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ヤァ、というよりはヤハに近い発音で、「やあ英二くん」とののこは言った。そして、
「おはようございます」
深々と礼をする。起きたばっかりという事実を隠す気はないらしい。
この四月から、英二とののこはご近所さんとなった。それは先に書いたとおりだ。イメージで言っているのではなく本当に近所なのである。なにせアパートが同じなのだから。
戦前からあったんじゃないだろうかと疑いたくなるほどクラシックな二階建て木造アパート、家賃が安めというよりは、激安に近い物件に英二は入居したのだが、引っ越しの直前、ここにたまたま別の空き部屋が生じたのだ。この情報を得るや英二はたちどころにののこに伝えた。「実家に相談したら」とののこにうながし見事、桜花寮を出るなり住所不定になりそうだった彼女の住居をこのアパートに定めたのである。『実家』は天界なのだろうかという気もしたがそれはさておき。
なお自分の部屋は一階、ののこは二階だ。同一フロアとまではいかなかったものの、同じ屋根の下なのはまちがいない。男子棟と女子棟に分かれていた寮時代よりもさらに近くなったわけだ。
「おはよう」英二はあいさつを返した。ためらいがちにつけ加える。「……というより、もうお昼過ぎてるけど」
「だっけ?」ののこはポリポリと頭をかき、「『春眠、暁ヲ覚ヘズ。ショショノ奇妙ナボフケン』とはよく言ったものだねえ~」などといい加減なことを言ってアッハッハと声を立てた。内容はもちろんのこと、『おぼへず』は旧仮名遣いだからまだいいとしても『ぼふけん』というのはそれこそ奇妙きわまりない。
「ええと、『処処啼鳥(しょしょていちょう)を聞く』、じゃなかったっけ」
「だったかも」ニヘヘとののこは笑う。「さっすが大学生!」
あまり僻(ひが)みっぽく聞えないのは発言の主がののこだからだが、『あっしは大学落ちた無産者でござい』と宣言されているようで、英二は苦笑いするしかなかった。
「お出かけだった?」
英二の荷物を見てののこは言う。
「うん。マタ大のオリエンテーションってやつで。帰り道寄り道しちゃったけど……」
「なんだー『クラン=G』行くんなら誘ってくれてもよかったのにー。ああでも、私は寝てたか」
「野々さんは昨日遅かったの?」
「うん。ゲームしてた。盛り上がっちゃって」
「何時に寝たの?」
「えーっとねー……三時? 四時? あれ、日は昇ってたかも? もうね私、時計が読めない病にかかってしまったのだ~」
そんな時間までののこは、海外産の集団戦FPS(ファースト・パーソン・シューティング)でしこたま対戦していたというのだ。
「アメリカなんて真っ昼間だもんね、こちとら夜中だっつーの。それだけでハンデがあるよう。まあ、やってるうちに眠気忘れてギンギンになってたんだけど。おかげで勝ち越した。イェイ!」
屈託もなく言うののこであるが、聞いていてわけもなく英二が不安になってきたのも事実だ。
進学、就職、海外留学した人もいる。未来に歩み出した同期の卒業生たちと比べると、いまのののこはすっかり停滞しているように見えた。
でも、「そんなことしてていいの?」 なんて言えないよ。
数日前、七夜あおいとの別れがつらくて、わんわん泣いていたののこを英二は目撃している。あおいとののこは、自他ともに認める大親友だった。三年間、ずっと一緒だったのを英二は知っている。ののこにとっては高校卒業よりもきっと、あおいとの別れは切なかったにちがいない。もちろんあおいもボロ泣きで、港で見送った多くの同窓生は涙を流したし、英二もまた例外ではなかった。あおいを乗せた船が見えなくなるまで、いや、見えなくなってもずっと、ののこは手を振っていた。
ゲームに没頭したり昼夜逆転みたいな生活してるのだって、いまの野々さんには必要な、癒やしの期間なのかもしれない。
そんな英二の気持ちなど頓着することなく、ふわああとののこは、大あくびとともに伸びをした。
「じゃー英二くん。それではさようなら。おやすみなさい」
「寝直すの?」
「いんや、言ってみただけ。これから朝ご飯、いやお昼か? あー、ブランチってやつ? うんそれ。よーし今朝は景気よく、大盛ウルトラカップ焼きそば、麺二倍のやつ食べちゃうぞ、と」
やる気を見せるののこであるが、そんなやる気は見せなくてもいいのにと英二は思わずにいられない。
「参考までに聞くけど昨夜は何食べた?」
「ウルトラなカップラーメンにご飯ぶっ込んだやつ。ちなみに豚骨」
よくない。これはよくない。
「だ、だったら」
リュックの重さなんて忘れ、舞台に立つ直前の歌舞伎役者のように英二は姿勢をただした。
「僕とご飯行かない? ちょうど僕もこれからなんだ、お昼」
おごるよ、と見得を切るように英二は言うのである。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年02月18日
参加申し込みの期限
2025年02月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年02月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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