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【共艶】
間もなくの幕開けをひかえて、
鴻上 彰尋
はひとつ深呼吸。深く深く息を吸い、そして時間をかけて吐き出しました。
「ふう……」
緞帳の向こうに感じる巨大な熱。観客の期待が圧迫感をともなって、分厚い布を揺らすほどに押し寄せます。
もうひとつ、ふたつ、深呼吸。
「ふふふ。緊張しているかしら?」
「あ……フジコ先生」
大柄な彼が隣に立つと、安心感がありました。その存在の大きさがもたらす安定と、彼の抱く万物への愛をつぶさに感じることができました。これは比喩というわけでもなくて、彰尋は本当にそう思うのです。
恩師、
富士山 権蔵
先生はこの場にいたっても不敵な笑みを崩さず、どっしりと構えて言いました。
「胸を張りなさい。今のあなたは役者なの。あなたは夢をかなえた。誇りなさい、あなたにはその価値があるのだから」
「……はいっ」
誰がどれほど言葉を重ねても、彼のひと言以上に彰尋の胸へと深く響きはしないでしょう。
伝説の、まぼろしの演劇集団『野良猫座』。その座長として一世を風靡しながら、経緯のほどはいざ知らず、寝子島高校の教師となることを選んだ彼。彰尋のあこがれの役者なのですから。
「よしっ……」
さあ。さあ。いよいよです。幕が上がります。
緞帳が重々しく上がってゆくと、眼前に光が満ち満ちていきました。
「う~ん。ちょっとまだカタイっていうかさ。若干イメージと違うんですよえ」
「はい」
「鴻上さんはまだ若いからね、なかなかニュアンスは掴みづらいかもしれないけど。僕としては、このイメージは外せないっていうか」
「はい、分かります。すみません」
「いやいやいや! あやまらないで。若いんだから仕方ないって。でももう少し自然に、リラックスして演じてみて」
「はいっ」
下積みはツライよ。物事のなんであってもそうであるように、役者の道というのもこれがなかなか、険しいものです。この道を歩み始めたばかりの彰尋ですから、それはもう大変です。大物監督のふわふわした指示を頼りに手探り、芽生え始めた自身の感性と照らし合わせて貫くところは貫き、譲歩するところはする。そのさじかげんを学ぶことや、人間関係やツテを築くことももちろん大事です。
演技も、それ以外のことも、すべて自分自身で積み上げていかねばなりません。当たり前のことながら、慣れない役者生活に少しばかり疲弊したりもします。
それでも、望んで目指した道です。まだその端っこへ、スタートラインへたどりついたところです。
「端役ったってこれが重要なもんなんだよ、鴻上さん。ちょっとした演技が主役を食っちまうこともある。箸にも棒にもかからない演技をされちゃ、すべてが台無しだ。だからって毒にも薬にもならないような無難な演技をすることもない。役者ってのはそこんところのボーダーを見極めるのが難しくて、そして楽しいところでもあるって僕は思うわけ」
「はい。分かります……あ、いえ。理解できるように努力します」
「ははは、まあ気楽にね! 鴻上さんはいいもん持ってると思うよ、そのうち主役だって演じられるさ……それじゃ、次いこか! テイク、ええといくつだっけ?」
自らも役者上がりだという監督の目にとまり、張りきって臨んだドラマの端役。思いのほか上手くいかず苦労や苦戦をしながらも、少しずつ自分の中に知識や経験やが積み上げられてゆく。人脈が築かれ厚くなってゆく。その過程を楽しむのが、おそらくきっと、役者人生というものなのでしょう。
そんな気づきを彰尋が得た、ちょうどその頃のことでした。彼から連絡が届いたのは。
『鴻上ちゃん、あたしといっしょに舞台に立たない?』
彰尋が寝子島高校を卒業してから、実に数年越しの共演となりました。
「であれば、だ! あなたは彼を許し恭順を求めるべきだった……」
「純粋なのね。可愛いわ。そして愚かよ」
「なにを!」
「人の業、心の深淵。人間の精神はその内側に、想像を絶する宇宙を宿すのよ。あなたはほんの一端を知っただけ。その複雑精緻、底なしの深度はまさしく神の御業といっていいでしょう」
「いったい……なんの話をしているんだ? あなたの言う実験とやらに関係があると? これが?」
「そう、私たちは旅に出るのよ。さあ、この輝かしい船出に乾杯を。わたしとあなたで」
「いいでしょう。付き合ってあげますよ。そしてあなたの罪をつまびらかとしてみせよう……この世界へと!」
フジコ先生の企画・脚本によるふたり舞台は、今年のマタタビック演劇フェスティバルの目玉講演となりました。まぼろしの『野良猫座』座長、そして売り出し中の新進気鋭若手俳優が師弟の絆で演じる、極限の心理サスペンス! なんてふれこみも話題となり、満員御礼!
第一幕を終え、降りてゆく緞帳の向こうに、彰尋は見ました。一心に手を叩く、
彼女
の姿を。
(……あおいさん!)
「さあ、ここからが本番よ。鴻上ちゃん、あたしについてこれるわね? ついてこれなきゃ、振り落としていくわよ」
「! もちろんですよ。最初から飛ばしていきましょう!」
「ええ、全速力でね!」
ひと幕の舞台は彰尋にとって、これから長く続いていくだろう俳優人生、そのターニングポイントとなったことでしょう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年02月04日
参加申し込みの期限
2025年02月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年02月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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