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【七夕】飛べ、天の川! ラブラブ♪ランデブー!
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【Just be friend. Just be with you.】
日暮 ねむる
は、やたら乾く自身の喉をブラックの缶コーヒー(3本目)で潤していた。
今から起こそうとしている行動に、胸の鼓動が高鳴る一方だ。
珍しく、今日は慢性的な眠気が来ない。
いや、厳密には寝ている場合ではないのだ。
彼は両手で自分の頬を軽く叩いた。
「……よし!」
気合充分。
今夜、彼は意中の少女に自分の思いの丈をぶつけようと決意しているのだ。
ちょうどその時、後ろから鈴の音のような可憐な声が日暮の名を呼んだ。
「ねむる?」
雑踏の中、彼女の声だけがひどく通って聞こえた。
「冴来さん、来てくれたんだね……」
日暮は振り返り、
花風 冴来
の姿を見初めた。
そして、日暮は思わず呼吸の仕方を忘れた。
目の前の冴来は、体の輪郭にぴったりあった浴衣に身を包み、それは匂い立つほどの色香を感じさせ、濃紫の生地に映える白の花弁と真紅の蝶の柄が幻想的な雰囲気を醸し出す。
極めつけは、普段下ろしている金の御髪をうなじの辺りで纏めている点だ。
いつもは少女然としたロリータファッションを纏う冴来に見慣れていた日暮は、彼女の『女』の部分を垣間見て、先ほどの気合は何処かに吹き飛んでしまった。
「どうしたの、ねむる? クルミ割り人形みたいに口をあんぐり開けちゃって?」
「あ、え、えっと! ケホッ、ケホッ……! ……うん、冴来さんが、すごく……綺麗だったから、つい……」
しどろもどろの日暮に、冴来は悪戯めいた微笑を彼に向けた。
「ありがとう、ねむる。ねむるの浴衣も素敵よ」
日暮の浴衣は濃紺の生地に杜若の絵柄が大胆にあしらわれた目に付くデザインとなってる。
褒められた日暮は、3本目の缶コーヒーの残りを一気にグイ飲みしたあと、なんとか言葉を紡ぎだした。
「……え、あ、う、うん。ありがとう、冴来さん……」
日暮、非常に不安が残る出だしとなった。
(うわ、緊張してきちゃった。目も合わせられないや……。我ながら臆病で、情けないなぁ……)
だが、日暮も一端の男である。
デートに誘ったのなら、エスコートはきちんとしようと心に決めていた。
「それにしてもさすがお祭り、人がいっぱい。何だか緊張しちゃうよね、冴来さん」
「本当、人が沢山。このままじゃはぐれてしまいそうね。はぐれない様に手でも繋いでみる?」
「え、いいの? それじゃ……」
日暮は恐る恐る冴来の手を掴んだ。
加減が分からず、とりあえず優しく包むように握ると、冴来はちょっと不満顔。
「これじゃ、すり抜けちゃうわよ。エスコートしてくれるなら、ちゃんとしっかり握って」
「そ、そうだね! じゃあ、離れないように……」
今度はしっかり、指と指を絡ませて握る2人。
(こ、恋人繋ぎ!? ドキドキする……!)
日暮の緊張が、手から冴来へと伝わる。
(誘ってくれたのは嬉しいけれど、ねむるったら妙に緊張してる。一体どうしたっていうのかしら?)
冴来は首を傾げるばかり。
2人はロープウェイに乗り込み、展望台へ向かうことにした。
展望台に到着した2人は、生憎の曇天模様に意気消沈。
「と、とりあえずさ。短冊にお願い事でも書いてみようよっ」
しかし、デートの雰囲気を損なわせないように、日暮が懸命に冴来へ呼び掛ける。
「ええ。折角だもの。お願い、してみましょうか」
2人は揃って短冊に願いをしたためはじめた。
冴来は悠々と、日暮はコソコソと書き終える。
(こんな恥ずかしい願い事、本人の目の前で絶対に見せられないからね……!)
「ねむる? どうしたの?」
「な、何でもないよ。ほら、願い事は人に教えたら叶わないっていうし……」
「ふーん……」
冴来は別段、興味なさげに話を聞き流した。
(叶わない、か……。見せないほうがいいかしら?)
彼女が短冊に願った内容は。
『世界で一番愛しいあの人にとって、何より大切な存在になれますように。ずっと一緒にいられますように』
(……叶わないって、分かっているけれどね)
心の中で自嘲する冴来。
「あとは笹に引っ掛けてっと。さ、冴来さんは願い事書けた?」
横を向いた日暮の隣に、冴来の姿がなかった。
「ねむる? どうしたの? きゃぁ!」
冴来は上空に浮かぶ日暮の体を見て悲鳴を上げる。
「って、あれ? なんだか体がおかし……ってわわわ浮いちゃってるよ~」
眼下で手を伸ばす冴来の手を取ろうと、必死に腕を伸ばす日暮。
だがそれは叶わず、手足をバタバタしてるうちに体はどんどん空へと舞い上がってしまう。
「また神魂の影響なの? え、ちょっと!? 私も飛んでる……!?」
混乱する冴来の手を、ようやく日暮がしっかり掴んだ。
「大丈夫!」
彼は冴来に言い聞かす。
「大丈夫だから! しっかり握ってて!」
冴来はその言葉を信じ、彼の手を強く握り返した。
しばらくすると、体の浮上が止まった。
「ちょうど雲の真上で止まったみたいだね。あはは、さすがのねむるさんも雲のベットで寝るのは初めてだよね」
場を和ませるべく、日暮はゆったり雲の上で仰向けになる。
冴来もこれに倣い、雲の上に寝そべった。
「そうね。雲の上は私も初めてよ。まるで、御伽噺のようね」
2人は自然と、真上に煌く数億の星の光に手を伸ばす。
「はは、こんなに近づいてもまだ届かない。だからこそこんなにも綺麗だと感じるのかもしれないね」
日暮の言葉に、冴来は唐突に空の一点を指差した。
「星の光は、星が死んでしまったときの光なんですってね……。」
(こんなに近づいても、届かない星々……。届かないと分かっていても、手を伸ばさずにはいられない……)
ある種の寂しさが、冴来の胸中に渦巻き始める。
「届かないものに手を伸ばすことに、私は意味がないと思う。だから早々に諦めてしまった方がいい。でも……、なんて綺麗な星空……」
冴来は感嘆の声を漏らす。その手は無意識に、上へ上へと伸びてしまう。
それを日暮が遮った。
「そんなことないさ」
「どうして、そう言えるの?」
「だって、例え手が届かないと分かっていても、差し出した手が星空に添えられて、僅かにでも目に映る景色が変わるなら……。『意味がない』なんて事はない。僕はそう思うんだ……」
「それは、どういうこと?」
冴来は日暮の横顔を見遣る。
彼の表情は硬い。何かを思い詰めているようだ。
「全てに意味はあるんだ。この今の瞬間、僕らがこうして空を飛んで、星を眺めていることにも、意味がある」
「届かないものに程焦がれてしまう。人間って難儀な生き物だわ。それにも意味があるのかしら……」
思わず冴来は反論してしまう。
だが日暮は確信を持った口調で答えた。
「あるよ。だから僕はここにいる。なんだか、今まで見てきたどんな夢よりも夢のような時間だよ。冴来さん……」
「夢、か……。確かにそうね……。織姫と彦星は、無事再会を果たせたかしら?」
「大丈夫、雲の上はこんなに晴れているんだ。再会出来ているはずだよ」
ここで、二人の会話が途絶える。
訪れた静寂。それを打ち破る、己の鼓動の音。
それは1秒1秒ごとに間隔が狭まっていく。
冴来は星を見上げ、胸が苦しくなっていた。
(夢が覚めた先にあるのは辛い現実……。あの人と私も、いつか離れ離れになってしまう……。現実はなんて残酷なんだろう……)
憂う冴来の顔を横目で確かめた日暮は焦った。
(今しかない。今なら、言えるかもしれない……)
日暮は不意に「もっと上へ行かない?」と冴来を誘う。
冴来もこれを快諾。更に上へと登っていく。
月光が2人を照らし、星が2人を見守っている。
日暮は冴来に相対して、一度深呼吸をした。
「冴来さん……」
「なに、ねむる?」
冴来の青い双眸が月光に照らされ、日暮を見詰める。
彼はその魔力すら感じる視線に負けじと、勇気を振り絞って言葉を紡いていった。
「僕は君に伝えなきゃいけないことがある。だから君を七夕まつりに誘ったんだ」
この瞬間、冴来の身体が緊張で硬くなったのを日暮は悟った。
しかし、もう退く事はできない。
日暮はゆっくりと、自分の想いを冴来に伝え始めた。
「――僕は貴女のことが大好きです。僕は、貴女の一番傍に居たいんです。今までも、そしてこれからも。だから……」
僕は、冴来さんを愛していたいんだ。
(……言った。言ってしまった)
日暮の心臓が暴れまくる。
口を閉じていないと、うっかり飛び出てしまうのではないかと錯覚するくらい、鼓動が早く打っている。
汗腺という汗腺から湿り気が発せられるのを彼は自覚していた。
一方、冴来は彼の言葉を聞き、息を飲んだ。
(私が大好き……?)
真っ先に浮かんだ感情は『困惑』であった。
(……きっと、ねむるは本当の私を知らないから、そう言ってくれるんだろうな……?)
冴来の抱える『世界』の要素――過去の過ち、現在の狂気、未来への嘆きが、感情の沼地の底から顔を出す。
冴来の『世界』は、実に揺らぎやすい要素で構成されていた。
そこへ突如放り込まれた、日暮の愛情。
(受け止めることはできる。けれど受け入れることはできない。……それでも、誰かに愛されることはこんなにも暖かいのね……)
「ねむる」
今度は冴来が言葉を伝える番だ。
「ごめんなさい。……私には心に決めた人がいるから、貴方の想いには応えられない……」
「うん……、なんとなく、分かってた」
日暮はたどたどしく口にした。
こうなることは、分かってた。
「だけれど、ねむる。愛してるって言ってくれて、ありがとう。私、とても、……嬉しいわ……」
溢れそうになる涙を拭うように、冴来は日暮の胸に飛び込んだ。
「ごめん、ごめんなさい……。嬉しいのに……、受け入れて上げられなくて……、ごめんなさい……!」
限界だった。涙が勝手に零れてくる。
日暮は、震える冴来の身体をそっと抱き締めた。
柔らかい肌、細い身体の輪郭。
このまま力を入れてしまえば、粉々に壊れてしまいそうな繊細さ。
日暮は、ただ、優しく冴来を受け入れた。
「……いいんだ、それでも自分の気持ちは伝えられたことに、後悔はないよ」
彼は自分の胸で嗚咽を上げる冴来の頭を撫でた。
「冴来さんに想いビトがいるの、僕は知ってたから。僕は、冴来さんが幸せになってくれれば、それでいい。それが僕によってもたらされる事が永遠に来なくても」
「ねむる……」
冴来は何度も謝罪をし、日暮の胸を涙で濡らす。
「ねむる、お願いがあるの……」
「なにかな、冴来さん?」
真っ赤に腫らした目で彼の顔を見上げる冴来。
「お願い、これからもずっと私と友達でいて。私、ねむるの想いには応えられない……。でも、離れたくないの。身勝手だけれど、それでも、お願い。私と、ずっと友達でいて」
「いいよ」
日暮は冴来の額に自分の額を合わせ、その頭を撫でた。
「それでも僕は、冴来さんと一緒にいたい」
「ねむる……」
2人は固く抱き合い、暫くそのまま月の光を浴び続けた。
日暮 ねむる
:短冊の願いが叶う
『例え友達でも構わない。構わないので冴来さんとずっと寝子島で暮らせますように』
花風 冴来
:愛を知り、哀に気付き、逢い続ける
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定員
1000人
参加キャラクター数
112人
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シナリオガイド公開日
2014年01月25日
参加申し込みの期限
2014年02月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年02月01日 11時00分
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