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【七夕】飛べ、天の川! ラブラブ♪ランデブー!
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【空飛ぶ蜘蛛】
「すげー人だかりだな」
「……確かに凄い人だかりですね、迷子になっちゃいそう……」
ジニー・劉
と
鹿嶋 洋美
は九夜山展望台の盛況ぶりに圧倒されていた。
「おい、誘った本人が迷子になるとか勘弁してくれよ」
「い、いえ! 気を付けますよ?」
あはは、と苦笑いする鹿嶋。
今夜は鹿嶋から劉を祭りに誘った。
(最近、劉さん元気なさそうだし、この祭りが気分転換になればいいんだけど……)
彼らは神魂絡みの事件を通じ、互いを意識するようになっていった。
鹿嶋は劉の弱さを垣間見たし、劉は鹿嶋の存在を必要だと気付き始めている。
しかし、お互いの事情が距離を縮める事へ踏ん切りが付かない状況が続いていた。
(劉さんが元気になってくれれば良いなぁ……)
鹿嶋は後ろを振り向けば、そわそわ落ち着かない劉の姿があった。
「どうしたんですか?」
「あ、いや、その、さ」
目を泳がせる劉を不安そうに近寄る鹿嶋。
「もしかして、人酔いしちゃいました?」
「ち、近いっつうの……」
劉は女性恐怖症である。
鹿嶋はそれを知ってか知らずか、気持ち後ろに歩を退いた。
「劉さん、大丈夫ですか……?」
「何でもねぇよ。ただ……」
「ただ?」
しどろもどろの劉は、照れ臭そうに頭を掻き毟る。
「……洋美のそういう格好……、なんか新鮮ってか、う、うなじが色っぽいな。和の美人って感じでさ。イメチェンってかギャップ萌えってか……。……何言ってんだ、俺」
中二レベルの感想を漏らす劉が自己嫌悪に陥りそうになると、鹿嶋は慌ててフォローを入れた。
「……あ、ありがとうございます……。そう言って下さると着てきた甲斐があったといいますか……! ほ、ほら、劉さんに気に入ってもらえたのなら、わたしも嬉しいですし!」
鹿嶋は努めて明るく振舞うと、竹飾りを指差してにこりと微笑む。
「ほら、行きますよ、劉さん。短冊書きましょう!」
「待てよ、本当にはぐれちまうだろ……」
子供のようにはしゃぐ鹿嶋を見て、劉は新しいメンソールの煙草に火を付けて煙を上に蒸した。
劉はだるそうに鹿島の後ろを追いながら、独り思案に明け暮れていた。
(多分、俺を励まそうとして誘ったんだろうけど、本人が一番楽しんでるじゃねぇか……)
それでも、鹿嶋の笑顔を見ていると自然と劉も気持ちが安らぐのを実感していた。
(――てか、情報料代わりに貰った組長のお古の浴衣……。すーすーして変な感じだ)
蜘蛛の巣柄の浴衣に葡萄茶の帯。
シンプルながらも劉の『蜘蛛』というイメージにしっくりくる代物だ。
……むしろお古ではなく、劉にわざわざ見繕って買い与えたとしか思えないチョイス(特に蜘蛛の巣柄の部分)なのだが、劉はそれを組長の前で口にすることはなかった。
(そういや、組長とさっきバッタリ会ったな。あの道化と一緒に練り歩いていたのは驚いたが……)
組長、
神無月 文貴
と道化――
骨削 瓢
が何やら話していたところに、劉と鹿嶋が偶然出会ったのは、ロープウェイに乗り込む直前の出来事だった。
「お? 坊主じゃねぇか。俺のやった浴衣、似合ってるじゃねぇか。そっちは……、ははぁん?」
神無月がニタリとニヤ付けば、骨削も怪しく口角を釣り上げる。
「いやぁ、お二人さんみたいな存在がいると、これからの『祭り』が盛り上がるよぃ、イヒヒヒ」
神無月が苦手な劉は、弄られる前に適当に理由を並べて逃走した。
(ありゃ、なんか企んでるよな絶対……。情報屋の勘が「やべぇ」って思いっきり告げているぜ……)
華やかな祭りの裏で何かが蠢いてると思うと、彼は頭が痛くなりそうだった。
ともかく、劉は目の前の鹿嶋の背中を追うことに今は集中する。
竹飾りの前まで2人はやってくると、早速願い事を短冊に書き出す。
「あ、空、霞んできちゃいましたね……」
鹿嶋の指摘通り、霧と雲で展望台は覆われて視界が悪くなってしまった。
「天の川はおあずけだな」
「せっかく来たのに。残念ですね、劉さん……」
「そんなことねぇよ、洋美。たまにはこういう賑やかなところを彷徨くのも悪くはないかもな」
紫煙を立ち巡らせ、竹飾りを見上げる劉。
鹿嶋は、そんな劉の安らかな表情を見て思わず胸をなで下ろした。
「おい、さっさと書いちまおう」
「そうですね。願い事書きましょうか」
鹿嶋は薄紅色の短冊を選ぶと、何を書くか暫し悩み始めた。
(願い事……。欲しい物、叶えたい事、今まではそんなこと意識したこともなかったけど、今年は……)
チラリと劉の横顔を盗み見たあと、迷いなく短冊に書き記した。
『劉さんが、心の底から笑えるようになりますように』
隣の劉に見られないように気を付けながら竹に吊るした。
(……なーんて……。ま、まぁ御呪いのようなものだしね……)
そんな鹿嶋が劉の短冊を覗き見してみれば、そこには中国語で書かれた願い事が。
「……読めません」
「馬鹿ッ!? 見てんじゃねぇ!!」
顔を赤らめて狼狽する劉。
水色の短冊には中国語でこう記されていた。
『我想永遠跟你在一起』
(やべぇやべぇ……。恥ずかしいからって中国語で書いておいて良かったな……)
劉の心臓は破裂しかねん勢いで鼓動を打ち続けている。
我想永遠跟?在一起。
日本語に訳すと、
『お前とずっと一緒にいたい』
となる。
劉は、鹿嶋にこれからも自分の傍にいてほしいと願ったのだ。
そうとは知らない鹿嶋は、読めない中国語で頭がいっぱいだ。
「見たことない漢字もありますね。なんて読むんでしょうか?」
彼女がうーんと唸っていると、自然とその体が宙に浮き出す。
「おい、洋美!」
劉が呼び止めるが、浮上の速度は緩むことはない。
「えぇぇぇ!? またわたしやって……きゃー!?」
鹿嶋のろっこん『エアーウェイト』は、ぼんやりと考え事に集中し続けると身に付けているモノ含めて空に浮かび上がってしまう。
だが、今回は竹に吊るされた短冊に宿る神魂の効果によるもの。
その証拠に、慌てて短冊を吊るした劉も宙を舞っている。
「洋美! 掴まれ!」
「ら、劉さん!」
プカプカと浮かびながら手足をばたつかせる鹿嶋。
だが浴衣姿で暴れ出すと、必然的に太ももやら何やらがチラチラッと劉の目に飛び込んでくるわけで。
(うお、見えた!)
一瞬、そちらに目を奪われてしまうのは、童貞である劉の悲しき宿命といえよう。
「やだっ、見えました!?」
すぐに太ももを浴衣で隠し、鹿嶋はトマトのように顔を赤らめる。
劉は鹿島の手を掴むと、明後日の方向へ顔を向けて言った。
「……見てねーよ何も!」
(くそっ! 頭から洋美のパンツの色が離れねぇ!)
あからさまにドギマギしている劉の言葉を、鹿嶋は生来の人の良さで信じてしまう。
「み、見てないんですよね!? そうなんですね! ならいいです!」
(良かったぁ、劉さんは紳士だなぁ。って、劉さんも飛んでる……?)
そして劉も空を飛んでいる事実に、ようやく自分のろっこんではなく、別の神魂の影響だと彼女は結論付けた。
「た、高いですね……」
鹿嶋は劉に抱き着いた。
思わずビクッと劉は大きく震える。
「だ、大丈夫ですか!?」
「……平気だ。しっかり掴まってろ」
動悸が激しい劉が怖々と鹿嶋の腰に腕を回すと、2人は厚い雲の中へ突入していった。
「……星が綺麗だな」
上空は静寂と微細な星の光に満ちていた。
2人はしばし上を見上げて星を鑑賞していた。
「天の川が目の前に見えますよ!」
鹿嶋は「あれが織姫で、あれが彦星ですね」と指差して笑ってみせる。
だが、劉はいつの間にか上ではなく下ばかり見ていた。
眺めるのは、雲の切れ間から見える寝子島の市街地。
ちょうどシーサイドタウンが顔出していた。
「洋美、お前の家はどこだ?」
「へ? ……あ、あの辺、でしょうか?」
鹿嶋は素直に劉の問い掛けに答え、市街地の一画を指差した。
「あそこら辺か。観覧車があそこならシーサイド九龍はあの辺りだな」
「こうして見ると、空撮地図みたいにシーサイドタウンが一望できますね、劉さん」
「……だな。でも、九龍の屋上から眺める夜景も捨てたもんじゃねえ」
「上空から眺めるのとは、また違った楽しみがありそうですね。じっくり見てみたいです」
「……そうだな」
劉は言葉少なに頷いた。
彼は必死に込み上げてくる色欲を必死に抑えていた。
嗚呼、童貞ゆえに、女性恐怖症がゆえに!
今の状況は劉にとってオーバーワークなのだ!
(顔が熱い。鼓動が速い。おまけに洋美、いい匂いがする)
体に触れている部分から鹿嶋の体温が劉に伝わる。
今なら何だって出来そうだ、とさえ錯覚してしまう。
(このタイミングなら素直になれそうだ……。俺の気持ちを、洋美に伝えよう……)
まさに『酒の酔いを借りる』理論。
それでも「俺は冷静だ」と劉は自身に言い聞かせ続ける。
すると不思議と色欲の熱は冷めていき、頭の中がクリアになっていく。
気持ちの整理が出来た。
……しかし、予防線として顔を見られたくないと感じ、劉は鹿嶋を背後から抱き締め直す。
「なあ洋美」
耳元で囁いて、劉は言葉に詰まってしまう。
(コイツを手放しちまうのが怖い)
彼の心に躊躇いが生まれる。
自然と、鹿嶋を抱く腕の力が強くなる。
(でも、その先は? 真っ暗闇に堕ちていくだけじゃねえのか? 俺は裏の住人で洋美はごく平凡な女。育った環境も価値観も、なにもかも違いすぎて。どう考えたって、うまくいきっこねぇ……)
「……迷ってるんですか、劉さん?」
その時、鹿嶋の両手が劉の右手を包んだ。
彼女の温もりが、劉の心に深く染み渡る。
「私は、拒みませんから」
劉はハッと息を呑む。
「洋美……」
「劉さんは、拒まれることを恐れているって、何となく気付いてました」
鹿嶋は振り返らずに、劉に自身の体重を預けた。
「だから、迷わなくていいんですよ。わたしは大丈夫ですから」
彼女の言葉に、劉の躊躇いは吹き飛んでいった。
だから、はっきりと耳元で彼は囁いた。
「好きだ、ずっとそばにいてほしい……」
そしてこうも付け加えた。
「俺にはお前が必要だ。何もかも違いすぎる俺とお前だけど……、それでも、そばにいてくれ」
鹿嶋は無言だ。
だが、右手を包む彼女の両手が、きゅっと握られていた。
返事が返ってこないことに不安を感じた劉。
その心に、再び情念の炎がちろちろと揺らめきだす。
「……でも、俺の物にならねえなら、価値観が違いすぎて、いずれ離れていくなら――」
劉は口を開け、その犬歯を剥き出しにして囁いた。
「いっそ今ここで、お前の事食べていいか?」
これには鹿嶋も少し体を硬直させてしまう。
「俺は蜘蛛だ。お前みたいな蝶を喰い殺す蜘蛛だ。……蜘蛛が蝶に恋したって、仲良く飛べるわけじゃねぇ……!!」
鹿嶋は首筋に刺すような痛みを覚えた。
劉が冗談ではなく、彼女の首筋に噛み付いているのだ。
耳から聴こえてくる彼の吐息は、完全に捕食者のそれで、呼吸のたびに熱を帯びていくのがよく分かった。
犬歯が突き立てられる感覚や、首筋を彼の舌が舐るのも、ダイレクトに鹿嶋の体中に伝わる。
だが、鹿嶋は劉のこれらの行為を止めようとしなかった。
むしろ受け入れようとするかのように無抵抗のままだった。
(昔、愛する人と別れてしまった話をする母は、諦めたことを、一緒にいる勇気が持てなかったことを後悔してた)
鹿嶋は胸中で、自分と母親を対比していた。
(……私は、この人のことでそんな後悔はしたくないから……)
「ぁ……、劉、さん……んっ……」
鹿嶋の声で正気に戻った劉は、慌てて彼女から飛び退いた。
「い、一時の、気の迷いだ。……馬鹿な事をした」
両手で顔を塞ぎ、肩を震わせる。
「まあいいさ……。どうせ夢だ。忘れてくれ……」
「忘れませんよ」
今度は鹿嶋が劉の身体を優しく抱き締めた。
「……うなじの歯型は少し気になりますけど、目立つものじゃないですし。それに……」
鹿嶋は両手を払い除け、劉の顔を真っ直ぐ見据える。
「ここまで想ってもらえるのは嬉しいです……。私も、劉さんを手放したくないです。どんなに遠くに行こうとしても、あなたが今のようなら、私は傍にいてあげたいですから」
そして鹿嶋は劉に頬を寄せて囁いた。
「だから、落ち込まないで下さい。……劉さんの気持ち、あったかくて、好きです」
「ひろ、み……」
鹿嶋は顔を話すと、劉の手を取って天を見上げる。
「ほら! 天の川きれいですよ! 一緒に飛んで鑑賞しましょう! ――あ、でも、それは良くないですね」
鹿嶋は劉の肌蹴た胸板に覗く蜘蛛のタトゥーを見遣る。
そしておもむろに巾着から口紅を取り出した。
「お、おい。何すんだよ……!?」
口紅を向けられ、劉のトラウマが過ぎる。
だが鹿嶋は満面の笑みで口紅を向けてくる。
「さっき、劉さんは自分のことを蜘蛛って言ってましたよね……? だから、こうです!」
鹿嶋は口紅で、劉の胸元の蜘蛛のタトゥーにバツ印を書き込んだ。
劉は何をされたのか理解できずに立ち尽くすばかりだ。
一人納得顔の鹿嶋は、
「はい、これで劉さんは蜘蛛じゃなくなりました! それじゃ、行きましょう!」
と言うと、劉の手を引いて天高く舞い始める。
劉は紅色のバツ印が付いた自分の胸元をしばし眺めていたが、急に大声を出して笑いだした。
「洋美、お前……、すげーな……! は、はは、はははははは――!」
「あ、劉さんが笑いました!」
鹿島も釣られて笑い声を上げる。
(願い事……、早速叶ったのかな?)
鹿嶋は今夜、そしてこれからも、この繋いだ手を何があっても離すまいと決意するのであった。
ジニー・劉
:空へ飛ぶための、掛け替えのない『翼』を得る
鹿嶋 洋美
:全てを受け入れ、愛する人と共に『飛ぶ』決意を固める
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1000人
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2014年01月25日
参加申し込みの期限
2014年02月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年02月01日 11時00分
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