに苦しい未来が待っていても、彼と添い遂げようとしたのに。
願わなければ良かった。
こんな結末、望んでいなかったのに!
涙を流しながら見上げれば、闇夜に空いた穴のような月が鬼崎を見下していた。
そして、彼女の頭の中に木霊する、彼の言葉を実行した。
『僕はあやめの笑顔が好きなんだ』
だから、鬼崎は『笑った』。
まるで人形が微笑むように、作り笑顔を浮かべて、月を見上げる。
こうして鬼崎の初恋は終わり、彼女は本当の意味で『笑顔』を浮かべることができなくなってしまった。
地上に戻った千唐は、祭りの喧騒を避けて暗い路地へと身を潜ませた。
先程から頻繁に掛かってきていたスマホの着信履歴に舌打ちすると、すかさず彼はコールする。
「もしもし? 最期のデートの邪魔くらいしないでよ。え……? はぁ……、本当信用されてないね。まぁ、自業自得だけど」
相手は添木の総本山からだった。
「ああ、姉さんの学費及び寮費も全額納付したし……、大切な人達との別れは告げてきた。『俺』は逃げも隠れもしないさ。……未練? そんなの、いっぱいあるさ。でも……、最後の審判とやら、ちゃんと受けてくるよ。それが俺のけじめの取り方だ」
光を避けるように彼は闇の中を進み歩く。
その目はもう、目の前の深淵しか見えていない。
「え? 『旅行先』を選んでいいの? 嬉しいなぁ! だったら、南の島がいいな。ほら、珊瑚礁や熱帯魚って見ていて飽きないよね。……だって、これから嫌というほどずっと見続けるだろうからさ……」
この日を境に、
添木 千唐
は寝子島高校から姿を消した。
そして、その後の彼の所在を知る者は、誰ひとりいなかった。
同時に、寝子島から添木組は全面撤退していった。
それでも寝子島にフツウが流れていく。
鬼崎 あやめ
:壊れた『笑顔』を湛え、生きていく
添木 千唐
:行方並びに生死ともに不明
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1000人
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2014年01月25日
参加申し込みの期限
2014年02月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年02月01日 11時00分
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