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【お花見】桜舞い降る寝子島で、大団円のひと時を。
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たとえ今日が花見日和であり、世の中ではあちらこちらの桜の下が花見客で大賑わいになっていようとも、
浅見 柚乃
が率いる女子バスケ部のやる事は変わらない。1に練習、2に練習、3、4がなくて5に練習。
それは柚乃が敬愛する
羽生 碧南
がバスケ部を率いていた頃から変わらない活動であり、その碧南からキャプテンの座を引き継いだ以上は何としても自分が次に繋げなければならないのだと、ある意味で悲壮なまでの決意をもって続けている活動でもあった。――碧南先輩が残した物を次につなげなきゃ、私をキャプテンに選んでくれた碧南先輩のためにも、絶対に。
そう、思えばバスケ部キャプテンとして練習に熱が入るのはもちろんの事、部員の指導にも熱が入ってしまうのは、仕方のない事だった。だって、碧南先輩ならそうしたはずだ。
だから――
「そこ! 気合が入ってないよ! もっとボールをよく見て!」
「浅見先輩。ちょっと厳し過ぎるんじゃないですか」
ゆえに今日も檄を飛ばす柚乃に、眉間に皺を寄せながら真っ向から反論したのは、
霧生 愛
だった。――なんで私がこんな事を、と内心でため息を吐く。
柚乃の視線が鋭くなったのに、溜息は出なかった。この1年、散々に敵視されまくった経験は愛を、良くも悪くも多少は図太くさせている。
だが――
(浅見先輩はそうじゃないんだろうな)
「霧生は黙ってて。まだ自分のトレーニング終わってないでしょ」と苛立ちを孕んだような声で告げる柚乃に、そう考える。――こうして自分が真っ向から反論したり、疑問を呈する事が柚乃のプライドと体面を傷つける事は判っているけれど。
キャプテンとして飛ばした檄や指示の内容に、何か問題があれば即座に訂正しないと後々の禍根が大きく残り過ぎる。そもそも、この1年間の自分への態度を思えば、柚乃が失恋のショックや愛への憎悪を、他の部員にぶつけるかもしれない、と警戒するのは当然の事だろう。
だから。後々の禍根にならないように、他の部員達に害が及ばないように――結果的には巡り巡って柚乃や、柚乃を選んだ碧南の立場を守るために、愛は柚乃に目を光らせていた。
(まあ、思っていたよりはマシだけれども)
さっさとトレーニングに戻れと怒られて、やれやれと肩を竦めながら愛は、張り詰めた気配を全身から放ちながらコートを睨む柚乃をちらりと見る。その様子は、やっぱり何だか気負い過ぎているように見えるのだが、愛以外への八つ当たりがほぼ見られないのは良い事だろう。
そう、愛以外には。――つまり、愛への態度は悪化の一途を辿ってはいるのだが、とげんなりした息を吐く愛の背中をちらりと見て、柚乃はきりりと柳眉を逆立てた。
(まったく、霧生は本当に)
イライラする、彼女への自分の態度が相当ひどいであろうことに、自覚がないのかといえばそうではない。でも、仕方ないじゃない、という言葉でその全てを丸め込んでしまえる程度には、柚乃の愛への感情は激しくも複雑だ。
だから、小さく舌打ちして。――はぁ、と息を吐いた。
(今の私、皆からはどう見られているのかしら?)
一般的にバスケ部員という言葉が持つであろうイメージとは異なり、ずっと『おっとりとしたお嬢様』というイメージを持たれ続けてきた柚乃だ。そんな自分が最近は、人が変わったね、とよく言われるようになった。
初めて言われた時にはそれに、ピンと来ていなかったけれども。何度も言われれば、さすがに気にもなるという物。
(私も碧南先輩みたいに『コートに立ったら豹変するタイプ』と思われてるのかしら)
敬愛する碧南と同じように見られているのなら嬉しい、と思う反面でその想像にショックを受ける自分が居るのも事実だ。でも仕方ないじゃない、と心のどこかで声がする――だって碧南先輩が残した物を、私は1つも欠けることなく次に繋がないといけないんだから――
そう、考えればやっぱり指導に熱が入り、それこそ人が変わったように檄を飛ばす柚乃に。自分のトレーニングメニューを終えた愛が、また横から余計な横やりを入れてくるのが腹立たしい。
ゆえに睨みつけてくる柚乃と、霧生頑張れ! とその後ろで応援の眼差しを向ける部員達に、愛は天井を仰いだ。
(勘弁してよ……)
私は浅見先輩のお守り係じゃないのよ、と叫びたい気持ちだったが、実質的に部員からはそう見られている。おまけに柚乃が、部活外では外面だけなら他の部員に接する態度などは少しも問題ない、どちらかと言えば育ちの良さを感じさせるものがあるおかげで、名コンビのようにすら見られているのだから。
愛は内心で頭を抱えながら、柚乃の指導に真っ向からぶつかったり、横から修正を掛けようと試みる。そんな、本来の部活外の事で疲弊するのがバカバカしくて、勘弁してよ、と幾度目とも知れぬ愚痴とため息を吐いた。
◆
休憩を挟んだら3 on 3で練習すると、言い置いて柚乃はスポドリを片手に体育館を出た。少し行ったところで足を止め、スポドリを一口飲んで吐息を吐く。
暖かな春の気候とは言っても、まだ長袖の上着は必要だ。だが、ついさっきまで激しく練習をしていた柚乃の火照った体には、むしろそのくらいの方が気持ち良い。
ゆえに柚乃は半袖の練習着のまま、渡り廊下に座ってしばし風に身を委ねた。遠くへと視線を投げれば何本もの桜が目に入り――その花びらの一片がふわりと風で飛んできて、柚乃の足元でくるくる回る。
幾つも、幾つも、幾つも。はら、はら、はらと舞い散る桜が、風に舞う様は美しく――けれどもその光景に柚乃が思い起こされたのは、つい数日前の卒業式の事。
(あの日――)
私の恋は終わったのだと、柚乃は奥歯を噛み締める。たった数日前の出来事は今も鮮やかで、胸の傷は生々しくて、とても割り切ることは出来そうにないけれど。
終わったのだと、終わってしまったのだと何度も、何度も自分に言い聞かせ。グッ、と無意識に手に入った力が、スポドリのペットボトルをベコリと鳴らす。
それにはっと我に返り、ペコペコ形を整えた。そんな柚乃の足元にまた、桜の花びらが飛んできて風にくるくると回る。
拾おうと指を伸ばしかけて、ぎくりと動きを止めた。――あの、奇妙な花びらの事を思い出してしまった。
(私はあいつの事が嫌いなのに。――なのに、どうして?)
あいつ――
霧生 愛
。ずっとずっと、大嫌いで憎たらしくて、最近はとみに口うるさくて鬱陶しくて――大嫌いな後輩。
だのに。数日前、卒業式の折に何枚かの花びらを掴んだ柚乃は、その中に奇妙な光景を見た――まるで未来の自分を移しているかのようなヴィジョン、その中に居る自分と愛が、よりによって愛し合っている姿。
ギリ、と噛み締めた奥歯に力が籠る。幾らなんでもそれだけはない、と全身全霊で否定する。
大嫌いな、憎たらしい後輩。愛する要素なんて――そもそも好意を抱く所なんて、1つだって思いつきはしないのに。
「私は彼女を後輩として見れなくなっている……? ハッ、そんな馬鹿な」
私はあいつを大嫌いなのよ、と。幾度も幾度も自分の中で繰り返し否定する、その行為がまるで自分に『そうでなければいけない』と言い聞かせるのにも似ているのにも、気付いてはいたけれど。
柚乃は何度も何度も同じ言葉を繰り返し唱えながら、回る桜の花びらを見つめていた。
◆
やっと休憩時間だと、愛は体育館の裏手から外へと抜け出した。反対の入り口から柚乃が出て行ったのは確認済みなので、絶対に何があってもかち合わないように。
少し行ったところで盛大にため息を吐いたのは、練習疲れよりも気疲れの方が大きい。勘弁してよ、と頭を抱える――練習が終わるまであと1時間以上はあるという事実が、その気疲れに拍車をかける。
ゆえにぐったりと胡乱な眼差しで、遠くを見やれば何本か、満開の桜が張る風に揺れているのが見えた。卒業式の日も咲いてたなと思い出し、あの卒業式は本当に最悪だったとまた、柚乃の態度を思い出して渋面になり。
(――おまけにあの、変な出来事まで)
卒業式の日に見た、奇妙な現象の事を思い出して愛は今度こそ、ぐったりと頭を抱えた。勘弁してよ、どころではない――悪い冗談にしてもいい加減にしてくれと叫びたくなるような光景。
あの日、愛が桜の花びらを手にした途端、なぜか自分の将来と思しき幾つもの光景が映し出された。幾つもの可能性、幾つもの未来――だがその中には最悪な事に、愛と柚乃が愛し合っている光景まであったのだ。
(本当に、冗談はやめてよね)
柚乃に嫌われている愛と、柚乃を苦手としている愛が、愛し愛される関係になるなんて想像もつかない。もっとはっきり言えば、ごめんこうむる――柚乃からすればもっと『冗談じゃない!』だろう。
はぁ……
深い、深いため息が愛の口から零れ落ち、春の風に霧散していく。その行方を見守るように、暫し風に舞い散る桜を眺めていた愛はやがて、気分に比例して重い足を引きずるように、体育館へと戻るのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
NPC交流
定員
1000人
参加キャラクター数
22人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年01月11日
参加申し込みの期限
2025年01月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年01月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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