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君と世界のまんなかで。
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【三日目……】
「体調でも悪い?」
「えっ? ううん、そんなことないよ。元気元気! ほら、いこっ!」
カラ元気も元気と言いますけれど、あおいはやっぱりどこかそわそわして、落ちつかない様子。それでも旅行を楽しみたい、そして修に気を使わせたくないというやさしく前向きなあおいの気持ちは伝わってきます。
「そうか、じゃあ、楽しもう。無理はしないようにな?」
「うん! で、今日はどこいく?」
修がスマホを取り出して調べてみると、ホテルのある立川市の周辺にも、ふたりの興味を惹くスポットがいくつかあるようです。
「ええと、昭和記念公園。ショッピングパークにゃにゃぽーと。ラーメンフィールド立川に、立川防災館では消防士体験ができたりするみたいだな。それに極地研究所の南極・北極科学館なんてものも……」
「全部いこう!」
ぐ、と気合を入れるようにこぶしをにぎり込んだあおい。華やかな笑顔で言いました。
「ぜ、全部か? 時間が足りるかな……」
「気合だよ、気合! パワフルにいかなきゃね」
ぱっと修の手を取り、駆け出します。
「おおっと。転ばないでくれよ?」
「あはは、大丈夫大丈夫! あははは!」
卒業旅行。ふたりの時を一瞬も無駄にせず、楽しさ嬉しさを詰めこめるだけ詰めこもう。そう思います。そう願います。
「よし。思いっきり楽しもう!」
「うんっ!」
昭和記念公園では、圧巻のイチョウ並木を歩きました。あざやかな春の深緑を楽しみ、秋の紅葉に思いを馳せ、はしゃぐ彼女の横顔を目に焼き付けました。
にゃにゃぽーとではウィンドウショッピング。春物のあわく愛らしい服やら小物を物色し、たがいのコーディネートをみつくろって、書店で猫の写真集をちょっぴり立ち読み。後に一冊を購入しました。
お昼にはラーメンフィールド立川で、にぼしの出汁が香る濃厚しょうゆラーメンをいただきます。たっぷりのネギ、煮卵にきくらげ、どでかいチャーシューがででんと乗って、こってり系ながらにふたりともちゅるりと完食!
立川防災館では地震、消火実習、煙体験にAEDなどなど、災害現場で役立つ知識と技術が自然と身につく、1時間以上にもおよぶ体験コーナーにて楽しく学びました。これでイザという時もバッチリ……かも?
国立極地研究所! こんな場所があっただなんて。昨今その影響が目に見えて現れてきた気候変動について、北極や南極などの極致から得られるデータをもとに立ち向かってゆく、世界的にも非常に重要な研究所なのです。
そんな魅力的なスポットの数々を、ひとつずつ、飛ぶように軽やかに、それでいて濃密に楽しんでいきます。あおいの笑みが弾ければ、つられて修もほっこりとして幸福に包まれました。東京の人いきれには少し酔いながら、けれどそこではふたりきり。修にはあおいしか、あおいには修しか見えず、ふたりだけの世界を、時が尽きるまで。過ぎ去る一瞬を惜しむように、ゆっくりと、いつまでも。
「ふふふっ。楽しいね、修くん!」
……午後10時。ビジネスホテルのさして広くもない、けれど案外落ち着く部屋へと戻り、修は天井をじっと見つめておりました。
窓の外は昼間の喧噪がウソのように静まりかえる、東京とは思えないほどに深い夜が寝そべるようにたたずんでいます。
「…………」
昼の光がまぶしければまぶしいほどに、ひとりとなったとたん、夜は重く気だるくのしかかるかのよう。なんの変哲もない時間がなぜだか、そんなふうに思えました。
卒業旅行です。高校生活最後の、彼女とともにゆく旅行でしょう。
これが最後の。そこに感ずる寂寥がゆえにでしょうか。この落ち着かない、沈みこむような感情の落とし穴は。
「あおい……」
彼女はどうしているだろう。自分と同じように沈みゆく心を持てあまし、焦れながら眠りへ落ちる時を待っているでしょうか。あるいはすでに夢の中で、なにかに追われながら必死に終着から遠ざかっているのかも。
彼女は……
答えをくれる
と言いました。
卒業式までには必ず
、とも。
高校生活の締めくくりまで、もうあとわずか。時は潤沢ではありません。なにか答えがあるというなら、それを告げてくれるというのなら、この旅行がおそらく最後の機会となるでしょう。
返事がなにもないのなら……そういうことなのでしょう。なにも告げないというのももしかしたら、あるいは彼女の優しさなのかも。であるなら修にはもう、どうすることもできません。静かに粛々と、後ろはかえりみず、次のステップへ進むだけ。春からの新しい生活へ虚ろなままに没頭するだけです。
そして、
「…………」
スマートフォンがぴりりと鳴って、修は飛び跳ねるように起き出し部屋を飛び出しました。
その夜、その後のことを修は正直に言って、あまり覚えていません。彼女の部屋を訪れたのがはたして何時のことだったのか。どのくらい彼女と相対していたのか。すべてはうつろうまぼろしのよう。
「ごめんね。ちゃんと言わなきゃって……ちゃんと話さなきゃって、そう思ってたのに。分かってたのに、どんどん苦しくなっていって……ずっとずっと、言えなくて」
ぼんやりとした記憶の中、目に焼き付いているのは、止めどなくこぼれた彼女の涙。きらきら、星と街の明かりにきらめく美しい雫だけ。
「ごめん。ごめんね、修くん。私……どうしても、ダメだったの。どうしても、決められなかった……自分の心まで裂けてしまいそうで、私……」
「いいんだ」
そっと抱きしめるくらいは許されるだろうか。そんなふうに思いながら、彼女の両肩へ手を添えて、
「もういいんだ。すまない。苦しむほどに、真剣に考えてくれて……ありがとう。あおい」
このまま時が止まればいいのに、と陳腐な言葉が浮かんでは消え、時とともにゆるりと流れて失せてゆき、そうして──
──今。
あのひと言では語り尽くせない、寝子島と仲間たちの未来をかけて走り抜けた
卒業式
を経て、修は旅立つあおいを見送るため、寝子島駅のホームへと立っています。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年12月19日
参加申し込みの期限
2024年12月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年12月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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