this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム /
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
過ぎ去りし想い
<< もどる
1
…
10
11
12
13
14
…
16
つぎへ >>
英二は荷物を部屋に置き、着替えてきたののことならんで歩く。
高校から卒業証書を受け取ったといっても、ふたりの会話はそう変化しない。
「プラモ何買ったの?」
「ニャンダムキャリバーンとニャランザのバージョンちがい、それとトレーニング用の機体の……」
「あーアレね。あのプラモも出てんだ。地味だけどカッコいいんだよね。いーなー」
「セールだったから。あ、関係ないけどTOSのフィギュアも五体に増えたよ。ついつい買い増やしちゃうよね。部屋が広くなったから」
「寮の部屋よか断然広いもんねー。私なんか二人部屋だったからむしろスペース持て余してる感じ」
「ひょっとして寮時代のほうがよかった?」
「かもね。だって寮食があったじゃん。朝夕のご飯作んなくていいのはなんといってもスバラシイ!」
たしかにそうだ。寮食は格別美味だったわけではないが、栄養バランスは取れていたしバラエティに富んでもいた。妙に薄い味噌汁だって、食べられなくなったいまでは無性に恋しい
「でもなー」ののこは言うのである。「自由なのはサイコーだよ。あの自称『父親』と暮らすよか全然いい!」
あっ、と英二は声を出しそうになった。
ののさんが、理事長のこと『父親』って表現した。
これまではよくて『理事長』、基本は『知らないおじさん』だった。『あの変な人』、『キモいおっさん』みたいな嫌悪表現すら飛び出していたものだ。まれに『父親』と言うことはあっても、文脈上仕方なく、という印象はぬぐえなかった。
それが、『自称』という二文字こそ冠せど、するっと最初に『父親』が出てきたのだ。
進歩、と考えたらいいのかな。
本当は、卒業とともに「まあ、学校ではあえて親子関係を匂わせないように行動しただけでさ」とののこが認めて関係修復、仲良し親子とまではいかずともそれなりに良好な間柄になることを英二は期待していたのだが、さすがにそれはないようだ。
「そいでさ。お金ない私は英二くんの厚意に甘えちゃうわけだけど、お昼はどこで食べる予定?」
「行ってのお楽しみ、ってことにしていい? 前、ちょっといい店を見つけてね」
英二が考えているのは自然食レストランだ。生産者の顔がプリントされている野菜に豆腐、お米、おかずも和食中心で、ドリンクバーだってコーラがジャーッと出るマシンではなくフレッシュジュースをたたえたピッチャーだ。でもビッフェ形式なので安価、当然食べ放題だ。栄養が偏りがちな独居者には嬉しいタイプの店だった。もちろん英二だってジャンクフードも好きだが、こういう良心的な店は贔屓にしていきたいと思う。
「食べ終わったらそのまま映画に行かない? 『機動戦士ニャンダム ニャークアクス』」
「あー、あれだよね!? 新作っ。『NYaaaaaaX』ってやたら『a』があって読み方がわかんなかったやつ! そうか『ニャークアクス』って読むんだ。テレビシリーズの先行上映って聞いてるけど」
「うん、前半が驚愕の展開なんだよ。もちろん後半も面白いし」
「なんで知ってるの?」
「じつは僕、二回目の観賞なんで……あ、でもこれ以上は言わないでおくよ。野々さんにもネタバレなしで楽しんでほしいし!」
「ほほう。つまり、私も楽しめることは保証済というわけですな」
「わりと自信を持って」
「英二くんがそこまで言うなら、行かざるをえないねえ。ていうか楽しみ! でも私、いまやってるアニメ映画なら『ベルサイユのばりゃ』も気になってるんだけどね」
「ベルばりゃ! そういややってたね」
「オスニャルさまは永遠のアイドルなんだよう……って、これ、あおいちゃんの受け売りなんだけどさ。原作もあおいちゃんに借りて読んだんだ。終盤なんて泣けて泣けて……」
と言ってふと、ののこは寂しげな目をした。桜花寮一年目、同室になった七夜あおいと一緒に、漫画の単行本を読んでわくわくウルウルしていた日々を思い出したのだろう。もう決して戻ることのない、過ぎ去りし日々を。
だったら廻り道したほうがよかったかな――と英二は思ったが、そのときにはもう、ふたりの前には見覚えのある建物が見えていた。
「とか言ってたら桜花寮だ!」
ののこは声を上げた。嬉しそうな反応に、英二はほっと息を漏らした。
「もう僕たちの住居じゃなくなったけど、やっぱりなんだか、離れた気がしないよね」
「うん。来れてよかった。私たちの三年間の思い出が詰まっている場所だから」
寮の正面まで来て、ののこは自然に足を止めた。英二もそうした。
「懐かしがるにはまだ早いけど」ののこは微笑した。「でもなんか……胸の奥がきゅっとなるね」
英二は、不意に言葉をなくした。ののこの横顔に見とれてしまう。
――卒業、したんだな。
野々さんも、僕も。
寝子高を。
受験期からの慌ただしかった日々を、ようやく意味として受け止められた気がする。
告白するならいまかもしれない。きっとそうだ。
野々さん、僕は、野々さんのことを……。
だが英二の心に浮かんだ言葉が、空気の振動としての聲(こえ)になることはなかった。
「英二くんさ」
制されたから。ほかならぬののこ自身に。
「あのとき言いかけた言葉――まだとっておいてくれてるのは」ののこは目を細める。「大切にしてくれてるからなんだよね。勇気がないとかそんな話じゃなくて」
だからさ、とののこは笑みを英二に向けた。もう子ども――少なくとも高校生ではない笑みだった。
「私、待ってるよ。あと何か月、いや何年か待つことになっても。まあ、おばさんになる前だと助かるけど」
英二の返事を待つことなく、「行こうよ」とののこは頭の後ろで手を組んで歩き出す。
「あーお腹空いた! てかペコペコだあ~」
桜花寮の門のそば、散りきらぬ桜の花びらが風にゆれていた。
いまにも落ちそうで、でもまだ枝にぶらさがっている。
<< もどる
1
…
10
11
12
13
14
…
16
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
過ぎ去りし想い
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年02月18日
参加申し込みの期限
2025年02月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年02月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!