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幸運だったというほかはない。
柚春は
風の精 晴月
を見つけることができたのだ。
勘頼みで探したわけではない。ラッセル――結局あれから連絡はつかないままだった――の話していた情報を手がかりに、彼が向かうであろう場所とは反対方向を探し、さらにレモングラスの香りを意識して歩いた。ほんのかすかな芳香でも感じ取れば、それを追うようにして。まるで自分が警察犬にでもなったような気分だった。
そうして、ついに見つけた。
海へとつづくく道を、とぼとぼと歩く背中を。
まずは安堵が先に立った。だが、油断してはいけない。
ここで驚かせたら、晴月さんはそのまま逃げ出してしまうかもしれない。
柚春は大きく深呼吸し、胸の高鳴りを押さえてから、何気ない声色をよそおって呼びかけた。
「レモングラスの香がすると思ったら。どうしたの晴月さん? こんなところで」
桜井先輩の名を出すのは、いまはやめておこう。
晴月が肩を震わせるようにして振り向いた。
季節外れの白いダウンジャケットにジーンズ、スニーカー履き。まるで冬の名残を身にまとっているような格好だった。
だが、それ以上に気になったのは彼女の顔色だった。血の気が引いて、幽霊みたいに真っ白だ。
元気なさそうだね――そう声をかけようとして、柚春は言葉を飲み込んだ。
下手にふれれば、彼女を追い詰めてしまうかもしれない。
そのかわり、柚春は穏やかに微笑んでみせた。
「引っ越しの日以来だね」
「そう……だね」
晴月の声はかすれている。
「よかったら僕の部屋でおやつでも食べない? 女子会しようよ。うち、すぐ近くなんだ」
本当は「すぐ近く」とは言えない距離だったが、方便ということにしてしまおう。
彼女が少しでも心を開いてくれるなら、それでいい。
晴月は迷っているようだった。眉をひそめ、かすかに唇を噛み、視線を彷徨わせている。
「でも……」
ためらいがちにつぶやいた晴月の手を、柚春はそっと取った。
ぎょっとするほど冷たい手だった。
柚春は動揺を悟られないようにしながら、やわらかく笑いかけた。
「おいしい焼き菓子もあるんだ。ひとりじゃ食べ切れなくて。ね?」
晴月は小さくまばたきをした。
それから、ほんのわずかに、柚春の手を握り返した。
あらためてディフューザーの電源を入れ、
「なんだか晴月さん、手が冷たいよね」
と手製のマッサージクリームを彼女の手にほどこす。
両手で紅茶のカップを手にした晴月は、外で見たときよりずっと血色を取りもどしていた。
「ありがとう」
「どういたしまして。あ、焼き菓子はこれね。旧市街の洋菓子屋さんで買ったんだ」
皿をそっと差し出す。
リラックスタイムの構築なら任せてよ。
柚春の得意分野だ。あんなに硬かった晴月の表情が、いまはずいぶんやわらいでいる。あとで足湯も用意してあげようか。
それでもまだ……いつもとはちがうみたい。
柚春は敏感に読み取って、まだ本題にはふれないでおく。
「晴月さんって、レモングラスが好きなの? フレグランス付けてるとか」
まだ緊張があったはずだが、晴月の肩がゆるむのがわかった。
「香水? してないよ。これは、たぶん生まれつき」
「そうなんだ? 知ってる? レモングラスは『香茅(こうぼう)』って書くこともあってね、うん、『香の茅(かや)』ってこと。茅の花には『守護者』とか『みんなで一緒にいたい』って素敵な意味もあるんだ。晴月さんの気持ちと一緒かな?」
「みんなと……」
「あっ、ごめん!」
柚春は身を乗り出した。晴月が涙ぐんだからだ。ティッシュペーパーを差し出すと、小さく礼を言って晴月は目を押さえた。
もっと時間をかけるべきかもしれない。
でも、たずねるタイミングだと柚春は決めた。
「少し前、桜井先輩から連絡があったんだ」と言いかけたところで「落ち着いて!」腰を浮かせかけた晴月を慌てて止める。
晴月の手を握ったまま柚春はつづけた。
「晴月さんが許可しないかぎり連絡はしないよ。約束する。白状するとさっき、紅茶のお湯を沸かすタイミングでこっそりNYAIN送ったけど相手はワットだから。ていうか、いま桜井先輩、スマホの充電切れで連絡取れないし」
晴月が黙って座りなおしたので、忘れていた呼吸を思い出したように息を吐き、柚春は言う。
「僕には、神魂とかはよくわからないけど……晴月さんがピンチなのだけは伝わってる。先輩からそう聞いたからだけじゃない、いま、晴月さんを目の前にしていてわかったよ。話せる範囲だけでいいから、話してくれると嬉しい」
「私は、本当は人間じゃないんだ。寝子島にあった強い力が、気まぐれに生み出した精霊、風の精……なんだよ」
冷静にうなずく柚春に、むしろ晴月のほうが驚いた様子だ。
「怖くないの? でなくても、びっくりしたり」
「しないよ。だって、晴月さんは晴月さんでしょ? 僕の友達、それは晴月さんが、精霊であっても宇宙人であっても同じだよ」 また晴月が涙ぐんだので、「大丈夫、大丈夫だから」と言う柚春ももらい泣きしそうになる。
「私、もうすぐ消えちゃう。私をこの世界につなぎとめていた力――神魂と呼ばれるものが消えたから、存在できなくなる。だから私、ラッセルのもとを離れようとした」
「でも」柚春は声に力を入れた。「晴月さんはどうしたいの?」
「えっ」
「……消えたいわけじゃないよね? この世界から、僕たちの、桜井先輩のいる場所から」
「
消えたくなんかないよ!
」
晴月がわっと泣き出した。「当たり前だよ! 私、ここにいたい!」
「だったら聞いて」
柚春は晴月の両手をとる。
「ワットからNYAINが返ってきたんだ。充電切れになる前の桜井先輩からメッセージが来てたみたい。いま先輩、晴月さんと縁のあるお寺まで行って調べてくれてるって」
「調べるって、何を」
決まってるじゃない、と柚春は力強く言ったのである。
「晴月さんを、この世界につなぎ止める方法を」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年02月18日
参加申し込みの期限
2025年02月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年02月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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